龍の鬚を蟻が狙う


「暁」

何で呼び捨てなんだ。
そう思うけど今更、追及する気も注意する気も起きない。
それに、注意したってきかないだろ。
あ、今のフレーズ、教師失格かも。

「…なに」
「これから俺が何するかわかるか?」
「わかんねぇよ。なに、殴れんの?」
「そんなことしねぇよ」
「じゃあなに」
「暁が数字教室でしてたことを俺が暁にすんだよ」
「なに言って…」
「心配すんな。俺勃つから」
「は?なに…ぅあっ!」

乳首をYシャツの上から摘まれた。
尖ってきた乳首をカリカリと引っ掻く。

「乳首感じんのかよ?」

バカにしたようにククッと笑われる。

「んなわけ、あるか!」

と言いながらも俺の体は触られる度、ビクビクする。
自分の体じゃないみたいだ。

「ふーん?」
「いや、なに…」

Yシャツの前を開けて乳首を舐められる。
たまに歯をたてたりして刺激されると無意識に腰が揺れた。

「ひう、…うんっ…、やだあ…」

ぴちゃぴちゃと生暖かい舌が俺を刺激する。
いつのまにかネクタイで手首を縛られていた。
乳首から口を放し股間に加賀見の手が伸びてくる。

何をされるかさすがに察し体を捻る。

「やめろっ…」

俺の言葉は通じないのか加賀見は気にせず服の上から揉む。
強弱をつけて揉んだり、服を擦り付けるように動かしたりする。

「ひっ、うっ、ん…んっ」

声を我慢して唇を噛む。
鼻にかかった声が出て恥ずかしい。
声を抑えるので精一杯で抵抗できない。

「そんなに噛んだら切れるぞ」

唇を指でなぞられ、その指に噛みつこうとした。
ギリギリのところで手を引っ込められ、かわされる。
歯がカチンと鳴った。

「危ねぇだろ」
「…っくしょ」

睨むと、楽しそうに笑わた。
カチャカチャとベルトをはずし、ズボンと下着を一気に下ろそうとする。

「やめろっ!やめろこの野郎!」

暴れるが意味無く下ろされた。

「みっ見んな!」

元気に勃起する自分の性器を生徒に見られる。
恥ずかしくて死にそうだ。
むしろ死にたい。

上下に扱かれ、裏筋を、つつーと人差し指でなぞられるとビクンと体が跳ねた。

「ひゃっ…や、やだ、っ…」

溢れてきた先走りを指に絡め音をたてられる。

「いあっ、あぅっ…う、ん…でるっ、やめっ…」
「まだ駄目だ」

手を放し根本をぎゅっと握られる。
当然苦しくて思わず唸った。

膝が胸につくくらいまで折り曲げられる。

「やだ!やだっ…」

自分でも見たことない部分が、誰にも見せたことのない部分が、丸見えだ。
恥ずかしくて情けなくて、泣きそうだ。
やめてくれるように頼んでも加賀見は聞いてくれなかった。
俺の性器はビクビクと震えていた。
羞恥に耐えられなくて、視界がぼやける。
泣きたくないのに。

「いい顔…」

そう言った加賀見の顔は正に雄の顔だった。



「ちっちゃい穴だな…」

後孔をペロリと舐めた。

「汚い、からっ…!やめ、て…おねが…」

舌を尖らせ後孔の入口を揉むように刺激し中へと侵入させてくる。
中に液体が入り込むのがわかる。
唾液だ。

加賀見の息がかかり、舐められているんだと自覚する。
現実逃避したがる俺の頭をそれが邪魔する。

目を瞑り早くそれが終わるのを待つ。
羞恥でいっぱいなのに、その行為で感じている自分のことを考えると、さらに羞恥が強まる。

舌で中に唾液を送り込まれながら、出し入れする。
舌が壁を擦ると脊椎に電気が走ったような快感が押し寄せる。
さらに、後孔に唇を当てられ、じゅるじゅる吸われる。
頭が溶けそうになった。
そしてまた唾液を入れられる。
それをしばらく続けられ、中に指を入れられる。

「う゛ぅ、…やだ…」

中を広げるように念入りに動かされる。
舌と違い固い指は、快感より苦痛を感じた。
性器は萎えていた。
性器に手を伸ばされまた扱かれる。
さっきイけなかったせいか、すぐに元気になる自分の性器が憎たらしい。
後孔は痛くて痛くて、性器への刺激が唯一の救いのように思えた。
すがり付くように性器に意識を集中させるようにした。
二本目を追加される。

「んんん…ひゃ、あ、ああ…!」

そこを刺激されると体に電流みたいな、感じたことのない快感が走った。
ドクンと体が跳ねる。

「ここか」

ビックリするほどの、かつてない快感。
何が起きたんだ?
今のは何だ?
自分の体じゃないみたいだった。
その答えを求めて加賀見を見ると、無情にも、そのしこりを何度もぐりぐり押された。

「あっあっあっ…あんぅっ、やっああんっ」
「エロい声」

恥ずかしい。
自分の意思とは別に鼻にかかった声が出る。
女みたいな声。
自分でも聞いたことがない声で、自分が出している声だとは信じられなかった。
もうやだ。
夢であって欲しい。

顔を真っ赤にし、でも声を抑えるのは無理で喘ぎ続ける。
三本目も入れられて中をバラバラに動かされる。

「ああっ…っひっく…んあっ…あっあっあっ…!ふぇ…っく…」

快感が強すぎて泣きながら顔を横に振っていた。
こんなの知らない。
気持ちいい。
もっと、もっとしてほしい。

頭が溶ける。







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