ご褒美



大きな屋敷の地下に、俺はいる。
冷たい俺の部屋。

「ん、っは…ふ…!」

舌で口の中をかき回されている間に、ズボンと下着を脱がされ、後孔に指がするりと入ってきた。

「…ふぁっ、ん…あっ…あ…へんで…っ…」
「変?」
「なかっじくじく、…っぞわぞわっ…しま、っ…へん、あっ…です…」

蘭(ラン)様に後孔の壁を擦られるとピクッピクッと腰が跳ねた。
指が一転を掠めると、目の前が白くなるような感覚がする。

「あああっ…っ、やあっ…へんに…」
「気持ちよくて変になっちゃうの?」

蘭様の言葉を理解すると、恥ずかしくて顔が熱くなった。
そんな俺を見て、くすりと笑い、触れるだけのキスをくれた。

後孔からはぬちゅぬちゅ音がして、涙が止まらない。

「朔(サク)はどこが気持ちいいの?自分で動いてごらん」

蘭様は指を止めて動かしてはくれなくなった。

はじめは羞恥が邪魔をして動けなかったが、中がじくじく疼いて我慢できなくなった。
腰を振っていいところに当てる。

「あふっ…!ゃあっ…い、いっ…」
「ふふ、朔の自慰を手伝ってるみたいだね」

そう言われると、またかあっと頬が染まった。
蘭様はふふっと笑ってかわいいと言う。

蘭様は俺が恥ずかしくなることを言って、嬉しそうな顔をする。
恥ずかしいのはやだけど、俺はその顔が好きだ。

「おねがっ…しまっ…んあっ…も、っと…」
「もっと指が欲しいの?」

入り口を親指でなぞった。
焦らされると中がじくじく疼く。
早く早く、中を。

「あぅっ…は、いっ…ですっ、いき、たっ…ん」
「うん、じゃあもっとあげるね」

蘭様は右手の指を二本入れ、中を広げ、そこにふぅーと息を吹き掛けた。

「ひゃうぅっ!…それ、だめっ…ですぅ…」
「こんなにヒクヒクしてるのに?」

蘭様はそう言って左手の指をペロリと舐めた。
その仕草に心拍数が上がる。
中を広げている指で作った隙間に舐めた指を挿れてくれた。

「ひあぁっ…ん、はっ…あはっ…や、やあっ…」

壁を引っ掛かれながらピストンされる。
きもちいい。

「ぁっ…だ、め、でっ…いっちゃっ、ひ、ぁ、あっ…!」
「はは、イっちゃったね」

俺が達してしまうと蘭様は嬉しそうに笑った。

何に喜んでくれたんだろう?
俺の何に。


「もっと気持ちよくしてあげようか?」
「あ…して、くださ、い…」

いい子、と額にキスをくれた。

「玩具でも使おうか?」
「っ!や、やで、す…蘭、さま、のが…」
「…俺のがいいの?」
「…っはい…」

喉の奥でクツクツ笑って、性器を後孔に宛がった。

「初めてが俺って痛いんじゃないかなあ」

温度のあるそれに、安心する。
後孔にズンと重い刺激が走った。
指三本分より太くて固いものが入ってくる。

「痛い?」
「だ、…だいじょ、ぶ、で、す…」

大丈夫じゃない。
さっきまでフワフワしてたのに、一気に現実に引き戻される。
痛い。

内臓が上がってくるような異物感がひどい。
吐きそう。

背中を汗が通ったのがわかる。

気を紛らわそうと、蘭様を見ると少し苦しそうな顔をしていた。
考えてみれば、そうだ。
こんな狭いところに入れて、苦しいに決まってる。
それに気づいた俺は深呼吸を繰り返して力を抜くことに徹した。

一番太い部分が入ると、案外簡単に入っていく。

「ひ、あ、あっ…あぁっ…!」
「あれ?トコロテン?」

笑われて、恥ずかしくて堪らなくなった。

「かわいいね。エッチで、かわいい」

ゆるく腰を動かし始める。

「ぁ、あっ、んっ…はっ…ん」

ゆらゆら揺らされて性器が硬度を取り戻していく。
円を描くように突かれると耐えられなくなり精を吐き出した。

「あ、あ、ぁあっ…」
「耐え症ないなあ」

イっているにも関わらず、突かれ続け、ぴゅっぴゅっ、と残りも吐き出すように白濁が飛び出す。

「きもち、い…っ…いって…る、あっ…の、にぃ…」
「気持ちいいの?」
「あっ、やっ、…い、ですっ、…きもち、いっ…ですっ…」

気持ちいいです、と繰り返すと、優しくキスをくれた。

キスは蘭様にとってご褒美なのか。

奥まで突かれると、達した。

「ピンクでかわいい…」
「ふぇ…?ひゃあ!っ…んっ、ぁっ、ぁっ…」

胸の突起をピンッと弾く。

「あ、すごい締まった」

突起はクニクニ遊ばれて硬く存在を主張していた。
それを蘭様は口に含んだ。

「ひゃあぁっ…ふ、ぁっ、んーっ…」

蘭様が前屈みになったことで、中の位置が変わる。
美味しいものを食べるようにちゅうちゅう吸われると腰に疼痛が走る。

「中っ、…ぐ、りぐり…しちゃっ…」
「なに?」
「おか…しくっ…へん、に……!」

突起は遊ばれたまま、性器を握られる。

奥を突かれ、引き抜かれるときが、全部持っていかれそうで堪らない。
ぴゅっ、とまた達した。

「ぁっ、ごめ、さっ、い…はっ…」
「何が?」

動きを緩めて聞いてくれる。

「おれっ、…おれ、がきもち、…よくしなきゃ、いけな、のに…」

そう言うと蘭様はニコニコ笑って動きを激しいものにした。

俺は奴隷としてここにいるんだから。
俺が蘭様を気持ちよくしなきゃいけないのに。
しかもさっき玩具を使うって蘭様が言ったとき、生意気にも拒否してしまった。

「ああぁっ…!ぁっ、はっ、んぅっ…」
「朔、俺はね」
「ひあっ…あっ、あっ、ぁあっ…!」
「朔が気持ちよくなってるの見てるだけで」
「んっ、ひぃっ、いっちゃ…!またっ、いっちゃあ…!」
「気持ちいいんだよ」

蘭様の形を覚えるように締め付けながら達した後、中に暖かいものが広がっていく感覚がする。
きもちいい。

俺も蘭様に触られるの好きだ。





*****

「俺、口とか練習します」

今日、蘭様は一度しか達していない。
俺は……覚えていない。
数えきれないほど、だ。

「え、いいのに」
「でも…」
「いいの。そんなことしなくても俺は満足してるから」
「……はい」

そう返事はしたけど、どうにか練習する方法を考える。
だって満足してもらえるようなこと、俺何もしてない。

「ほんとにかわいいね」

そう言って俺の口を口で塞いだ。

「朔の処女、もらっちゃった」


これは、なんのご褒美?





おわり

―――――
もはらです!
…あー久しぶりに短編書いたら駄目ですね。
元々誘い受けが書きたかったんですが、書いてる途中で私には無理だ!と挫折して、じゃあかわいい受けを書こう!って思ったんですがやっぱり無理でした。
というか、そもそも、合意のって苦手なんですよね。
嫌がってもらわないと。

ちなみに、蘭様にはこのあと奥さんができます。
政略結婚的な。
でも朔ちゃんは捨てられず、近くに置いときますが、朔ちゃんはいつか捨てられんじゃないかってビクビクしてます。
それを蘭様はニヤニヤしながら見てればいいと思います。

タイトルはもう気にしないでください。
私ほんとに考えるの苦手です。

よければ感想、clapにお願いします。
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