跪いて忠誠を誓う
シュッとネクタイを抜かれ、シャツを左右に引っ張られた。
ボタンが飛んで、前が全開になった。
やだ。
「じゃあ、これは、何?」
「んっ…ぁっ…?」
井上が鎖骨を撫でる。
何のことかと思うと、すぐにキスマークのことだとわかった。
「ちがっ…加賀見じゃないっ…」
「それじゃあ、他の男?それとも女?」
「…っ……」
「龍だよね?」
何て言ったらいいかわからなくて黙っているしかなかった。
普通の状態なら何かいい切り返しが思い付いたかもしれないが、今のこの責められているような気持ちと、いつもと違う井上の雰囲気が怖くて頭が働かない。
「かわいい…」
井上が頬をぺろっと舐めた。
「アキちゃんは泣いててもかわいいね」
あ、れ?
俺泣いてる?
「龍にも、そんなかわいい顔、見せたの?」
「見せてねっ、んー…む、ん…ぁは…」
言い終わる前に井上に口付けられて、何も言えなくなった。
どうしよう。
井上がバラしたりして、井上の言葉を信じたりしたら…。
俺はクビで済むかもしれない。
ものすごく大変だと思うけど、いくらでもやり直しが効く。
でも加賀見はこれからの将来がかかってる。
三年生だし。
どうすれば…。
「は、…ぅんっ…んん…ん…」
必死に口を閉じるけど、首を撫でられると開けてしまい、待ってたように舌が入ってくる。
「や、ん…ふ、……ん」
何度も絡め、唾液を吸いとられた。
薬のせいもあり、頭がぼやけてきて、唇が開放された後も、ぼーっと井上を見つめた。
「オレンジジュースの味がする」
井上は俺の首に吸い付いた。
「あぁ゛っ……いたっ…やめろっ!」
ちゅうと吸い付かれる。
加賀見がつけたキスマークの上から吸ったり、新しいものを付けてるみたいだった。
「アキちゃんに、痕つけていいのは俺だけだよね?」
「やっ…やだあっ…あぅっ…」
「アキちゃん、乳首勃ってる」
「っ…!」
恥ずかしくてたまらなかった。
やなのはほんとなのに。
「かわいい乳首。ピンクでちっちゃい。……龍も触ったんでしょ?」
「触ってな、あんっ!」
井上が乳首を摘んだ。
優しくクニクニ動かされる。
「あっ…いっ……し、ねっ…ぼけ」
「龍にはどんなふうに触られたの?」
「ひぁっ…!触ってな…や…」
もう片方の乳首も同じようにされ、体がいちいち反応して涙が出てきた。
「アキちゃん、素直ないい子になろうね?龍に、どうされたの?」
加賀見は開発するように、もっと強く、痛く触る。
井上は壊れ物を扱うように優しく触れる。
いつもと違う手に頭が混乱する。
井上は焦らすようにふっと息をかけた。
乳首だけでなく首や鎖骨にもかかり、頭が働かない。
「ぁあ゛っ…なめっ、ら、れたっ…」
「ふーん」
安堵する暇もなく、吸い付かれた。
「あっ…やだっんっ…!や、やめっ…ほんとっ…っ…」
「アキちゃん、乳首感じるんだね」
「あっあっ…ちがっ、ちがうっ…んあっ…」
「龍に開発されたの?」
「ちがっ、ちがうぅっんっ!」
「じゃあ、元から感じるエッチな体だったんだね」
「ぅあっ…ちがうぅっ…!」
乳首から離れると、ちゅっと触れるだけのキスをした。
「アキちゃんの唇、ぽってりしててかわいいよね」
「んっ」
「食べちゃいたい」
スラックスと下着も脱がされて、脚を開かされた。
「やだっ…!やだやだ!」
外気に晒されることで身体の熱を思い知らされる。
脚をバタつかせると、井上は俺の脚を掴み、足首にキスした。
「アキちゃん、あんまり暴れると脚も縛っちゃうよ?」
「ふ………うー…」
脚を動かすのはやめて、ぎゅっと目を瞑って羞恥に耐えた。
下半身に視線を感じる。
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