「出雲、どうしよう」 「そんなことわたしに聞かないでよ」 「ですよねえ…」 面白半分で、志摩と付き合い続けて何ヶ月経っただろうか。決して振り回されることなんかないだろうと思っていたのに、意外な志摩の態度に何度も振り回された。そして、気持ちが今凄く揺らいでる。 本当に好きになり初めてるかもしれない。 どうしよう。 「本当に好きなの?」 「んー、多分」 「はあ…あの志摩に、ねえ」 「ねーどうしようー!出雲ー!」 「知らないわよ!自分で考えなさい!」 「…はい」 出雲に聞いても決めるのは自分だから意味ないっていうのはわかってる。けどそれでも縋りたくなるくらいに、混乱していた。自分の想いに頭がついていかない。 「名前」 「……」 「ちょお、聞いとる〜?」 「え、あ、ごめん。何?」 「どうしたん?最近上の空〜って感じやけど」 志摩にもわかるくらい、ぼーっとしてしまってたのか。これは重症だ。 思ったけど、志摩はどういう気持ちでわたしと付き合ってるんだろう。嫌いじゃないのは、わかる。でも、好きって言葉は一度も言ってないし聞いていない。ノリで付き合ったようなものだから、志摩だってきっとノリだと思ってるんだろう。わたしばかりがきっと、こんなに考えてる。なんか、馬鹿みたいだな。 「なあ、もしかして俺に飽きた?」 「な、なんで…?」 「や、この前のお昼もぼーっとしてたやん?俺ってつまらん?」 「そんなこと、ないよ」 「ならええんやけど!」 にかっと笑う志摩を見て、またドキッとした。飽きるどころか、どんどんこうして積み重なってく。その言葉に期待してしまう反面、やっぱり怖かった。今までの志摩を見てきて本気で人を好きになるなんてないような気がして。 ああ、わたし。 志摩のこと、本当に好きになっちゃったんだ。 130202 |