龍の鬚を蟻が狙う
「本気で抵抗しろ」
なに?
何いってるんだ?
抵抗してるだろ、いつも。
それなのに、お前が。
「そしたら、やめてやる」
「な、ひぅっ…!」
加賀見が性器から後孔に向かって手を這わした。
「や、だ…!」
脚をバタバタさせると、足首を掴まれ、そのまま引っ張られ、加賀見に体が近づいた。
会陰を何度か撫でたかと思うと、俺の出した精液で濡れた指か後孔に入ってくる。
「ぁあっ…んっ…はっ、あっ…」
内壁を、広げるように撫でる。
背中にぞくぞくぞくっと電気のような刺激が走る。
「あっ、あっ、んぁあっ、…ふぅあっ…」
指を出し入れする動きに変えられ、腰がぴくっぴくっと跳ねる。
「あぅっ…んっ、んっ…ひあぁっ…」
抵抗しなきゃ。
抵抗しなきゃ。
でも、抵抗しようとすると、偶然のように前立腺を擦られる。
「あぁあっ…!ぅ゛あっ、は…」
絶対偶然じゃない。
わざとだ。
「ん゛あぁっ…や、…ひあっ…」
いつのまにか三本も指をくわえていて、俺の体はへろへろになってた。
加賀見の性器の先端が入る。
「抵抗しねぇと、挿れちまうぞ」
「あぅ…ん、…」
ぐんっと腰を進めてくる。
「抵抗しろよ」
手を伸ばし、加賀見の腹を押す。
全然力が入らない。
その手を握られ、絡められる。
「ひああっ…や、うぅ…!」
さらにぐんっと入ってくる。
中はその感覚を待ってたみたいに加賀見に吸い付く。
俺…なにしてんだよ。
抵抗しろよ。
手振り払えよ。
脚動かせよ。
頭突きしろ。
とにかく体動かせ。
加賀見は俺より体も大きくて、力も強い。
本気で抵抗しないと意味無いことくらい、わかってたはずだ。
俺、本気で抵抗してたのか?
ほんとに嫌がってたのか?
今日も今までも。
だって、加賀見が。
相手が加賀見じゃなかったら、抵抗してたのか?
…すると思う。
他の奴に触られるなんて、考えただけで気持ち悪い。
今よりは確実に本気でする。
…今は本気で抵抗してないのか?
何で?
「うあっ、ひっ…あっ…」
加賀見の陰嚢が尻に当たる。
全部入ったらしい。
ずんっと奥を突かれた。
「ゃあっ、あ、あっ…む、んぁっ…」
規則的に腰を打ち付けられ、目の前に火花が散る。
やばい。
きもちい。
「あっ、ひゃうっ…んーっ、は、ひっ…」
ギリギリまで抜かれたかと思うと、奥まで突かれる。
中から抜けていく感覚が堪らなくて、頭が溶けてく。
「んゃっ、ひああっ…!うっ、あっ…」
乳首をきゅって摘まれる。
「すっげ締まるな」
「あぅっ、あっ、ひんっ…はあっ…」
俺がどぷっと射精しても、加賀見の腰は止まらない。
「やあっ…やだあっ…いって、るぅ…!やめっ…」
さらに性器まで掴まれて、頭が真っ白になる。
イった後は触られたら辛いってしってるくせに。
「ぃ゛あ゛っ…!やめっ、やめてぇっ…ひぃ゛っ…」
尿道をぐりぐりされると、痛い。
痛いような気持ちいいような、わかんない。
俺がまたイくと、少しして中に出された。
俺は結局、何も出来なかった。
加賀見から、逃げられなかった。
―――――
もはらです!
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