龍の鬚を蟻が狙う



暁の家に着き、暁が鍵を回したところで、手首を掴み、中に引き入れ、玄関で押し倒した。

「いってぇ、えっ…!?ちょ…」

暁からネクタイを奪い、手首を拘束した。
お前こんな隙だらけでよく今まで俺以外に犯されなかったな。

キスをしながらYシャツのボタンを外す。
脇腹をすっ、と撫でた。
ああ、これだ、俺が求めてたもの、暁だ。
腰な熱が集まるのがわかる。

あの女とは突っ込んでもイくのにものすごい苦労したが、暁が相手なら暁に触るだけでも達せそうだ。

「んっ…ふ、…っ…や、だ…ぁう…」

一くくりにした手で俺を押し返そうとする。
そんなの抵抗のうちに入らねぇよ。

唇を離し、首筋に顔を埋めた。
すーと息を吸い込む。
この匂い、ほんと興奮する。

ちゅっ、ちゅっ、と吸いながら、たまに噛みつく。
噛みつく度に暁の腰が揺れる。

「お前ほんとに痛いのすきだな」
「…っ…んなわけ、っ…ね、だろ…」

暁を見ると、目に涙を溜め、俺を睨んでいた。
その顔も、俺を煽るだけだってわかってねぇんだろうな。

乳首をぎゅっとつねると白い首を見せつけるように反った。

「あ゛ぁあっ…!」

それに誘われて喉に噛みつく。
乳首のピアスを弄るといい声で鳴いた。

「あっ、ああっ…!やめ…ん、ふあっ!」

この声を聞くだけで血が沸騰しそうな感覚になる。
お前だけだ、俺をこんなふうにするのは。


ガタガタと玄関のドア越しに物音が聞こえた。
外の奴に暁の声が聞かれると思うと我慢ならなくなり、靴を脱いで、暁を横抱きした。

「ちょっ…こわ…!」

手が拘束されているため、俺に掴まることが出来ず、体全体を擦り寄せてきた。
抱く力を強くし暁の顔を俺の胸に押し付けた。

「へぶっ…!てっめ、ふざけ…」

言葉の途中で暁がフリーズした。
眉が寄り、眉間に皺ができる。
泣きそうに何かに耐えているように見えた。
鳥肌も立っている。
何だ?

「暁?」

暁は、はっとしたように脚をバタつかせ暴れだした。

「何でもねぇよ!下ろせ!帰れ!触んな!」
「下ろしてやるから暴れんな」

暁ベッドに下ろし、その上に覆い被さった。

「退け!帰れ!」

黙らせるようにピアスを歯で挟み引っ張る。

「ぃ゛だあっ…!」

唾液を絡め労るように舐めると暁の腰がビクッビクッと動く。

「ぁっ、あんっ…!ゃあっ…っ…は…ん」

無意識だろうが暁は股間を俺の太股に擦り付けていた。

「お前、自分がどんだけやらしいか、わかってんのか?」

にやりと笑いそう言うと、うるさい!と弱々しく言いながら、恥ずかしそうに顔を紅く染め、泣きそうな顔をした。
今にも目の縁から涙が溢れそうだ。
その顔たまんねぇ。
もっと見せろ。
もっと泣け。


暁に口づけ、焦らすように上唇を挟み甘噛みし、舐めた。
乳首を摘むと暁は小さく声を漏らし、口を開けた。
そこに舌を進入させる。
粘膜全部を舐め回すように、唾液全てを貪るように吸う。

「ふああっ…んぁっ…ふ、ぅん…」

暁がいい反応をするところを念入りに舐め上げる。
一度口を離すと、暁の荒い息が口にかかった。
とろんとした表情を俺に向ける暁。
理性が吹っ飛びそうになるのを咎め、また口づけた。
舌を探り、吸い上げる。
味わうように吸いながら甘噛みし、舐め上げる。

暁のスラックスとパンツを一気に下ろした。
胸の飾りを転がすと、暁の腰がビクビクと跳ねた。

「ビンビンじゃねぇか」
「…っ言うな…!つーか、触んな…!帰れ!」

暁は飲みきれない唾液を口角から流しながら真っ赤な顔を横に向けた。

その唾液を舌で舐め上げ、意識して妖艶に、誘うように親指で自分の唇を拭った。
暁はそんな俺を熱の孕んだ涙目でうっとり見つめていた。

「だから、その顔やめろ」
「…どんな顔だよ?」

不思議そうに尋ねてくる。
全然わかってねぇな。

「危ういんだよ」
「あやうい?」
「ああ」

俺の理性が吹っ飛びそうで危うい。







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