食卓テーブルについて、一緒に朝ご飯を食べる。
送り迎えをしているお礼と言って朝ご飯と、たまにお弁当と夜ご飯もご馳走になってる。

暁ママは料理教室の先生をしてたくらい料理が上手だ。
俺は毎日楽しみにしている。

暁ママに暁の弁当大きくしてくれるように言って、味噌汁を啜った。
あーうまい。
米と味噌汁は日本人の心だな。

暁を見ると、箸を持ったまま頭がカックンカックン揺れている。

「暁」
「ねてない、ねてない…」

声をかけるとハッとしたように呟いて食べるのを再開する。
ご飯を食べ終わると、暁は制服に着替える。
半分寝てるせいでめちゃめちゃゆっくり。
その間に俺は暁んちに置いてある俺の歯ブラシで歯を磨く。

俺が磨き終わる頃、入れ違いで暁が歯磨き。
その間俺は暁の髪をセット。
暁は寝ぼけてると寝癖も直さずに学校に行ったりする。
暁と一緒に登校してなかったときは、学校で俺がやってた。

俺と同じ色に染めさせた金色の髪に指を通す。
思った以上に似合ってて写メ撮りまくった。
あーかわいい。
ひよこみたいでかわいい。

ワックスを手に取り掌に伸ばす。

「ほえねへほくーへはいほあいー」

俺寝ても崩れないのがいい、ね。
歯ブラシをくわえたまま話す。
今日暁の嫌いな授業ばっかりだしな。
確実に寝るな。

「わかった」

ワックスを暁の髪に馴染ませる。

「ひふ、いふほあひあほー」

陸、いつもありがとう、ね。
いいよ、俺が好きでやってんだし。
てかその歯ブラシくわえたままなの、俺以外には通じねえぞ。

サイドを掻き上げると暁のかわいい耳が見える。
ピアスも馴染んで似合ってる。
暁の歯磨きが終わるとちょうどよくセットも完成した。

「出来たぞ」
「ん」

ワックスでベタつく手を洗い、リビングに向かう。

「暁、これお弁当ね」
「うん、ありがとう」
「りっくん、今日はりっくんのも作ったから持ってってね」
「わあ、嬉しい!ありがとうございます!」

暁ママはかわいい。
なんというか、年齢を感じさせない若々しさがあるし、エプロン似合うし、にこにこ笑う姿はとても癒される。
暁のお母さんって感じだ。

でも怒ると超怖いと暁が言っていた。
それを俺は想像出来ない。

「じゃあ行ってきます」
「いってらっしゃい」

暁と駅まで歩く。
チャリでも行くけど今日は電車だ。
電車に乗ると、朝のラッシュでぎゅうぎゅう詰めだ。
暁を端に寄せて、俺は体を張って暁が潰れないように守る。

暁は眠そうにしながらも、頑張って立った状態を保とうとする。
俺は男に興味ないからわからないけど、こんなふうに無防備にしているかわいい男の子がいたら触りたくなるものなんだろうか。

暁は痴漢に遭ったと言っていた。
それがきっかけでこうして送り迎えをしてるわけだけど。

こいつ怪しい…!
いや、こいつも今暁をやらしい目で見ていたような…。
…こうして見ると、全員暁を狙う痴漢に見えてくる。
俺が暁を守らねば!
痴漢野郎!
暁には触らせないぞ!


無事、電車を下りる。
ミッション成功!
駅から少し歩いたところに学校がある。

「暁、コンビニ寄る?」
「や、昨日買ったのあるから大丈夫」

チョコのことだ。
暁は行きか帰りにチョコを買う。
俺はチョコにそんな興味無いからわからないけど、始めてみたときから暁はチョコラブ!だ。
ちなみに俺は娘ラブ!だ。

この辺りになるとやっと暁の目は開いてくる。
俺と一緒に来るようになるまで、どうやって登校してたんだ。
今まで無事だったのが奇跡だ。

教室に入る。

「おはよ」
「暁、ちゃんと目開けろ。ぶつかるぞ」
「んー…」

今日も暁が幸せに過ごせますように!





―――――
陸と暁の絡みがみたいとのリクエストでした。
ありがとうございます!

高校のときと、現代どっちの話書くか迷ったんですが、こっちにしました。
山も特になく終了w

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