そんなベタな!
≪文化祭 At 桐皇学園高校≫
「次は男子生徒達によるダンスをお楽しみ下さい!!」
アナウンスに歓声を上げるギャラリー。
拍手が大きく鳴り響くのを合図に曲が流れだす。
舞台に登場するのは我らが桐皇学園高校の男子生徒たち。
顔の整った生徒が多いためか、女子たちの黄色い声が飛び交う。
好きな子のダンスに見入る子もいれば、友人をはやし立てる子もいる。
そんな中、私の目はただ一人、青峰君に向けられていた。
曲も中盤、みんなのテンションも最高潮。
そんな中、唯一ダルそうに体を動かす彼。
一番乗り気じゃないのは、一目でわかる。
でも、それでも一番ダンスが様になっているのは、彼。
動くたびに落ちる汗も、腕を上げるたびに捲れるシャツも、やる気のない目でさえ。
ぜんぶ、かっこいい。
青峰君ってこんなにかっこよかったっけ?
あぁ、どうしようか。たまたま暇だったから見に来た舞台発表。
視界に映るは私の中にあるのとは、全く別の彼。
どうしようもなく、惹きつけられる。
「っ…」
たまたま彼と視線が交わった。
どくん。
急に心臓が暴れだして、確信する。
――――――彼に、恋した。
うわぁ、イベントでクラスメイトの男子に惚れるなんて。
そんなベタな!
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