SSS | ナノ


(GOGO二号さんの設定)(会話文です)
(真名バレ回避のため「新宿のアサシン」と書きましたが、正確には新宿シナリオに登場するアサシンくんではありません、ごめんなさい)
(アサシンくん、ジャックちゃん、ナイチンゲールさん、荊軻さん、李先生、ぐだ子ちゃんが出ます)
(中国語のピンインに関する話題が出てきますが間違っていたらごめんなさい)





「うっわ、床びっしょびしょ……おねえさんかよ」
「はあーッ!?」
「おねえさんごめんなさい、向こうで雨がふってたの……」
「今の下ネタは何!?」
「下ネタぁ〜? 今のを下ネタだと思ったわけ? ふ〜ん?」
「だめ、おねえさん、こっちにきたらぬれちゃうよ」
「濡れちゃうよぉ〜?」
「ジャックちゃんの隣で変なこと言わないでください!!」
「へんなこと?」
「おぉ? 俺は至極当然のことを口にしてるだけなんだけど?」
「おにいさん! そっちに行ったらおねえさんがぬれちゃう」
「そうだなぁ〜? 例えばどんな風にィ?」
「びちゃびちゃになっちゃう!」
「なんでもいいから身体拭いてください! 風邪引きますよ!」
「サーヴァントが風邪なんざ引くかっての」
「引こうと思えば引けるんでしょう!? 酔おうと思えば酔えるって、けーかさんも言ってましたし、病は気から的な……」
「わたしたちが風邪を引いたら、おねえさんが看病してくれる?」
「えっ、うーん……生身の人間なら医療班に突き出すけど、サーヴァントの風邪がどういうものかわからないし……菌が移らないなら……」
「おねえさんのつくったおかゆ食べたら、ぜったいすぐ元気になる! 元気な女の子になる!」
「う、うん……」
「だから、わたしたちが風邪をひいたら、おねえさんが看病してね。ねっ?」
「うん……絶対に看病するね……アサシンさんも一緒に看病するんですよ……」
「俺が風邪引いたら?」
「アサシンさんは強いから風邪とか引かないでしょう」
「……お……おう……」


「風邪をひいたの! 本当に、ひいたんだってば!」
「嘆かわしい。ジャック・ザ・リッパー。仮病など言語道断です。貴女はどこをどう見ても素晴らしい健康体。とても元気な女の子です」
「でも、風邪をひいたの! はっくしょん! ほら! だから今日の種火集めは行かない! おやすみする!」
「マスター。仮病とはその名の通り仮の病。ですがこれは……」
「ただのワガママだねー」
「風邪をひいたら、寝てないといけないんだって。寝る子は育つんだよ!」
「じゃあ、今日のジャックは周回お休みにしよう。代わりに荊軻さんを……」
「待て待て私も風邪を引いた」
「荊軻さん、大人の嘘は」
「いけません」
「あー」


「えへへ、げほげほー」
「まさか本当に風邪を引いたことにするとは……そしてまかり通ってしまうとは……」
「仮病にしても演技が下手過ぎると思うんだが」
「ううーっ、つらくて死んじゃうよー」
「実際に風邪で亡くなる子もいるし……もし本当に風邪を引いていたら!」
「それは二百万歩譲っても無い」
「えー」
「おねえさん、わたしたちが眠るまで、ずっと一緒にいて……この手をはなさないで……あいしてるよ…………すや……」
「寝るの早い」
「ガキだからな」
「あと握力が思ったより強い」
「筋力Cだからな」



「風邪を引いたらなまえに看病してもらえると聞いたのだが。私もなまえに看病されたい」
「あんたの場合は介抱だろ。風邪引いたって嘘吐いて寝てたジャックは昼寝から目覚めたあとすぐに『もう治った』って言って周回に行ったぞ」
「まあ寝ているだけというのも暇だろうからな。しかし酒は百薬の長。一体どうすれば風邪を引けるのやら……」
「酒飲んで腹出して寝てりゃ風邪の一つも引くんじゃあないか?」
「常に腹を出している奴にそんなことを言われるとはな……薄着で寝るか……いやそれでは風邪を引く前にマルタに見つかってしまう」
「一人で飲んだらどうだ」
「それでは面白くない。せっかく気の合う英霊が集まっているのだから、歌って踊って食べて飲んだほうが楽しいに決まっている」
「んー……飲み会におねえさんを呼べば介抱くらいはしてもらえるかもな」
「それだ」


「えっ飲み会」
「そうだ。楽しいぞ。先日新しいサーヴァントを召喚することに成功したのだろう? 飲み会も兼ねて歓迎会をしよう」
「お気持ちは嬉しいのですが、わたし、その時間は……」
「なんだ? 助平でもするのか」
「スケベはしませんよ! けーかさんまで何言ってるんですか」
「ではなんだ?」
「……お酒の飲み方がよくわからなくて……」
「ほう。ではジュースを用意しよう。何、酒を飲むだけが飲み会ではないからな」
「とか言って、一口だけ! とか私の酒が飲めないのか! とか言ったりしません?」
「そういう輩は私が責任を持って漏れ無く殺そう」
「笑顔が眩しい」


「やっほー、おねえさん飲んでる?」
「うわーっ酔っ払いだ」
「酔ってねーよ! こんなんで酔うかっての!」
「酔ってない人はみんなそう言うんです」
「酔った気にでもなんねーと楽しめないだろ?」
「あ、なるほど……」
「という訳で、俺は今から相当酔う! かなり酔う! 何しても許されるくらいに!」
「極悪人の発想!」
「んー? それを言うなら無頼漢だ。ピカレスクロマンは好きかい?」
「あまり好みではないです」
「んなっ……」
「あと露出が激しすぎるのもよくないと思います」
「んがっ……」
「そもそもわたし……わたし、わたしだってアサシンさんに触りたいのに、アサシンさんがだめって言うから、いつまで経っても触れないじゃないですか!? っていうか今触っていいですか? 広背筋触らせてください! あと鎖骨も! 首も!」
「はぁああ!? なッ、おいこれ鬼瓢箪! こんなもんストレートで飲むなよ、あほか!?」
「アサシンさんの入れ墨見せてください! どこまで繋がってるんですか? もうめんどうだからぜんぶ脱いで!」
「荊軻! おい荊軻! そこの荊軻!」
「いいぞなまえ! そのままひん剥いてしまえ!」
「荊軻ああ!!」
「剥く!?」
「そこに反応すんな!」
「剥く……ということは……追い剥ぎ! 確かアサシンさんは中国拳法のすごい人なんですよね!? ではわたしと野球拳で勝負……衣類の枚数で圧倒的にアサシンさんのほうが不利ですね、やめましょう。相撲! 相撲しましょう、得意なんだってマスターさんから聞きました!」
「やらねーよ!」
「そういうのは自分たちの部屋でやれ! 土俵はフカフカで四角いんだろうが! あーっはっはっはっ!」
「黙れ荊軻!!」
「相撲しますよアサシンさん!」
「やらねぇって言ってるだろ!」
「敵前逃亡ですか!? いくじなし!」
「いや、だっておねえさんと相撲なんか出来る訳ないだろ!? もうそんなもん実質」
「じゃーあ私と本気相撲だな! 来い小僧! ねじ切ってやる」
「おい誰か止めろ!!」


「アサシンさんの入れ墨が見たいんです、足のほうとか、どうなってるのかなって思うと、夜もぐっすりで」
「そう急ぐことでも無かろう。何、深い関係になってしまえば嫌でも目にすることになる」
「深い関係」
「応とも」
「えろいことですか?」
「ぶっ……、直球だな。まあ、そのようなものだ」
「李書文さんはどこまでが名字なんです?」
「これまた唐突な」
「教えてください」
「李だな」
「ということは李さん」
「そうなるが、うむ……むず痒い」
「書文さん?」
「それもまた……まあ、なんだ、気恥ずかしい。李書文、で良い」
「中国ではフルネームで呼ぶのが普通なんですか? えっ、じゃあけーかさんって……」
「あれは荊、軻だ」
「ケイカで一つの名前だと思っていました。ということはアサシンさんも……アサさんなんですね」
「それはクラス名だろう」
「ああ……そうでした……まだ真名も教えてもらってない……なんて言うのかな……マスターさんがアサシンさんの名を知るまで教えてもらえなくて……」
「……では、代わりと言っては難だが。儂の本当の名を教えてやろう」
「本当の! 真名を持っていたのですね」
「本来の読み方のようなものだ。どれ、耳を貸せ」
「はい」


「待て、待て待て荊軻、おい荊軻、痛ってーな加減しろバカ! いてぇっての!!」
「身体が柔軟すぎるのも問題だな。技がうまくキマらんから終わりが見えない。これではタコだ。刺身にでもするか」
「いってぇなおい! 人の話聞けよ! いいからあれ見ろ!」
「……耳打ちだな」
「やべぇよあの人なんかニヤニヤしてるし絶対変なこと企んでるって! ……おい首! 首決まっ……」


「……というものだ」
「りいしゅううぇん?」
「まあ、慣れないうちはそうなるか。しかし。うむ。良いな、孫が出来たようだ」
「もう一回お名前教えておじいちゃん」
「良かろう、と言いたいところだが、何やら鴉が飛んで来たのでな」
「カラス?」
「なぁなぁ、何の話だ? 噂話の内緒話か? 俺にも教えてくれよ」
「目が笑っておらんぞ」
「笑って済ませられるような話でも無さそうなんでなぁ」
「何、他愛ない話さ。お主も今更真名など隠さず堂々としていれば良いものを」
「関係ないね。……何? 真名の話か?」
「おっと。無論、お主の真名はなまえに教えてはおらぬ。勘が良ければ、ある程度見当は付きそうなものだが」
「勘が悪くてすみません……」
「いや、言葉が悪かった」
「……俺抜きで話を進めるなよ」
「大変! けーかさんが倒れてる!」


「うぇええ……あいつに振り回されて胃の中が洗濯機だ」
「ちゃんと帯締めてください」
「なまえがやってくれ、私はもう動けん」
「子どもじゃないんだから……」
「眠い」
「こんなところで寝たら風邪引きますよ」
「そうしたら、なまえが看病してくれるのだろう?」
「仮病の前科がある子がいるので、そういう模倣犯みたいなのはちょっと」
「手厳しい」


「で? 耳打ちの内容は?」
「そこまで気にする程のことか? 周りが騒がしかったのでな、耳を借りたまでだ」
「話を逸らすなよ」
「お主の真名は伝えておらぬと言っている」
「俺は耳打ちした内容を聞いている。何を吹き込んだ?」
「強情よな。粘り強いと言うべきか。儂の名のピンインを教えてやったまでのこと。それ以外は何も」
「……ふーん。ピンイン、ピンインか……」
「何か良からぬことを思いついた顔をしているな」
「いーやぁ? 今まで国も文化も違う奴らと当然のように意思疎通が図れていたからねえ、たまには言語による異文化交流も面白そうだと思っただけさ!」
「変な言葉を吹き込まねば良いが」
「それはお互い様だろう」



「小姐! げんき? 二日酔いとかないか?」
「しゃお……? ……流行りの挨拶ですか? へいよーなんとかみたいな……」
「オネーサンって意味」
「中国語ですか?」
「そー」
「……なんでそんなにニヤニヤしてるんです」
「んー? ぴったりだなーって」
「何がです」
「小姐って響きがさ」
「……変な意味とかないですよね?」
「無い無い」
「じゃあ、オニーサンは中国語でなんて云うんです?」
「……あー……、……、とか」
「え?」
「……いや、小哥、小哥だな、言ってみ、小哥」
「しゃおぐあ」
「下手くそ」
「仕方ないでしょう、初めて言うんだから」
「……そうだなぁ。そうだよなぁ。そうだとも」
「なんです」
「んーん、なんでもないさ。ところでさぁ、おねえさん、俺のカラダにそんなに興味あったんだ? 嬉しいねぇ」
「はぁ〜? 何言ってるんですか?」
「昨日の夜、凄かったからさぁ! 超大胆! あ、憶えてない? なら仕方ないなぁ」
「は!? は!? なんです!?」
「え? おねえさんが俺の服ひん剥いていろんなところ見ようとして……」
「いろんなところ!?」
「相撲しましょって言った」
「なん……違いますよ! あれは普通に本気で相撲とろうとして……」
「はぁ!? 憶えてんの!?」
「流石にそのへんは憶えてますよ! バカにして! アサシンさんの身体に触りたくない人なんかこの世に居ませんよ!」
「……まだ酔ってんの?」
「酔ってません。素直に褒めてます」
「……触る?」
「触ってもいいんですか?」
「……、マスターの、次にな!」



「と云う訳だマスター、俺の身体に触ってみたくはないか?」
「とかなんとか言って、お金を取るつもりなんでしょう? わたしは詳しいんだ」
「金なんか取るかよ。まぁまぁ、とりあえず肩あたりにでも……」
「逆セクハラでは?」
「なんでそうなる」
「モラルが欠如したサーヴァントが多すぎてわりとその辺の信頼が薄い」
「あぁ!? セクハラにでも遭ったのか!?」
「未遂だけど、今まさに」
「違ぇって! とにかく俺はマスターに触られないといけないんだよ!」
「意味が分からない! ギャーッ! 助けてお巡りさん! 悪漢に襲われています!」
「違う! いや合ってるけど違う!」

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