龍の鬚を蟻が狙う



「暁」

掠れた声に名前を呼ばれると、中をキュンと締めてしまう。
加賀見の性器の存在をさらに感じてしまい、たまらない。

「あぅ、…ふぇっく、…あっ!…きもちいっ…りゅうっ…」

しゃくりを上げながら、きもちいい、きもちいいと泣いた。
はしたない。


「暁、」

呼び掛けられ、見上げると紅潮する頬に手を添えられ、キスされる。
何度も啄むようにキスされ、舌が進入してくる。
歯茎をくすぐられ、腰がビクビクした。
きもちいい。
すき。

「んっ、…んんっ…ふあっ…」

自分から舌を絡め、加賀見の首に腕を回した。
唇が名残惜しそうに離れる。
唇同士を繋ぐ銀色の糸は、舌に絡めて切った。

「ん…龍のキス…すき…」
「…あんま煽んな」

また唇が触れ合い、必死に息をしようと、鼻から息を吸い込むと、つん、とした臭いが広がる。
俺も加賀見も、下半身、俺の尿まみれだ。

なぜかそれすら興奮して、加賀見を見ると、少し耐えるように眉間に皺が寄っていた。
加賀見も限界が近いのか、と思ったら、前立腺ガンガン突かれてイった。




目が覚めたらベッドにいた。
…全裸で。
最近こればっかりだ。
後処理してもらってるってことは意識がない間に、色々身体を触られてるってことだし、いい気はしない。
だからと言って、ほっとくと、腹壊すって聞いたことあるし、放置されても困るわけだが。
つまり、俺には成す術がない。

そもそも何でゴム付けねぇんだ。
確かに生のがいいかもしれないけど、後処理のめんどくささ考えたら付けた方が楽じゃね?
加賀見が一時の感情や快楽に流されて自分を見失うタイプには見えない。
それとも、面倒なの差し引いても俺に嫌がらせ、つまり中出ししたいのか。
じゃあ何で後処理はしてくれんだ。
ほっとけばいいだろ。

自意識過剰ではないと思うが、加賀見からはそこまでするほどの嫌悪が向けられていると感じたことはない…。

やっぱり何考えてんのかわかんねぇ。


横にいる加賀見に視線を向けた。
目が合うとぎゅっと引き寄せられ、引き締まった腕が絡められる。
特に抵抗もせず黙ってた。

「…怒んねぇの?」

どれのこと言ってんだ。
いきなり襲ったことか。
電話のことか。
今、抱き締めてることか。
とりあえず全部に

「…怒ってる」

ものすっごい腰痛てぇし。
てか全身痛ぇ。
自分の声聞いて少し驚いた。
ガラガラ。
枯れてるし。
怒鳴る気力さえ起きない。
今日学校休んだ意味ない。


「…あ!ファックス…!」

思い出した。
送ってない。
やばい!

布団から出ようとすると、抱き締める力を強められた。

「送っといてやったぞ」
「……ふーん」
「何かねぇの?」
「……ありがとう、ございます」

俺の言葉に満足したのか髪を撫でられる。
だから、女にしろよ、そういうのは。
お前にされて喜ぶ女なんていくらでもいるだろ。

てか、俺がお礼言うのおかしくね?
今日休んだのだってこいつのせいだし、ファックス送れなかったのだって、加賀見のせいじゃねぇか。


そもそも、何で裸で男同士で抱き合わなきゃいけないんだ。
髪だって何で撫でられてんだ。
俺は女の子の柔らかくてふわふわの髪を撫でたい。


「お前…学校は?」
「あー…忘れてた」
「今から行けば?」

まだ昼過ぎだ。
午後の授業には間に合う。

「無理」

気持ちはわかるけどな。
逆の立場なら俺も確実に行かない。

加賀見が俺の頭に顎を置く。
自然と鎖骨あたりに顔を埋めることになる。
いい匂いがする。
認めたくないが落ち着く匂い。


黙ってると、少し顔が離され、目が合った。
この角度から見る加賀見、超いい男だ。
男の俺でも、少しうっとりしてしまう。

「…その顔やめろ」

加賀見はそう言って、俺の額をペチッと叩いた。

「…整形しろってか」
「バカ。そういう意味じゃねぇよ」

じゃあどういう意味だよ。


「俺…」
「あ?」
「女に生まれてたら、加賀見のこと好きになってたかも」
「………」

あ、変なこと言ったかも。
思ったこと言っただけなんだけど。

「暁」
「なに」
「男でも、好きになれよ」

そう言ってさらに強く抱き締められた。
骨がギシギシする。
痛い。
加減しろ、ばか。

「……痛い」
「黙れ」



この手を振りほどかないのは、体がダルいせいだ。
決して心地良いからなどではない。






―――――
もはらです!
これスカ入れる予定無かったんですが、私の脳内龍くんの希望により、入れました。

「よし、暁に小便させんぞ」
でも、この体位だと、おしっこ暁ちゃん飲む(もしくは顔にかかる)ことになりますよ
「それも見てぇけど、暁ぶっ飛んでるからな。ちゃんと意識あるときに飲ませて泣かせたい」
じゃあ今回は無しで…?
「いや、対面座位にしろ。それなら文句ねぇだろ?」
そしたら龍くんにもかかりますが
「かまわねぇよ」
承知しました

というやりとりにより、スカ入れて体位変えました!
次はもはらの苦手な龍くん目線です。

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