龍の鬚を蟻が狙う


何と言うか、改めてだが加賀見は抜かりがない。
学校にだってたいして来てないくせに何でそんなこと知ってるんだ。

個室に入れられた。

「早くっ、取って…?」

取れよ、って言おうとしたけど相手はご機嫌斜めの加賀見だ。
気が変わられたら困る。

「脱げよ」

何で俺が!って思うけど素直にベルトを外す。
理由はさっき述べた通りだ。

加賀見が便器の蓋の上に座り、スラックスとパンツを脱いだ下半身裸の俺が加賀見の開いた膝の上に座らされた。

脚を開かされて、加賀見の指が入ってくる。
指の冷たさに震えた。
ローターはまだ小さく振動している。

「トロットロだな」
「んぅっ、ひ、ぁあっ、…ん!」
「俺以外に、んな顔見せんじゃねえよ」
「見せてな…」

どんな顔のことを加賀見が言っているのかは知らない。
でもやっぱりまだ怒っているというのはわかる。

「見せてんだよ。ローター突っ込まれて気持ちよくてたまんねえって顔」
「わかっ、な…」

指がローターとは関係ない位置を出入りする。
ローターで解された中を触られるのは気持ちよくて堪らなかった。

「声も結構出てたしなあ?」
「がまんっ、ぁんっ、したぁ…」
「気づいた奴いるんじゃねえの」

加賀見は俺の肩に顔を埋め、きつく吸った。
痛い。

そもそも気づかれたらお前のせいだろ。

下に目を向けると、ゴムのなかでガチガチに勃起する俺の性器が見えた。
輪ゴムのせいで絶頂を迎えることが出来ず、震えている。
先走りも溢れ、ゴムがなかったら下着はぐちゃぐちゃだっただろう。
スラックスまで進出していたかもしれない。
ゴムの存在に少し感謝した。

加賀見が俺の耳を甘噛みして舌を入れてきた。

「気持ちよかったか?ローターで感じるところ見られて」
「はぅうっ…みみっ…!みみは、ん、やあっ…!」

くちゅくちゅ、ガサガサ、音がする。


取ってくれるもんだと思って抵抗も何もしなかったが、加賀見の指はローターを前立腺に押し付けた。

「ふあっ!?ぁ、あっんんっ!やあっ…!」

いつもの俺なら確実に射精しているだろうが、今は輪ゴムがそれをさせてくれない。
内腿がピクピク痙攣する。

「ひああっ!…やめっ!てっ…あ、あ、ん、あっ…」

イきたい。
イきたい。
出したい。

加賀見の理不尽さよりも、俺の頭はそっちを優先させた。
だって授業中からずっと我慢してるんだ。

輪ゴムを取ろうとした手は加賀見に捕まった。

「いきたっ、あ、…っ…んっ、いっ!おね、がっ、ぁっ…」

俺の手ごと一緒にポケット入れ、リモコンを強くした。

ヴヴヴヴヴッ…!

「ひゃんっ!っ…ゃめ、っあ、…っねが、ぃっ、やあっん…あっ」

前立腺に直で振動が伝わる。
加賀見がローターを押し付けたことで、前立腺を叩きつけられるような感覚に身体に何か波が押し寄せる。

「やっ、だめっ…!へ、んなっちゃ、あっ、りゅっ…!…っやだぁっ、んん、ぁっ!」

ぱんっと頭の中で何かが弾けた。
背中が反り、尻がぐねぐねうねって、ローターと加賀見の指を締め付けてる。

「あ、あ、…いってぅ、…ずっと、いって、」
「空イキか?」

性器を見ると、先走りしか出ていないし、イったばかりなのに萎えてもいない。

涙腺が壊れたみたいに涙が流れる。
目に溜まった涙が邪魔で、目を瞑る。
涙は目の縁から溢れた。
それでもすぐにまた涙が溜まってしまう。

「これ、こわい、か、ら、や……んぅ…!」

自分でも何を言ってるかわからない言葉も加賀見の唇に飲み込まれてしまう。

「は、…ん、ぁっ、ん…」

ぬると入ってきた舌はいつもより冷たい気がした。
俺が熱いのか。







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