龍の鬚を蟻が狙う


そろそろ帰ろっかな、って言うと

「ばーか」

って言われて抱き抱えられて、寝室のベッドに投げられた

「何すんだよ!?」
「お前、何のために、ここ来たと思ってんだよ?」

…そう言えば、何のためだ…?

「わかんねーよ」

ふっ、と妖しく笑って

「お仕置き、だよ」

お仕置き?
ふざけんな。


「暁、何のお仕置きかわかるか?」
「し、る、かっ!」

俺は何もしてない!
それにあの小便見られたのはかつてない羞恥心で、お仕置きされるにしても、あれで十分だろ。
押し倒され、スボンと下着を簡単に脱がされ、俺は暴れたけど意味なかった。


「まず一つ目だ」
「ひ、うっ!」

そう言って俺の首筋のキスマークを、ベロンと舐めた。

「お前、Yシャツのボタン閉めただろ」

ギクッと体が跳ねた。
これじゃ肯定しているようなもんだ。

それに加賀見は何で知ってるんだ。
あの後、加賀見には会わなかったはずなのに。


「もう一つはこれだ」

そう言って手の甲を見せてきた。
形の綺麗な手。
ゴツゴツしてて、大きくて、でも指は綺麗で、大きさにしては細くて男らしい手。
顔が綺麗な奴は、どこまでいっても綺麗だな。

欠点はただ一つ。指の付け根の辺りに綺麗に歯形がついていた。
昨日、俺が噛んだやつか。


「俺は悪くない!」

加賀見の手によってくくられた俺の両手を自由にしようと、もがくが、びくともしない。
この怪力め。

「悪い子にはお仕置きしてやるよ」

にやりと笑われ、身の危険を感じた。
やばい。
絶対やばい。


手首は手錠をかけられベッドヘッドに繋がれた。
何で手錠なんて持ってんだ。


「やめろよ!放せ!」
「言葉遣い、気をつけろ」
「なにっ…んむっ!…ふ、う…」

口内を貪られる。
舌で掻き回して唾液を全て吸いとられる。
加賀見の喉がごくんと動くのが見えた。
変わりに加賀見の唾液が送り込まれて、仕方なく飲んだ。
それを満足そうに見つめ、唇を離した。

はあはあ、と息が整わない俺の乳首をつねった。

「ひあ、う…っ!」

加賀見に犯された日から随分、敏感になってしまったそこは、じんじんと痛んだ。

「暁は、ここ、痛くされんのがすきだもんなあ?」
「んなわけっ…ぐぅぁああっ!」

加賀見はどこから出してきたのか、乳首を洗濯バサミで挟んだ。
痛い痛い痛い。

「痛いっ、やめっ…いあ゛ああァ!」

もう片方も挟まれ、背骨がピリピリするような感覚が走った。







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