龍の鬚を蟻が狙う



「だから煙草やめろよ」
「キスはやめろって言わないんだな?」

加賀見はニヤニヤする。
しまった!
と思ったときには、もう遅い。

「な、…だ、って…」
「だって?」

だって?じゃねぇよ。
言えない。
恥ずかしすぎる。

加賀見は先を急かすように俺の後頭部の髪をくすぐるように撫でた。

「か、加賀見に…」
「俺に?」

言えるわけない。
やだ。
無理。
どこを見たらいいかわからなくて、目が泳ぐ。

だけど加賀見は逃がさないと言うように顔を近づけてくる。
ほ、ほんとに言うのか、あんな恥ずかしいこと。

「言えよ」

唇が触れ合いそうな距離。
吐息が唇にかかる。
あーもう!

「き、…キス、されんの…や、や、…やじゃ……な、い…」

恥ずかしすぎて顔をふいっと横に向けた。
なんだよこれ。
泣きそうだ。
顔熱い。
熱い熱い。
もうやだ。

「…………」

は、反応が無い。
笑われると思ったんだが。
なに、男にキスされたいとか気持ち悪いって?
俺だってそう思ってるっつーの。
そもそも加賀見は嫌がらせでこういうことをしてる訳で…。
それを嫌がらないとか何言ってんだって感じだよな。

…怖くて加賀見の顔見れない。


「かわいいこと言ってんじゃねぇよ」
「は?え?…ひっ!」

加賀見は俺のズボンとパンツを一気に下げた。
スウェットだから簡単に脱げた。

「泣かせたくなんだろーが」

逃げようと後ずさると、腰を抱かれ、顎を掴まれキスされた。

「んー…っふ、ぅん…」

さっき、やじゃないとか言ったからか、キスされんの、ものすごい恥ずかしい。
それに、やじゃないとか言った手前、抵抗しにくい。


加賀見の手が俺の性器を掴む。

「んうぅっ…!んっ、んーっ!」

ゴツゴツした手に優しく撫でられる。
ビクンッと反応して、思わず口を開けてしまい、舌が滑り込んでくる。

「は、あぅ…ひ…」

性器は加賀見に握られ扱かれて、位とも簡単に完勃ちだ。

「ちょっ…ん!…がっ…こ、でん…わっ…!」

俺の言葉を理解してくれたのか、口が離してくれた。
加賀見は少し考えたように黙ると、怪しく笑った。

こいつ、絶対録でも無いこと考えてる。
絶対俺にとって良くないこと考えてる。
絶対やばい。


加賀見は俺から退いた。
あれ?
拍子抜けした俺だが、とりあえず一刻も早く電話しよう。
加賀見がおかしなこと始める前に。

勃ってしまったものはどうしようもないので、窮屈だがパンツとスウェットを上げた。

ケータイを手に取り、開き、電話帳から学校を探す。
通話ボタンを押そうとしたところで、後ろから腰を引かれた。

「わわっ!?」

加賀見の足の間に入れられる。
何!?
加賀見は綿棒を持っていた。
それ、探しに行ってたのか…?

加賀見は綿棒の片側を口に含んだ。
綿棒の使い方を予想できてしまった俺は身の危険を感じた。

「やだっ!どけろ!」

逃げようとすると腰をしっかりホールドされる。
そのまま、さっきせっかく上げたパンツとスウェットを下げられる。
ブルンッと性器が現れ、恥ずかしさに目をぎゅっと瞑った。

少し萎えた性器も数回擦られれば元に戻った。
俺が悪いんじゃない。
こいつが上手いんだ。
暴れても加賀見にはきかず、先走りが溢れてきた先端に綿棒を当てられる。

「ちょっと待て!…っぃあ゛あ゛ああっ…!」

ぐぐぐ、と尿道に進入してくる。

前回よりは痛くないが、やっぱり痛い。
勝手に涙がポタポタ溢れる。

「いた、い!…っやめろよぉ…!」
「もう少し頑張れ」

鬼だ、こいつ。
少し引き抜くと、さっきよりも奥に一気に入れた。

「ぅあ゛あぁぁっ…!」

やっと終わったらしく、加賀見の手から綿棒が離れた。







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