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捨てられた!拾った!



モビーディック号が停泊している小さな島。治安が良いとは到底言えず酒瓶が転がり地は荒れ果てていた。


「こりゃあひでえよい。」


特徴的な口調で話すのはモビーディック号に乗る白ひげ海賊団一番隊隊長のマルコ。彼は同じく偵察に来ていた二番隊隊長のエースに語りかける。


「まともな店なんかなさそうだな。さっさと一回りしようぜマルコ」


それもそうだ、とマルコは二手にわかれて偵察し、早く船へ戻ることを提案。エースは右から、マルコは左から偵察を進めることにした。



マルコがしばらく足を進めているとふと一つのダンボールに子どもが入っているのが見える。3歳か4歳程度だろうか。


「こんにちわ」


しばらく視線を子どもに向けていると子どもが口を開いたのでマルコ自身もおう、と返す。


「こんなとこで何してんだよい」


こんな場所にいるより親のいる家にいる方がある程度は安全だろう。そういう遊びがはやっているのか、と思考を巡らせるも周りに同じような子どもはいない。


「かいぬし、なる?」


「は?」


はい、とその子どもは両手を伸ばし抱き上げてくれと言わんばかり。よく見ると体には無数のアザ、薄汚れた容姿。思わずマルコは子どもを抱き上げていた。


「お前、親はいねえのかよい?」


「いる」


でも、いらない。と小さく呟いた小さな体は軽かった。
大体の検討はつく。望まれない子供だったんだろう、その存在を否定されたんだろう。こんな島だ。


「名前は?」


「なまえ...」


名前を聞くとマルコはなまえをしっかりと抱きなおし黙って歩き出すと島を半周しエースと合流した。


「マルコ、なんだあそりゃ?」


「うるせえよい」


拾った、とつけたしエースの言葉を軽く流しながら二人はモビーディック号に戻る。エースはマルコに抱かれる子どもを気にしたがなまえは安心したように眠っていた。





捨てられた!拾った!

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