※おまけです
いつも以上にクオリティー低いです
更新した瞬間から下げようか悩むくらいです
優しい心で見てくださる方はどうぞ





「みかんちゃーん!おはよー!」

後ろからドーンという衝撃で、タックルされたんだとわかる。
朝からこのテンションで俺に話しかけてくる人間を俺は一人しか知らない。

「あー…井上」

今日は一時間目から暁の授業があるって井上がしつこいから朝から来てやった俺にその仕打ちは何だ。

「何だそれ、お歳暮か?」

テンション朝から高くてうざい。
それはいつも通りだ。
いつも通りじゃないのは片手じゃ持ちきれないような大きな箱を持っていること。

「お歳暮?何の話?」
「それだ、それ」

目の前の巨大な箱を指差すと井上はきょとんとし、何が可笑しいのか、あははと笑った。

「何言ってんのみかんちゃん!今日はバレンタインだよー?チョコに決まってるじゃん!」

いや決まってねえよ。
なんだよその大きさ。
チョコじゃねえよ。

「誰にあげると思うー?」
「どうせ暁だろ」
「ビンポーン!もう俺の愛は周知の事実だね!」
「へえ」

井上には悪いが、どうでもいい。

「あ、のっ…!三上くん…!」
「俺?」

可愛らしい声が俺を呼んだ。
声の方を見ると女の子が目の前にいて、これ!って言って紙袋を押し付けられた。
バレンタインだし、流石に何をくれたのかはわかる。
…なんでこんなに紙袋でかいんだ。
井上のお歳暮入りそうなくらいでかい。

「え、ああ…ありがとう」

礼を言うと女の子は顔を真っ赤にして走って学校の方向に行った。

「みかんちゃんモテモテー!」
「…井上うざい」

あの子誰だ?
見たことあるような。…いや無いような。

袋の中を見てみる。と、

「………」
「うわ!すごいチョコ!」

紙袋いっぱいにたくさんの包装されたチョコ。
大きいのから小さいのまで。
20…30はあるか?

「…あの子が全部?」
「いやいやいや!んなわけ無いじゃん!たぶん学年の代表で持ってきたんじゃないかなあ?…ほら」

そう言って井上が袋から取り出したチョコにはカードが付いている。
チョコ一つずつにカードが付いているようで、それぞれメッセージと違う名前が書いてある。

「へー…」

こんなもらえるもんなんだ…。
去年は…覚えてない。

「井上は?」
「え?」
「井上はどのくらいもらうんだよ?」

井上って本命は知らないけど義理はたくさんもらえそうだよな。
知り合い多いし。

「俺は好きな人からしか貰わないよー!」
「好きな人って暁?」
「もっっっっちろん!」
「………」

好きな人からしか貰わないって、暁には貰うどころかあげるつもりなんだろ?
訳わかんねえよ。


学校の校門に入った所で車から出て校内に向かう暁を見かけた。
いつも朝は眠そうにだるそうにしてるのに、今日は目もしっかり開いているし、動きも機敏だ。
珍しい。

「あっきちゃああぁあんっ!」
「井上おはよう。あ、三上もおはよう」
「おはよ。珍しく朝から元気だな」
「おーバレンタインだからな」

目を輝かせて話す暁に見つめられてドキリとする。
なんでバレンタイン=元気なのかはわからない。

「今日はアキちゃんにプレゼントがあります!はい!」

さっきのお歳暮…じゃなくてチョコレートを暁に渡す井上。
暁はそれを?を浮かべながら両手で抱える。

「?なんだ、これ?御中元?」

そう考えても何ら不思議ではない。
その巨大さからチョコは連想されにくいと思う。







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -