短編集 | ナノ




 木の葉の里は忍の里だ。故に多くの者が忍者として生計を立てている。
 勿論、キバもそうだ。相棒の赤丸と言う忍犬と共に任務をこなす毎日を送っていた。
 今まで、一人で任務を遂行する事もあれば他の忍達と行動する事もあった。キバは、まぁそれなりに喧嘩っ早い所があったが、それでもキチンと他の忍と連携し任務を成功させて来た。
 筈、だったのだが。奴だけは、奴とだけはどうやっても上手くやれない。
 彼女と組んだ事でことごとく失敗した任務の数々。彼女と組めば、きっとC級の任務にだって失敗する、そうキバは確信していた。
………だから今回の任務に猛反発した、彼に非はないのである。上の連中の指示だとしても、加えていくら人手不足だからだとは言え、奴とは組みたくなかったのだ。
 けれど現実問題、奴は今キバの目の前にいる。手前の木の枝に器用に寝そべり、日向ぼっこをしている。奴の猫が「にぃ」と甘えた声を出している。
 あぁ、なんでこんな事に。キバは悲観したが、それで現実が変わるわけないのだった。奴は相変わらず、気持ちよさそうにぽかぽかとしていた。



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