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「てゆーかさぁ、人魚と人間がトモダチになれるわけねェじゃん! あはッ! バカみてェ!」

 オレがなまえに向かってそう笑い上げたとき、本当に泣き出してしまうのではないかと思うほど、あの薄い唇が噛みしめられているのを見た。
 なまえはエイの人魚だったから、腕から胴までのひれが繋がっていて、オレたちと比べるととても扁平な姿をしていた。平べったい身体で水を裂き、腕を軽く広げてひれを波打たせながら遊泳する。後ろから抱きつくと凄く怒って、毒針のついた尾を振って脅されたこともある。ただの悪戯じゃん、とからかえば外方を向いてどこかへ行って、水底の砂にべったりと張り付いてふて腐れるのだ。
 フロイドなんか知らない、あっち行って、ばかうつぼ、と悪態を吐いては長細い尾を揺らすその姿は、まあ嫌いではなかったし、背中に砂をかけて身体を埋めていくとそれはそれは恐ろしい顔で怒るのだが、それもまあ、嫌いではなかった。

「――それで、例の体験入学生がなまえということは分かりました。良かったではないですか」
「はぁ?」
「何が気に入らないのです?」

 友人との再会は、もっと笑顔でもてなすものでしょうに。とジェイドは面白そうに尾びれを揺らす。そうやってわざとらしく聞かれるのは腹が立つから嫌いだ。ふうっと鰓を膨らませて気を紛らわせる。こちらの姿で頬なんか膨らませても意味がない。
 珊瑚に指を絡ませて手を慰めるのにも飽きてきた。胸の中で漂う靄を裂くように、海藻を引きちぎってみせる。

「だってあいつ女じゃん。ここ男子校なのに」
「監督生も女子でしょう」
「小エビちゃんはワケありの条件付きだから比較対象になんない。本人に男装してる自覚があんのかは知らないけど、表向きは男じゃん」
「ほう」
「体験入学ってことはさぁ、最終的には入学することもあり得る訳でしょ」
「そうですね。まあ、性転換薬を使用してでも目的の学校に通う、なんて今日日よくある話ですし」
「……」
「転入した場合、彼女も人魚ですから、オクタヴィネル寮に入るのが妥当でしょうね」

 そうだ、そうなるのが当然だ。だって彼女はオレたちと同じ、人魚なのだから。性別を変えたって、魔法薬を飲んだってそれは変わらない。けれど、やはりどこかで不安がってしまう自分が居た。
 オレたちの出生は海だ。薬を飲んだからってそう簡単に陸での生活が何不自由なく送れる訳じゃないし、それこそ何回にも渡る訓練だって必要で、歩行ひとつにかける練習時間だって計り知れないものだ。肺呼吸も最初は慣れなくて死ぬかと思ったし、移動だって、脚を動かして歩くより尾びれをくねらせて泳いだほうが早い。排泄の仕方だって、海と陸とじゃ全然違う。

「フロイド」
「なに」
「古い友人との再会ですよ。もっと喜んでも良いのではないですか?」
「……」
「それに、ほら。我々が常に傍に居れば、問題ないでしょう? 何が心配なのですか」

 ジェイドはにやりとして、オレとよく似た歯をぎらつかせた。そうじゃない。そうじゃないんだ。
 オレは、“まちがい”が起こるのを恐れている。それはオレたちが少しでも目を離した隙に起こるもので、一度起きればもう二度と取り返しがつかなくなってしまうほど恐ろしい事象である。
 数多の出逢いが偶然ならば、引き合わされるのは必然だ。そしてそれらは交わるべくしてそこにある。周囲がどれだけ引き離そうと、いずれ二つは交差する。
 頭の中に浮かぶのは、例の監督生の顔だ。あれの横になまえが寄り添うのを想像して、無性に腹が立った。だって、なまえは海の生き物で、監督生は陸の生き物だ。だから、なまえはオレたちと仲良くすべきなんだ。それが正しい。それだけが正解だ。「おや」奥歯を噛んでいると、ジェイドが声を上げる。

「なに」
「いえ。ちょっと。図書室に行ってきます。こちらの本が返却日が今日でしたので」
「……オレ、代わりに行く。歩きたい気分。なんか、借りたい本もあったような気がするし」
「歩きたい気分?」

 ジェイドはオレの言葉に驚いて、目を丸くした。「早く貸して」人魚の手から本を奪う。ヒトと違って爪も長い、指先にかけて滲む色も違う。体温もオレたちのほうが低いし、「フロイド」泳ぐ速さなんか、陸の生物とは比べ物にならない。
 背に受けた声は海流に飲み込まれ、そして泡となったのか、もう聞こえてはこなかった。
 鰓呼吸から、肺呼吸へ。この瞬間が、毎回少し緊張する。慣れたのは事象であって、行動そのものではない。これは身体に染み込むものだ。覚えようと努力して、成し得るもの。
 湿り気を残した肌を空気に晒して、図書室へ向かうために足を動かした。一歩、二歩、歩行ってのはこうやってするものだ。間違っても、両足を同時に前に出そうとしたり、爪先から降り立ったりしないように。
 それを間違えれば、すぐにでも地に伏してしまうから。

「わ、」

 壁の向こうから何かが盛大に転ぶ音がして、開け放たれている図書室の扉の陰から顔を出す。すると、遠くの本棚の向こうに、いやなものが見えた。
 そこには手を差し伸べている監督生と、男みたいな格好で座り込んでいるなまえの姿があって、二人仲良く微笑みあって、それらは全く同じ方法で、呼吸をしていた。
 ああ、ほら。
 やはり、“まちがい”は起きてしまうものなのだ。
 胸の中がぐちゃぐちゃする。体内の臓器の位置が全部入れ替わったみたいだ。ヒトの身体はすぐに熱を持つから変な感じがする。鼓膜の裏がボウッとして、途端に感覚が冴えていく。返却口に本を投げ捨てると、他の寮生が慌ててそれを受け取って、ご利用ありがとうございました、と挨拶をした。
 監督生と別れたなまえは、やはり覚束ない足取りで歩行をして、本棚の背に手をついて休憩をとっていた。やはり、まだ歩くことに慣れていないのだ。油断しているなまえの腕を引っ掴んで、人目につかない位置に持っていく。奥の本棚の裏は、暗い分、空気もしっとりしている。

「ああフロイド、久しぶ、」
「小エビちゃんに近付くなよ」
「り、」

 挨拶なんかオレたちには必要ない。だって昔からの友達なんだ。おはようとおやすみさえあればいい。久しぶりなんて言いたくない。だってまるで、長い期間顔を合わせていなかったみたいだ。
 実際は、そうだ。でも、それを理由に陸の動物と仲良くなって良い理由にはならないだろう。

(お前は人魚なんだから、)

 ぎり、となまえの首を締め上げて、顔を近づけた。床から足の爪先が離れない程度に持ち上げると、流石になまえは苦しそうにして、オレからの初めての絞首を丁寧に受け入れた。
 そういえば、さっき、なまえがオレの名前を呼んでくれた。憶えてたんだ、嬉しいな。憶えてなかったら、それはそれで許さないけど。よくジェイドと間違えられていたから、一目で分かられたのは、単純に嬉しかった。自然と口角が上がる。

「肺呼吸ってこんな感じなんだよ。首が絞まると呼吸もできなくなんの。不便だねえ。さっきも遠くから見てたけどさ、おまえ歩き方変だし、小エビちゃんも変な目で見られて迷惑してんじゃん」
「っ……、ふ、……、」
「小エビちゃんとおんなじ寮に入れてうれしい? ざんねん。たぶんねえ、おまえ生臭いと思われてるよ」
「そ、んな、こと」
「だっておまえ、人魚だもん。小エビちゃんがおまえの元の姿見たらどう思うかな?」

 手を離すと、脱力したなまえがオレの足元に倒れ込んだ。あの細い喉に、陸の動物がこぞって欲しがる空気というものが通っている音がする。
 ひゅうひゅう、人みたいに呼吸をしている。人魚のくせに。まだ肺呼吸にも慣れていないんだろうな、苦しいだろうなあ。こちらは死を覚悟しているのに、だんだんと肺がここで呼吸をするのだと思い出して、そこを膨らませる。その瞬間、海に帰りたい、水の中に戻りたいと、己が今まで生きてきた環境を切望するのだ。
 陸に上がってこなければ、こんな苦しい思いをしなくて済んだのに。

「ねえ、学校に何言われたか知らないけどさぁ。こっちの寮に入れよ。また一緒に泳ごう。授業は陸でやるけどさ、海の中のほうが生活しやすいよぉ。なんで無理して陸で生活しようとしてんの。わざわざあんなオンボロ寮使う必要なんかないでしょお?」
「……は、……まだ、正式に入学じゃ、ないから……、ひとまず、ユウと、おなじとこ、ろ……」
「何? 小エビちゃんのことユウって呼んでんの。へえ! もう友達気取り?」

 呼吸の仕方、まだ慣れてないんだな。可哀想になってきた。早く水の中に戻してやったほうが賢明だ。だって、人魚って、海で生まれたものたちって、そういうものだ。けれど、オレはただ、なまえに。新しい環境に順応して欲しくないだけなんだろうな。
 なまえがオレたち以外と仲良くするかもしれない現実が、怖い。

「てゆーかさぁ、人魚と人間がトモダチになれるわけねェじゃん! あはッ! バカみてェ!」

 目を皿のようにして唇を噛み締めるなまえは、もう、何も言わなかった。発声の仕方を忘れたのかもしれないし、オレの正論を受けて言葉をなくしたのかもしれない。それで良かった。運の良いことに、なまえは体験入学生だ。早くこんなところ諦めて、普通の共学の学校か、もしくは女子校へ行けばいい。ここに通わなければ魔法士になれない訳じゃない。ナイトレイブンカレッジは男子校なんだから、そこに女であるなまえが性転換をしてまで入学するだなんて、オレはいやだ。だって、興味本位で擦り寄ってくる彼女の事情を知った男の存在に、オレはきっと耐えられないだろうから。

「今のなまえの声キライ。昔はもっと可愛かったじゃん。肩幅も広くなってオトコみたいだし、手もゴツゴツしてて似合わない」
「男だよ、今のおれは」
「おれとか言うな」

 声を低くしてみると、びく、となまえの肩が跳ねる。そういうところは変わっていない。少しだけ気が楽になった。
 なまえが監督生と仲良さげであったのは、たぶん、寮が同じだからだ。元が女とかは関係なく、ただ、体験入学生だからという理由だけで、あのオンボロ寮をあてがわれた。まだ入学だって決まってないのだから、寮に入らない選択肢だってあった筈なんだ。なのに、学校はなまえを寮に入れた。それは入学を見越しての選択だと判断する以外にない。
 寮が同じというだけで仲良くできるのなら、オレとだって仲良くできる筈だ。なまえがここに入学した暁には、オクタヴィネル寮に入ればいい。正式な手順を踏んで、それこそ男として入ってきたって構わない。
 オレはただ、オレの知らないところでなまえが変化していくことを認められないだけなんだ。だから、オレの目の届く範囲で、変化していくのならば。それくらいなら、許してやってもいい。

「……モストロ・ラウンジには行った? 行ってないなら行こうよ。案内する。ほら、立てよ」

 腕を掴んで、強引に立ち上がらせる。住み慣れたの環境に戻せば考えも変わるかもしれない。「待、」それにここは、静謐を良しとする図書室だし。他の寮生に睨みを利かせればそれなりに視線が散ったので、まあ悪くはない気分だ。
 覚束ない足取りで床を弾くなまえを引き摺って、鏡舎へと辿り着く。オクタヴィネル寮へと続く扉になまえの身体を押し込んで、続いてオレも、扉の向こうへと自身を滑り込ませた。
 魔法薬を飲んだ人魚は、己の意志で今現在の形態を切り替える。その環境に適応した身体になるかどうかを決めるのはいつだって自分自身だ。薬さえ飲めば環境に適した自分を好きなように決められるのだから大して難しいことではない。難しいのは、それに慣れるまで。
 鏡を通って真っ先に目に入るのは、オレたちが生活するべく用意された巨大な水槽への入口である。
 そうだ。人魚の生活空間であるそこになまえを落としたら、馬鹿な考えも変わるかもしれない。四つ這いになっているなまえを転がして、水槽の中へと蹴り落とす。泡を吹いて水中に沈んでいくなまえを追いかけて、オレはまた人魚になる。
 小さな口から空気の泡をこぼすなまえは、恐ろしいことに、まるで人間みたいだった。
 おまえは生まれついての人魚のくせに。

「ほら、早く元の格好に戻ったらぁ? このままだとなまえ、泡になって死んじゃうよ。戻り方覚えてないの?」
「……ッ!」
「ははッ、人魚が海で溺れ死ぬとかウケる!」

 沈んでいくなまえの腕を掴む。けれどもそれは水面へと引きずりあげるためじゃない。
 陸で乾いたなまえの肌に再び水を馴染ませるため。水中で正しい鰓呼吸をさせるため。鰭を曲げて優雅に泳がせるため。あの頃のなまえを取り戻すため。
 人間が水の中では生きられないと証明するために、オレはそれをしている。

「っ、この、ばかうつぼ!」

 内耳が、懐かしい罵声を捉えた。
 水中で身体をねじるなまえの姿形が、変わっていく。それはオレにとってもなまえにとっても、人魚に一番ふさわしいかたちで、一番見慣れていて、オレがなまえと言われて連想する、唯一の姿。なだらかな菱形のシルエットに、長く細く伸ばされた尾。
 水中を優雅に泳ぐ、エイの人魚のすがただ。

「おれ、は、まだ体験入学生なんだから、どこの寮を使わせてもらったっていいだろ!」

 ただ、今のなまえは、完全に男のそれだった。声も。口調も。体格も。だけど、「やっぱりさあ、なまえ、そっちの姿のほうがいいよ。ひらひらしててキレーだし」「話聞いてんの!?」オレの知っているなまえの姿に酷似していることには変わりはないのだし、寮内ではずっとその人魚の姿でいると言うのなら、許してやらないこともない。

「おれはユウと同じ寮に入ったんだよ!」
「学校側はおまえのこと人魚だって知ってるんだから何があってもオクタヴィネル寮に入れる筈だろ。なんで監督生と同じ寮に入れられてんだよ。人魚のくせに」
「それの何がいけないんだよ! 学校側が決めたことをおれに言うな!」

 エイは扁平な身体に付いた鰭を波打たせて泳ぐ生き物だ。悠々と水の中に身体を滑らせ、海底のものたちには天井から射し込む光と同じ色の白い腹を見せつける。まるで、太陽のひかりを切り取ったみたいに見えるんだ。

「ユウはおれが女だって知っても、人魚だって知っても、何も変わらなかった! 何が気に入らないんだよ!」

 なまえが自分の両腕を広げて発言するさまは、ひどく威圧的だった。
 自分を、より大きく見せようとしている。オレに、威嚇をしている。あの頃と同じ。怖くもなんともなかった。自分はここにいるのだと主張しているのと、なんら変わりのない行動がそれだ。

「それは監督生も女だからでしょ。そんな怖い顔すんなよぉ」
「……おまえのそういうところが、大嫌い!」

 なまえはオレが聞いたこともないような低い声で吠えて、鏡舎へと続く扉に向かって方向転換した。なんだよ、そんなにあの人間のほうがいいのかよ。自分が本当に男になったと勘違いしてるんじゃないか。おまえが男になっているのも、陸の上で人間の姿を保てるのも、すべて魔法薬のお陰だ。おまえが監督生と口を利けるのも、同じ寮に入れているのも、決しておまえ自身の力が素晴らしいからじゃない。
 おまえが女だからだ。

「行くな¨ッ!」

 叫んでも、どれだけ水を引っ掻いても、なまえは鰭をはためかせるだけだ。
 オレは水中にしなる細長い尾を掴み、腕に絡めてぐいと引き寄せた。尾の途中から枝分かれするように生えている尾棘を引っ張り出し、自分の脇腹にそれの先端を、勢い良く突き刺す。「い¨ッ、――!!」皮膚を抉る感覚と、体内に異物を挿し込まれる感覚が、それはもう、痛くて堪らない。

「ッ、ばか!!」

 エイの尾棘には返しが付いていて、一度刺さると抜きにくい。オレの肉と内臓を切って捲るなまえの尾が、オレ自身を捕らえた。じわりと噴き出した鮮血と笑顔が水中に滲んでいく。至近距離で驚いたなまえの顔が、腹みたいに真っ白になった。ああ、痛い、痛いな。痛いけど、その顔が見られたなら、かなりの収穫だ。
 人魚の姿になったなまえなんか、こうしてしまえばいい。オレとなまえを繋ぐ唯一の絆が、この、尾なのだから。尾っぽの根っこを握りしめて、体内に棘を押し込む。絶対に抜けないように。なまえが、オレを掴み続けるように。

「いや、フロイド、何してるの! 離せ、離して、だめ! 毒あるんだよ、忘れたの!?」
「忘れる訳ねェじゃん! ほら、監督生と仲良くするのやめるって言え!」
「今そんな話してる場合じゃない!!」

 人間に尾はない。生きる上で必要がなくなったから、退化していったのだそうだ。けれどもオレたち人魚が生きていくためには、オレとなまえが共に泳ぐためには、どうしても必要なものなんだ。
 なまえは自分の尾を掴んで、オレの身体から無理矢理それを引き抜いた。返しの部分に巻き込まれた少量の肉が傷口から飛び出て、また水の中を滲ませる。

「ばかうつぼ、」

 なまえはそう言って、オレの傷口にぴとりと口を付けた。
 すぐにそこを吸引される感覚があり、毒を吸い出そうとしてくれているのだということが分かる。
 オレはなまえが戻って来てくれたことが嬉しくて、自分の長い尾をなまえに巻きつけた。ぐるりぐるりと二周して、なまえの身体に絡み付く。今は女の身体じゃないから全然柔らかくないし、男に巻き付いているみたいでちょっと変な感じがする。
 べえ、と口からオレの血液を吐いて、なまえはこちらを睨みつけた。「くそばかうつぼ、次やったら本当に死ぬからね、」悪態を吐いてオレの尾ひれを殴るなまえは、子どもの頃と全然変わっていなかった。
 なまえはオレの束縛から逃れるよりも、オレの体内の毒を吸い出すことを優先した。尾棘の毒を使って逃げるのではなく、その手当てまでしてくれようとした。その行動が、彼女はこの寮に入るべきなのだと教えてくれる。

「離して!」
「なんで」
「うるさい! いいから離して! 鰭にあんたの尾っぽがひっかかって邪魔なの!」

 素に戻ったからか、男の口調で話すことすら忘れている。そんなんじゃこの先、男として生活なんかできない。まあ、でも、今の考えを改めるって言うのなら、男に関するいろんなことや、さまざまな仕草、習慣を、教えてやっても、いい。

「また、オレと一緒に泳いでくれるなら、離してあげる」

 だってオレたち、人魚じゃん。

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