みかん


だからその呼び方やめろよなんて言ってる場合では無くなった。
確かに俺は男を抱けるし俺の趣味とは別に抱いて欲しいと言ってくる奴もいる。
こいつもそれをどっかから聞き付けたのか。
でもここまでストレートなのは始めてた。

「悪いけど、あんたタイプじゃねえわ」

俺は女の子に関してはみんな好きだし、誰でもイケるけど、男は別だ。
基本的には小さくて小動物みたいなのとか、美少年とか言われるような系統の奴しか無理だ。
やっぱかわいくないとなあー。
特にマッチョなんか絶対無理。
でも案外抱いてくれっていうマッチョも少なくない。


手をひらひら振って元の方向に進むと、たったったっ、と軽い足音が聞こえた。

なんだあ?
振り向くと腹に何かが当たる。
衝撃が走り、足元が覚束ない。
壁に手をつき、前を見るとさっきの優男がいた。
定まらない視界に優男の手に何かが写っているのがわかる。
あ、……スタンガン?
クソッ、何だこいつ!

ふらふらしながらも拳を挙げると、カチリ。
何だこの音は。

そしてさらに大きな衝撃。

体が自分のものじゃないみたいに動かない。
人形に乗り移ったようだ。

バランスが取れなくて前に体が倒れる。
予想した地面の固さとは違う感触。

「すごいね。電気流してまだ動くなんて思わなかった。ビックリして二回目電圧マックスにしちゃったよ」

上から声がする。

背中に何かが回った。
手だ。
腕だ。

あーちくしょう。
あいつだ。
俺、あいつに受け止められてんだ。



俺を抱えながら男はどこか教室に入った。

電気が残っているのか、体がたまにびくびくと痙攣する。
俯せにされ、手を後ろに拘束され、足首も拘束された。
やめろ、と言いたかったけど、呂律が回らなくて口からはあ゛ーとかう゛ーとかしか出ない。


ここまでして、俺とヤりたいのか。
ここまでくると気持ち悪いな。
ドン引きはしてたが、たいした危機感も無かった。
こんなひょろっとした奴が何しようと、俺には問題じゃない。

体が動くようになり、転がって仰向けになる。

男の顔が見えた。
さっきはちゃんと見なかったが、まあ悪くはない。
良いわけでもないけど。

こいつなら頑張ればイケるかな。

「おい、ここまでしなくても、そんなにシてえなら抱いてやるから、これほどけ」

男はふっと笑った。
こんなぶっ飛んだことなんてしそうにない声色で。

「何か勘違いしてない?俺は突っ込まれる気なんか無いよ」
「は…?…っ!?」

まさか。
こいつ俺に突っ込む気か!?

ふざけんな!
がむしゃらに暴れるが悲しいことにあまり意味はない。

男が俺に被さってくる。
ちょ、まじありえねえ!

「どけ!てめっ、んー!」

唾が飛びそうなくらい叫ぶと、そのまま俺の唇は男の唇に塞がれていた。

「ん、く…」

舌がぬるりと入り込んで咥内を舐め回る。
気持ち悪い。

唾液が流れ込んできて吐きそうになる。
飲み込まないようにだけ気を付け、男の舌を思いっきり噛んでやった。

「ぐ、」
「ぷはっ」

慌てて男の口が離れていった。
舌噛まれて死ね。
噛みきろうとしたのに、男の口からしっかり舌が見える。
畜生。

口に溜まった唾液をぺっと狙って吐き出すと、男の顔に直撃した。

「きったねえもん入れんじゃねえよ」

男は顔に付いた唾を制服の裾で拭い、ふっと笑って俺の脚を開き、ズボンと下着を下ろした。

「やめろ、死ねてめえ!」

体を全力で動かし抵抗するが、手首、足首の拘束がそれを阻み、大した抵抗にはならない。

男が俺の性器を掴む。







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