浴衣の効果
「おっふとーん」
ぼふっと布団に倒れこむ柚葉。
「今日は楽しかったねー。ねぇ、売店にあったさー、」
「土産、おばさん達に買うんだろ?」
「そー!さっすがー!わかってるね、鉄平」
「そうか?」
さっき覗いた売店の土産コーナーを思い出して、俺も買って帰ろうと考える。
「ねーねー、」
今日の出来事を楽しそうに話す柚葉に幸せを感じる。
窓に目を向ければ、東京では決して見れない満天の星空が広がっている。すごいな。
「ねー、まくら投げでもする?…二人しかいないけど」
「そうだn…」
窓の外に向けていた目を柚葉に向けて、固まる。
「どったのー?」
「…直してくれ」
「へ?…あ、浴衣?」
「…あぁ」
浴衣がはだけて、白い足が見える。さっきまで温泉に浸かっていたからだろう、上気した肌に少し濡れた髪。赤い唇がやけに扇情的だ。
「理性が持たん…」
だから直してくれ。そう言うが、柚葉は「んー」と悩む仕草を見せる。小首と傾げた拍子にするりと落ちた髪。チラチラと見え隠れする項に体の温度が上がる。
「どうした?」
「いや、このままでもいいかなー。と思って」
「そのままだと俺の我慢が利かなくなるんだが」
今だって必死に理性を押し止めてるんだ。
なのに―――――
「我慢しなくてもいーよ?」
「抱いていいってことで、いいんだな?」
「どーぞ」
誘うように笑みを向ける柚葉に理性がはじけ飛んだ音がして、次の瞬間には柚葉の肩を床に押しつけていた。
浴衣を着ているからだろうか、いつもより色っぽく見える柚葉の首筋に顔を埋めた。
浴衣の効果
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