やっぱり、


「はぁ〜なぁ〜みぃ〜やぁ〜!!ねぇってばぁぁぁ〜〜!!」

「うるせぇんだよ」

ゴンッ!

「いだっ!」

痛む頭を押さえて花宮の顔を見てみれば、ハッと鼻で笑われた。相変わらずヒドイ。なのにこの目の前の男がかっこよく見えてしまうんだから、私はもう末期だ。私アレだ、彼氏バカだ。

一方の花宮は、私を気にする素振りを見せない。今だって本読んでるし。そりゃぁ、デートとかはしてくれるけどさ。せっかく二人っきりなんだから少し位構ってくれたっていいじゃん。そういう意味を込めて、もう一度。

「はーなーみーやー!」

「……」

声を掛ける私とは反対に、無言を貫く花宮。

「ねぇぇー!!」

「……」

「しゃべろーよぉー!」

「……」

「こっち向いてよー!」

「うるせぇっつってんだろ!」

「チューしy ムグッ!」

言葉を遮ったのは唇に感じた柔らかい感触。





花宮にキス、されてる。




「ッハァ! これで満足かよ?」

「〜ッ!」

ニヤリと。花宮のものなのか、私のものなのか分からない唾液を舌で舐めとって笑う花宮。それがあまりにも妖艶で、顔が熱をもつ。

「自分から誘っといて何赤くなってんだよ」

ニヤニヤする花宮に恥ずかしくなって、「う、うるさい!花宮のバーカ!」と口走ってしまう。しまった、と思ってももう遅い。

だってほら、



「誰がバカだと?」




すっごく悪い顔してる。



「あ、ゴメンナサイ」

「許さねぇよ」

「はむっ!んぅ…ン…」

唇が重なって、強引に舌をに捻じ込まれれば甘い息が漏れる。どさりと床に押し倒されて、これからされることに嬉しさを感じて、花宮の首に手を回した。








やっぱり、



(最後には優しいんだから)






 

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