俺は新宿のアサシン。唐突だがなまえのことが気になっている……何故かなまえのことを見ると落ち着かない。これはきっと恋ってヤツだ。
なまえは俺のほうにくるとめちゃくちゃいい匂いをさせて隣に座ってきた。
「今お暇ですか?」
「うん」
やばいやばいやばい、これ絶対俺に気があるって!っていうか俺のこと好きだよな?好きじゃなかったらこんなことしねーと思うし……。
なまえはニコッと笑う。俺も笑い返す。変な笑い方になっていないだろうか……。
まあこんなイケメンに笑いかけられて気を悪くする女などいまい。いるとしたら捻くれた夢女くらいのものだろう。
盧俊義さま、俺は今猛烈に感動しています。だってあのなまえが……笛の音を聞かせてくださいって!
「誰から聞いたの」
「すごく笛ふくの上手いって、風の噂で」
ありがとうその辺の風!
しかし俺が横笛など所持している筈もなく。いや、俺生前の持ち物くらい持ってこいよ。こういう時のために魔力ってのがあるんだろうが!
俺は即座に魔力で横笛を作った。
「綺麗!」
いや、俺のほうが綺麗だし。
「じゃあ吹くからな、耳の穴かっぽじってよく聞けよ」
「汚い」
「誰だ今の」
〜♪〜♪〜♪〜
「すごい!やっぱりアサシンさんはなんでもできるな〜」
「そ、そうか?そんなに良かったか?」
「すごく綺麗でした!今度私にも教えてくださいね」
ふおおおこれは完全にマンツーマンのレクチャーを頼まれている!そしてなまえからの頼みを受けない俺ではない。
「いいよぉ」
言い慣れた言葉を返し、俺は震える掌を握りしめた。