龍の鬚を蟻が狙う


「んっ、ん……は、むぅ…」

口を閉じる間もなく、舌が入って来た。
離れたかと思うとまた口付けられ、何度も何度も口の中を味見され、頭がぼやける。

「んむっ…ふ、」

ちゅっとかわいらしい音と共に唇が離れた。

頭がぼうっとしている間にシャツを脱がされ、乳首をきゅっと摘まれて、はっとする。

「ぁっ…ゃぁっ…おれっ、言ったっ…!のにっ…」

爪を立てられると涙が目にじわじわ溜まる。

「ひぎっ…!いた、う…うー…うそ、つきっ!ばかっ…し、ねっ」

さらに強く摘まれ、爪が食い込む。
痛い。

「お前が悪いんだよ」

なんだそれ。
俺が気持ち悪いこと言ったからか?

今度は人差し指と親指で挟まれ、クニクニと動かされる。
加賀見の肩を出来るだけ強く押す。
…力入んない。

「ぁふっ、ごめ、なさっ…ぁんっ…ごめ、なさあっ…!」
「暁、許してやるから腰上げろ」

やめてくれるのかと、しぶしぶ腰を上げるとスウェットと下着を一気に下ろされた。

「ちょっやだあっ…」


下着を上げようとすると、尻の谷間をつー…と撫でられた。

「あぅっ…!」


脚を開かれ膝を付き、尻を後ろに突き出す形にされた。
太ももの裏に、腕を入れられ、強制的にこの状態をキープさせられる。
恥ずかしい。
もうやだ。
何でこんなことに。
でも後ろから見られてないだけましだ。
と、自分を励ます。


抵抗も虚しく、性器を握られ、扱かれる。

「あっ…んっ、あっ、ぅあっ…ゃんっ…!や、あっ…そんなっ…すんなぁっ…」


乳首をチロチロ舐められたり吸われた。
歯が当たると、簡単に吐精してしまった。

「ひゃあぅっ…んっ、んっ、やだあっ!ひあっ…!」


加賀見の手に精液を吐き出し、それを絡めて、突き出している俺の尻に指を進入させた。

「ぁあ、んっ!…は、ひっ…やだっ、よぅっ…」

内壁をぐにぐに揉んだかと思うと、出し入れする。

「やあっ…ぁっ、やめっ、てぇっ…っ…んあっ!」

抜けていく感覚も入ってくる感覚もたまらなくて、意思とは別に加賀見の肩をぎゅっと握った。

「暁、後ろ見てみろよ」
「あぅっ、…っ…へっ…?」

後ろを振り向くと、テレビがあった。
テレビの電源は知らぬ間に落とされていて、真っ暗だった。
テレビは鏡のように俺を写していて、そこには尻に三本も指をくわえている俺がいる。
自分と目が合う。

「やっ、やだあっ…」

かああ、と顔の温度が上がって前に顔を戻した。
加賀見もテレビ越しに俺の後ろ姿を見ているんだと思うと死にたくなった。
見られたくなくて頭をぎゅっと抱き締める。

「あぅっ…あんっ、んっ、…っ…やっだっ…ひあっ…」

指の動きは止めてくれなくて、乳首まで痛いほど吸われて、頭が溶けそうだ。

「やめていいのか?こんなに腰振って」
「ぁあっ…だめぇっ、あっ、あぅうっ…は、あっ、」
「何がだめなんだよ?」
「やめちゃっ…だめっ、んっ、…ああっ…」

―――何言ってんだよ。
頭のどこかで、冷静な俺が言う。
だけど、もう、だめだ。
俺はこの先の快楽を知っていて、身体はそれを求めて止まない。


「ああぅっ…っ…はひっ、ゃぁっ」

中で暴れる指にぞくぞくする。
未だに前立腺には当ててもらえず、中がむずむずする。

「ゃんっ、やんっ…あ、あっ…も、ほしっ…ほしいっ…」
「何が欲しいんだよ?」
「やあっ…お願いっ…っん、お願い…」
「暁、俺は言わないとやらない。わかるよな?」
「あ、…う」







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