龍の鬚を蟻が狙う


「加賀見っ…俺、トイレ行きたい…」

生徒にこんなこと頼んでるのが恥ずかしくて語尾が小さくなった。
何でこんなこと頼まなきゃいけないんだ。

加賀見は一瞬驚いた顔をして、すぐに怪しく笑った。
絶対俺にとって良くないこと考えてる。
どうしよ。

「いいぜ?行かせてやるよ」

あれ?
意外だ。
我慢しろとか言われんのかと思った。


「うわあ!」

加賀見は俺を持ち上げ肩に抱えた。
怖い。
高い。
思わず加賀見のシャツを握るとクックックって笑い声が聞こえた。
何がおかしいのかわからない。


加賀見は俺を抱えながら俺のスラックスを脱がしていた。
やだったけど怖くて手は放せないし、暴れると落ちそうだったから何もできずにいると、下半身は裸にされた。
外気に晒され、さらに尿意が促進された気がする
これも加賀見の嫌がらせか?


トイレ入り、下ろしてって言おうとすると便座に逆向きに座らされた。
タンクと向かい合わせ。
加賀見に背中を向けている状態だ。

俺の膀胱は結構ギリギリで気を抜いたら出てきそうで、それでも力を入れていた。

そしたらいきなり体が宙に浮いた。

「わあっ!」

加賀見が俺の膝の裏を持ち脚を開かせ、俺を抱えていた。
俺の背中は加賀見の腹にピッタリとくっついている。
ビックリして少し出そうになった。
危ない。
俺は前から見たら所謂M字開脚で性器も後孔も丸見えだ。


恥ずかしかったが、それよりも俺の最優先は尿意だった。

なんだ?
トイレを目の前にして、我慢しろっていう嫌がらせか?

でも、それは違った。
もっとひどいものが待っていた。

「ほら、早く出せ」

は?
何言って…
お前の前で、…しろって?

「や、やだっ…放せっ!」

放してくれないし、動いたら出そうだし、もう動かないで我慢したけど、ほんとに限界で、すがるように、加賀見を見るとあの怪しい笑みは継続中だった。
絶望的な気持ちになる。
だめだ。
こいつには逆らえない。
加賀見は言ったことは絶対する。


俺の下腹部をぎゅうぎゅう押した。
やばい!

「やだっ、ほんとに…!」

さらに膝でぐりぐりと後孔を刺激する。

「ぅぐっ…やだって、やだ…」

下腹部から手を放してくれて、安心したところで、性器を揉まれた。

「やっ、やっやっ、やだ!…っ…やだああっ…!」

俺の思いも虚しく、性器からシャーッと音をたて黄金色の液体が飛び出した。
トイレに溜まって行く。

「やだっ…やだあっ…」

下腹部に力を入れるが一度出始めたものは止まらない。
我慢していたからか、いつもより量が多い気がした。
クックックと楽しそうに笑う声が聞こえて、羞恥に耐えられない。

恥ずかしい。
もうやだ。

独特の匂いもして、恥ずかしくて恥ずかしくて、視界がじわじわ滲んで、涙が溢れる。
加賀見は楽しそうだった。
顔を見なくてもわかる。

早く終われ、早く終われ、と念じた。
だけどいつもより、異常に長い放尿時間だった。

やっと放尿が終わると、加賀見は性器を振ってくれて、さらにトイレットペーパーで先端を拭いてくれた。

そういうことをちゃんとしてくれるのは、少し意外だった。







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