「バレンタインデーって知ってる?」
「き、聞いたことしか…」

蘭様がせっかく話しかけてくれているのに、俺はそれに応えることが出来ない。
それが悲しくてしょんぼりしてしまう。

バレンタインデーって何なんだろう。
聞いたことくらいはあるけど、それが何かなんて俺には想像もつかない。
俺ってほんとに駄目な奴だ。
そんな俺を見て、蘭様はクスクス笑った。

「じゃあ、僕が教えてあげる」
「っ!はっ、はいっ…!」

元気良く返事をすると、蘭さまは頷いて、扉の向こうへ行ってしまう。
蘭様がいないと、この地下室は静かで冷たい。
そわそわしながら待っていると少しして戻って来てくれた。

蘭様の手には掌サイズの箱がある。
バレンタインデーってその箱を使うのかな?
蘭様が俺の前に腰を降ろして、その箱を開けると、茶色いボトル。
ラベルには英語でチョコレートと書いてある。

チョコレート…。
これも聞いたことはあるけど何かはわからない。
蘭さまはボトルの蓋を開け、空いた手の掌にボトルを傾けた。
すると、茶色い液体と言うにはどろどろし過ぎたものが手に広がる。
その手を俺に差し出した。

「舐めてごらん?」

顔を近づけ恐る恐る舌を出す。
ふわっといい匂いが鼻孔を駆け抜けた。
ぺろりと舐めてみる。

「っ!…あまい」

独り言みたいに呟くと、うん、というように蘭様が笑った。
ストップがかからないから、掌のチョコレートをすべて舐め取った。

「こ、れ…を使うんですか?」
「うん」

チョコレートを食べる日がバレンタインデーなのか。
不思議な日があるんだなあ。

「え…あ、の…」

なぜか蘭さまに押し倒された。
抵抗する気なんてもちろん無いけど、なんで押し倒されたのかがわからない。

服を胸が見えるまで捲り上げられた。

「え、え…え!?」

バレンタインデーは?
バレンタインデー終わり?

「バレンタインデーはチョコレートを体に塗って遊ぶ日なんだよ」

疑問が顔に出ていたらしい。
蘭様が教えてくれた。

チョコレートを体に塗る日?
そんな日があるんだ。
蘭様は俺にチョコレートを塗ってくれるらしい。
バレンタインデー教えてくれるっ言ってたから。

「あ……じゃあ、御願いします」

好きにしてくださいと言わんばかりに体を差し出すと、笑う声が聞こえる。
それと同時に胸にどろどろしたチョコレートが落ちてくる。

「ん…ぁっ」

蘭様が手でチョコレートを伸ばす。
突起を掠める度に口から声が漏れてしまう。

「ぁ、ひ、んっ…ん、あっ…ぁあっ…」

塗り込むように乳首を刺激される。
蘭様はバレンタインデーを教えてくれているだけなのに、反応してしまう自分が恥ずかしい。

「ん、あっ…えっ、や、ぁ…!?」

塗り込む手が離れたかと思うと、ねっとりした感触が乳首に走る。
蘭様の舌だ。

「ぁっ、だめ、で、ぁ゛あっ…」
「何で駄目なの?チョコレートは食べるものでしょ?」
「は、ぅっ…だ、てっ…!」

知らぬ間に下着を下ろされ、反応し始めている性器に蘭様がチョコレートをかけた。

「ひぃ、ま、きたな、んんっ、ぁあっ…!あ、ぁっ、ぁ!」

手は性器に添えられ、上下に扱かれる。
ぐちゅぐちゅ。
その音は、チョコレートからなのか、先走りからなのかはわからない。

「ん、ふぁっ…あ、ぁ、あぁっ…!?」

いつの間にか蘭様の手は奥へと向かい、会陰を通って後孔をなぞる。

「ぁ、あっ…おね、が、しまっ…やめっ…!」
「朔、僕はバレンタインをしているだけだよ。どうしてやめるの?」

表面だけを撫でていた指が、中に入ってくる。
チョコの滑りを借りてぬるぬるだ。

「ぁ、んっ、ごめ…なさっ…!」

指を出し入れされると頭が働かなくなってくる。
指は二本に増やされていて、バラバラに動く。
腰が跳ねないように頑張ることしかできない。







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