みかん


寝顔を拝もうとすると暁が俺の背中に腕を回してくる。
あーいい感じ。
暁の頭に顔を埋めるといい匂いがした。
シャンプーか?

なんか暁といると癒されるけどムラムラするんだよなー。

暁の体をぺたぺた触って遊んでると、んーと言って暁の体が動く。
上半身は押さえてるから動かないが、下半身が動いた。
俺の脚の間に暁の脚が絡まる。
ちょ、やべーって。

脚を退かそうとすると、暁の太股が俺の股間を擦った。

「っ!」

ちょ、ほんとやべえよ。
勃つって。

服の上からだし、普段こんなことくらいじゃ勃たないが相手は暁だ。
俺のムラムラを刺激する暁だ。
こんな密着した状態で暁の匂い嗅ぎながら、股間すられたらそりゃあ勃つ。

動かしたいが、暁の膝は俺の股間に当たったままで動くと擦れてしまう。
生殺しか。

色々我慢ならなくなった俺は、暁を優しく押し倒した。
暁は起きない。

「んっ…」

内腿を撫でるとぴく、と体が反応する。
スイッチが入った俺は、首筋に顔を埋め、ぺろりと舐めた。

「んんっ…」

服の中に手を入れようとしたとき、タイミング悪くチャイムが鳴った。
あークソッ。
いいとこで…。

暁の様子は変わらず、寝息をたてて寝ている。
次の時間、暁授業あんのか?
起こした方がいいよな?

「暁ー起きろー」
「んー…」
「暁ー」

ぺちぺち頬を軽く叩くと暁が少しだけ目を開けた。
焦点が合ってない。
まだ半分夢の世界だ。

「みかみ…?」
「おう。チャイム鳴ったぞ?起きろ。な?」
「…やだ」

目を瞑ってまた寝ようとする。
寒いのか、体を丸くした。

「あーきっ、起きろ」
「ん゛ぅ…ねむい」
「起きないとキスするぞ?いーのか?」

すると意外な答えが返ってきた。

「ん、する…」

は…?

「え、キスしていいの?」
「ん」

こっちに顔を向け、唇を尖らせた。
なにそれ、かわいい。

完全に寝ぼけてるけど、俺にもチャンス到来ってやつか。
もちろん据え膳はいただく。

ちゅうと唇を吸う。
なんか夢みないな数秒だった。
それも唇の傷が夢じゃないと教えてくれる。
キスってこんな大層なもんだっけ。

暁の唇がうにうに動いたのを見て、思わずにやりと笑い、キスを額や瞼に移す。
暁の唇はまだうにうにと動いている。
俺も口にキスしたいが我慢だ。
唇の横にキスすると我慢できなくなったのか暁から声が漏れた。

「んぅ…みかみ、くち…」
「なに?ちゃんと言わなきゃわかんねえよ?」

頭を撫で答えを急かす。
俺もあんまり余裕無い。
暁は焦点の合わない目を開き、呟く。

「くちに、きす、してほし、ん」

お願い通り、ちゅっちゅっと口に何度もキスする。
次は素面の暁に言われてえなあ。

「暁、口開けろ」
「ん」
「いい子だな」

暁が餌を待ってる雛みたいに口を開ける。
舌を滑り込ませようとすると、いきなり暁の上体が起き上がった。

ええ!?

見ると目をパチパチさせながらキョロキョロしてる。

「あれっ…俺………わああっ!チャイム鳴った!?なあ、チャイム鳴った!?」
「え、ああ、鳴った」
「やっべえ!やっべえよ!ごめん三上!後でな!」

そう言って慌ただしくカーテンの外へ行ってしまった。

…寸止め。
わざとじゃないよな…?
うん、暁に限ってそれはない。
暁がわざとだったら人間不振になる、まじで。

どうすんだよ、この元気になった息子。

はあーと大きなため息をついて、ケータイを出し、ヤれそうな奴を探した。

「あー…くそっ…」

今すぐここに来れる奴なんてちょうどよくいるはずもなく、放課後約束を取り付け、俺は寝ることにした。







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