百円玉と五百円玉で遊んでいると彼女がふと口を開いた。「お金の匂いする人やだ」え、なにそれどういう意味?



「金持ちが嫌いなわけ?」

「そうとも言う」

「お前が金持ち嫌いって初めて知ったわ」

「銀ちゃんは貧乏だから好きだよ」




あ、そうなの。銀さん嬉しいわ…って喜んでいいのこれ?誉められてんの?



「金持ちはいいぞ、玉の輿になれる」

「お金持ちが嫌いなんじゃなくて小銭の臭いが嫌いなの」



手くさくなるでしょ。どこぞやの金持ちが言うようなことを言いやがった。え、そうなの?俺はなけなしの金だけでも嬉しいから小銭に対して悪いイメージ持ったたことねーわ。



「金持ちは小銭がたくさんあるんじゃなくて札束じゃね?」

「じゃあお金持ち好きかも」

「結局そうなるわけ」

「でもお金持ちも小銭たくさんありそう」

「あるかもな」

「じゃあやっぱり一切お金持ってない銀ちゃんが好きだな」




うん銀さん嬉しいわ…って喜んでいいのこれ?本日二度目だけど嫌味言われてるだけじゃねぇか。「喜んでいいんだよ」あ、そう。お前が言うならそうだよなァ。金はねーけどこれからもよろしくな、なんて言ったら「でもお金なきゃ生活していけないよ」だと。まったく結局何なんだか。



「子供できたらお金なきゃダメでしょ」




はいはいそうですね。わかりましたよ我が新妻さん。商売繁盛、孟母三遷。旦那として頑張るわ。






(101002)
結婚式のお金もぎりぎりでした
孟母三遷 : 子供のため最善の環境を整えることのたとえ




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