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「さっきの授業のレポートって来週まで?」

「再来週だって、でも来週でもいいらしいよ。」

「来週出せたら出そー」

「名前優等生ぶんなよ。」

「違うよもっぴーこうでも言わないとやらないから保険かけとくの。」

「じゃあーもっぴーもそうする。」


段々大学について詳しくなってきた。大学ではプリントのことレジュメって言ったりサボったり、教室が広いので堂々と寝たりお菓子食べたりできる。こりゃお姉があんなんになる。

ああそう言えば、デビュ子はターゲットを雅治からあたしに変えてきた。こないだ食堂で話したとき、あたしにカリスマ性を感じたらしい。あたしのことをカリスマと思ってくれるのはいいけどどこをカリスマと感じたのかは謎だ。

そして、雅治が勝手にあたしのケー番を教えて毎晩のように電話がかかってきて毎日何をしているのか服は化粧は食生活はと聞いてくる。最初デビュ子のことを敵対視してたんだけど話してみるといいやつ。でも毎晩電話はしんどい。

ってことであたしはデビュ子にあたしの人生の師匠、お姉を紹介した。お姉はカリスマとか言われるの好きだから喜んでた。今度ご飯食べに行くらしい。


「明日の新歓楽しみだね。」

「うん!タダだしね!」


こないだやっともっぴーと入学式の日に配られたサークルのチラシを見てどのサークルの新歓に行くかいくつかピックアップした。

第一弾は明日行く美男美女がいるイベントサークル。そして新歓女子はタダ。これは行く価値あり。んで女子がタダだから女子がいっぱい行くはずだから俺らも行こうという男子もいそう。

第二弾はお姉の友達たちがやっている美容サークル。エステに行ってからよくわからないけど焼肉に行くらしい。お金はかかるけど楽しいからと言われ行くことに。

第三弾はお姉が所属するイベントサークル。妹割でタダなのでいくことにした。


「もっぴー今日バイトー?」

「うん、バイトー」

「じゃあ今日食べに行くね。」

「まじー?まーくんと?」

「違うー高校の友達と。」

「んじゃ個室開けとくね。」

「やった。もっぴーラブ!」

「名前ラブ!」


今日は4限まで授業。もっぴーはバイトへ行き、あたしは待ち合わせまで時間が少しあるので大学のパソコンルームでレポート作成。

今日は幸村とみっちゃんとご飯。本当は柳も来るはずだったんだけど急用があるのでキャンセル。あたしとみっちゃんは女ー?とワクワクしている。

あー2人と会うの久々だから楽しみだなー


「ここだよーもっぴーが働いてる店。」

「俺らにもっぴーって言われても誰か分からないよ。」

「みちゃんは知ってるー」

「ふーん。早く入ろ。寒い。」


久しぶりの2人だけど毎日のように連絡してるからあんまり久しぶりって感じないかも。大学生になったからって急に服装も変わってないし。

店の中に入るともっぴーがごめん!と言ってやって来た。いらっしゃいませなのに。


「ほんっとーにごめん!」

「え?」

「個室開けてたんだけどさ、名前パパとお姉さんが来て、あの子には個室何てまだ早い私に譲れって」

「おっおう」

「相変わらずなお姉さんだね。」


そう言って幸村はニヤニヤしている。んまぁパパとお姉と個室を巡って闘う気になれないよね。ママ以外。


「その代わり名前たちのお勘定は払うからって。」

「おっラッキー!みんな今日はじゃんじゃん食べようね!」

「やったー!みっちゃん明日からダイエット!」

「今日昼ごはんもう一個パン食べなくてよかったよ。」


席に案内されてメニューを開きどれにするか決めて後はおしゃべり。


「名字、最近どう?」

「あーこないだ立海行って仁王と授業受けてイケメンよっしーと話した。後仁王のことが好きな女と会った。」


雅治とあたしのことを知っている2人の前では雅治のことを雅治と言うのは照れくさい。


「え?あのよっしーと?」

「そうそう!あのよっしー!」

「俺はそれより仁王のことが好きな女が気になるなー」

「私も!私も!よっしーもだけどその女気になる!」


あたしはデビュ子の話を出会いからお姉に継ぐまで話した。


「あっはっは!その話多分、今年一番の笑いだよ!」

「さっすが、名前のお姉だわ!カリスマって好きそうだもん。」

「結果、笑い話にできてよかったよ」

「あいつの顔のタイプは中々いないからね」

「私、中学の時?だっけなー仁王に好きな顔のタイプは?って聞いて殴ろうかと思ったわ。今思い出しただけでも腹立たしい。」


みっちゃんがおしぼりぐいーと引っ張ってストレスを発散させている。


「付き合いたての時にお前さんの系統の顔はそんなに好きじゃないけどお前さんの顔は好きって言われた。あれは腹立ったなー」

「あいつ俺よりイケメンじゃないのに凄い上からだね。まっ俺は好きな女の子にそんなことは言えないよ。中2の時でもね。」

「ああ、そう言えば、」


好きな女の子と言えば、幸村をちらりと見ると分かってるという目をしてきた。


「あっそーだ。みっちゃんにも報告しとくよ。俺、さっこと付き合った」

「えええええ、さっことはないって言ってたのに?えええええ。みっちゃんおどろきんこ。早くさっこから聞きたいなー」

「名字と同じこと言うね。」

「そりゃねぇー」

「ねぇー」


だって幸村からは絶対聞けない幸村のあんなことやこんな事を聞きたいもん。幸村の歴代の彼女はあたしらと接点のない女の子ばっかだったからね。

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