どないせえっちゅうんや。
『君は、ずるい』
「わっはは!廉造らしいね!」
「えー!それよう分からんわぁ!」
いつもどおりの祓魔塾。
しかし俺は今とてつもなくイラついている。
原因は前後で俺をはさんで会話をする志摩と俺の彼女
「(こいつらなんでこない仲ええねん…)」
いつもならこっちまで嬉しくなってくる恋人の笑い声も今はイライラの原因にしかならない
志摩は志摩でいつもどおりイライラの原因でしかないが
「でも廉造はさあ、」
「ええ?!違いますよ!僕は全然」
「ほんとかなあ」
なんで俺をはさんで会話すんねや…
腹立つわ…
話したいんやったら席移動せえば良い話やろが……
シャーペンを力一杯握ってノートに書きなぐりをしていたら、気付いた子猫丸がわたわたと俺に声をかけてきた
「坊、なんや機嫌悪ないですか?」
「ああ?何もあらへんわ」
「はあ…ならええんやけど…」
子猫丸はここまで気ぃつかってはるのに前後ときたらまあ無神経なこっちゃ
「それでさあ、昨日ねー」
「へえ!僕もそれ気になるわ!」
「いい加減おまえらうっさいねん!!」
我慢の糸が途切れてつい大声を出してしまった
しかも反射で立ち上がってしまい、周りの連中もポカンとした顔でこちらを見つめている。
「…ごめん、竜ちゃん」
向かいの彼女がなぜか笑いを堪えながら謝る姿が視界に映ると、イライラが最頂点に達し、顔に血が上る感じがした。
思わず志摩をぶん殴りそうになったが、奥村先生が教室に入ってきたからやめておいた
結局イライラは全授業が終了するまで続いた
「竜ちゃん、ちょっとシャー芯買いに行くの付き合って」
帰り支度をしていると突然そう要求され、
「…………志摩といけや」
「なんで」
なぜだか無性に腹が立って悪態をついてみたが、
それを心底不思議そうに聞いてくるものだからやりづらい
「志摩と仲良くオシャベリしたいんのとちゃうんか?」
一回ぐらいガチで泣かしてもバチあたらへんやろコレ
わざと嫌味ったらしく言ってやると、
「ぷっ…ぷひひ…っ」
泣くどころか口を押さえて笑ろてはった
「おーまーえーはー!!昼間っから何がそんなおもろいねん!」
「だって…ぶふっ……わはは!竜ちゃん可愛い…」
「なんやとコラ!」
ひとしきり笑うと俺の手を掴み、にっこりとした笑顔をみせた
「それ、やきもちでしょ」
「ちっ…が………」
ああ、もう、何がなんだか…
とりあえず
今確実に俺の顔は真っ赤だろう
提出:星を見る人様