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「なんかスミマセン、恥ずかしい奴居て…」
「うちもスミマセン、お恥ずかしい。」
体育館入口にて。こんなやりとりが両校で行われている所に、道香がそっと様子を伺うように扉から外に顔を出した。
「…あ」
「!?はぅあっ」
夜久がそれに気付き、道香が手を振った瞬間山本の奇妙な声が響く。正直聞き慣れている為特に何も思わずそのまま夜久の元に足を踏み出した途端、山本が叫びながら体育館の方へ入って行った。
『…え、何今の』
「お疲れ。もう準備終わった?」
『うん、一通りは。烏野来たって言うから待ちきれなくて!』
嬉しそうに、ニコニコとそう笑う道香。夜久も釣られて笑顔を浮かべていると、周りの空気にピシリとヒビが入ったような音がした。
『あ、はじめまして!私音駒のマネージャー桜井道香です!今日はよろしくね。』
固まったままの烏野2人。そしてもう2人の黒髪とオレンジの彼も不思議そうに道香を見ている。
先に動き出したのは、先程夜久と同じように田中の行いを謝っていたグレーの髪色の彼だった。
「よ、よろしくっ。俺3年の菅原孝支。」
「はぅあ!!?」
『エッ』
「ああごめん!コイツは気にしないで!」
今し方山本から発せられたような奇妙な声。それに肩を跳ねさせた道香が振り返ると、坊主頭の彼が胸を押さえ固まっているではないか。
デジャブ。そう感じた夜久は、本当に何?大丈夫?とひたすら坊主頭に絡もうとする道香の手首を引っぱる。
これはきっと山本と同じだ。瞬時にそう考えて。
『え、夜久???』
「いいよややこしくなるから。芝山も犬岡も行くぞー」
「「ハイ!!」」
夜久に腕を引かれながら強制的に体育館へと歩かされる道香。うしろからニコニコとついてくる後輩を見ると毒気も抜け、キョトンとする烏野の4人にヒラヒラと手を振った。
「ねっ音駒ハイレベル…!」
「ビビったわ。田中じゃないけど上手く話せなかった。」
「〜〜〜〜〜っ」
「…あ?オイ日向」
「エッ日向!?しっかりしろ!?」
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