背比べ


「夕ぅー!」

部活が終わって、片付けもあとちょっと。
そんな時にいきなり目に飛び込んできた白いやつ。
腹に衝撃が走って、思わず呻いた。

「迎えに来てあげたぞー」

にへへ。
オレに抱き着いた笑っている柚葉。

「おう。ありがとな」

柚葉の頭をわしゃわしゃ撫でる。
髪がぐしゃぐしゃだ、なんて嬉しそうに笑うから今度は両手で思いっ切り撫でてやる。



「ノヤっさん!その人誰!?」

「あ?オレの彼女だ!」

「「えぇぇぇ!!??」」

興味津々な顔して聞いてくる翔陽に、言い切ってやった。
瞬間に一年の叫び声と「ありぇねえ!」「嘘デショ」の声が飛ぶ。

「ありえなくねぇし、嘘でもねぇ!!なぁ?柚葉」

「あっはっは!嘘じゃないよ!っていうか夕、ありえないって…!!」

「笑うなよ!」

ひいひい言ってる柚葉の頭を軽く叩く。







「あの女子もちっちゃいな!」

翔陽の言葉にピクッっと反応する柚葉。
そして、翔陽に向き直って指を突きつけた。

「誰がちっちゃいのよ!私は別にそこまでチビじゃないわよ!」

「うわぁ!!ごめんなさい!!」

「夕が背低いから、同じ位の私も小さく見えるかもしれないけど!!」

「んだとぉぉ!!」

今のは聞き捨てならねぇ!!

「オレの方がデケェ!!」

「一緒位でしょ!!むしろ私のほうが!!」

「いーや、オレだ!!」

「いーや、私!!」

これだけは絶対ぇに譲らねぇ!!



言い合いはヒートアップしていく。が、





「どっちもどっちじゃない?」




この月島の一言で終わった。




背比べ



(やっぱ、背は同じくらいってことでいい)

(そうかぁ?)

(目線が同じでうれしいでしょ?)



 

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