龍の鬚を蟻が狙う



また腕を引かれ、個室を出るとトイレの鏡の前に立たされた。
首と鎖骨の辺りを見ると赤い花がたくさん咲いている。
それはどこからどう見てもキスマークだ。

「なっ…!?お前ほんとふざけんなよ!」

俺は慌ててボタンをとめた。
よし、全部しめたら隠れる。

「一番上は開けろ」
「無理」

開けたら見えんだろうが。

構わずトイレから出ようとすると肩を抱かれた。
耳に唇を寄せられ

「みんなに見せてやれよ。生徒と学校でエロいことしてました、って」

囁くように言われ体温が上がった気がした。

「閉めんなよ」

そう言って、加賀見はどこかへ行ってしまった。
いつの間にか第一ボタンは開けられていて、キスマークが見えた。
かあっと体温が上昇した気がする。

鏡を見ると、鬱血はたくさんつけられていて、前、左右どこから見ても、すぐ目についた。

「閉めるに決まってんだろ」

一人言を言って身なりを直し、しっかり第一ボタンも閉めて職員室に向かった。





放課後、トイレに行こうとする途中で加賀見がいた。

「暁、帰るぞ」
「や、俺トイレに…」
「黙れ」

腕を握られ、玄関まで引っ張られる。
車に乗せられて加賀見も助手席に乗った。
いや、あの、俺の話聞いてください。


「俺んちだ」
「何で…」
「画像、」

逆らえないだろ?
目がそう言っていた。
その通りなので、しかたなく車にエンジンをかけた。




加賀見の家に着くと、そこに車停めろって言われてマンションの駐車場に停めた。
加賀見は車を降りて運転席のドアを開けた。
手首を捕まれ車から引っ張り出されマンションの中に連れてかれる。
抵抗しようとすると、画像のことを言われて何もできなかった。
手首が痛い。
力が強い。
同じ男なのに、お前は俺には敵わない、と言われてるような気さえした。


加賀見が乱暴にドアを明け、部屋に着くとベットに投げられる。
上に覆い被さってきた。

「んぅ…はう、んく…」

キスされて、舌絡められて体の力が抜けていく。
加賀見にキスされると、俺ダメだ。
体の力が抜けて、ベットに沈んだ気がする。

シュッて音がして床を見るとネクタイが落ちていり。
胸がスースーすると思って見てみるとYシャツが全開。
いつの間に。

「ひゃっ、あ゛っ、…ひぅっ」

乳首をコリコリつねられる。
腰がピクピク反応してしまう。

その瞬間、下半身によく知ってる感覚が走った。

「ちょっ、かがみっ…まっ…あ゛あっ…」

やめてくれない。
そうだ。
加賀見に会う前、俺トイレに行こうとしてたんだ。

「まっ、てぇ…あっ、かがみっ…!」

俺が必死に訴えかけると、さすがに不思議に思ったのか手を止めて、こっちを見てくれた。
よかった。
加賀見が神様にも見えた。








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -