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「こないだはお騒がせしまして申し訳ないですーまぁこうやって年越しできるからオールオッケーで」

「お弁当作ってきたんか?」

「におーくん?パーク内は食べ物の持ち込み不可なので持ってきてないし、それネタにするのやめてくれる?ネタじゃなくてガチなやつだから」

「ははは!お弁当作ってきたらおもしろかったのに!あ、みんなでカチューシャ買おうよ!こないだのお詫びにプレゼントするよ!」

「精市だけ株上げ作戦ずるい!精市は仁王であたしは名前にプレゼントね!」


今日は12月31日、無事にこの4人でカウントダウンを過ごせることになった。

さっことチーズダッカルビを食べたあの日、会計して店でて雅治のお店に顔出しで近くのカフェでケーキ食べながら雅治が終わるの待って2人で違う店に入ろうとしたらさっこから電話があって指定されたカラオケに行ったら幸村とさっこが気まずい感じでいて軽くKYな雅治が、え?お前さんらケンカ?って聞いて、おいやめろよとか思ったけどそっから話がスムーズにいって2人は仲直りしたのだ。

まぁ、一応雅治のおかげでこの4人で無事にカウントダウンを迎えれた。


「あえてせーいちたちがこれにして私らがこっち!」

「えー寒いじゃん。そんなカチューシャ。やっぱ帽子にしよ、このキャップ。耳ついてるしかわいいじゃん」

「そうだね!これにしよ!黒は地味だからこのキラキラした方!」

「は?やだよ。それならまだこのピンクの方がまし」

「それは言い過ぎだろ」

「うん、それは言い過ぎた。自分でも思った」


さっこと幸村のラブラブショッピングを雅治と眺めて5分は経った。あたしらはただボケーて眺めて、たまにLINEしたりインスタ見たり、たまに2人のマネキンにされて、またボケーて眺めて。いつになったら決まるんだ。


「雅治何かぶりたい?」

「んー寒いからあのブタのかぶりもんがええ」

「あーね、あれ頭全体覆ってくれてるもんね」

「髪型崩れるけど寒いのはいやじゃ」

「あ!ママがカイロめっちゃくれたから貼っとこ」

「え、俺も欲しい」


ママが野外のカウントダウンは寒いだろうからとカイロを沢山くれた。腰に貼る用、足用、手に持つ用を4人分。おかげで荷物が重い。


「はい、雅治の。ママがみんなの分くれたの」

「おお、ママさん神じゃ。これ足用じゃ。貼ろーっと」

「あたしも貼る!」


店の真ん中で貼るのは迷惑だから2人で壁の方に行って靴を脱いでぺたり。あたしは寒いからムートン履いて来たけどつま先が寒い寒い。雅治なんかスニーカーだからもっと寒いだろう。


「直ぐには温くならんし貼ったらなんか冷んやりするぜよ」

「早く温くならないかな。腰とお腹に貼ろ。雅治も貼ってあげる」


雅治の腰とお腹にカイロを貼ってあげてあたしは自分で自分のカイロを貼った。雅治もしたそうだったけどこいつカイロ貼るの苦手だからな。


「おまたせ。はい、先日はお騒がせ致しました。こちらの品をどうぞ」

「結局ピンクにしたんだー!可愛いでしょ?」


2人が選んだのはカチューシャではなくピンクのキャップ帽。キャップにネズミの耳が付いてて可愛い。

雅治も幸村もピンクの帽子ってのがギャップがあってテーマパークに来ました感が強くて似合ってると思う。


「なに乗ろっかー!」

「並んでてあけおめは嫌だから考えて乗りたいなー」

「あ、この日のためにアプリ取ってたの!待ち時間チェックできるやつ!」


やるじゃんさっこ!みんなでそのアプリを見てみるとどれも1時間以上並ぶみたいだ。カウントダウンだからいつとよりは空いてるのかなーて思ってたけど違うみたい。


「1時間待ったら乗れるの結構多いね!いつも2時間は待つのに!」


え、いつも2時間は待つんだ。あたしこういうとこ片手で数えてる程しか来たことなかったから知らなんだ。


「ほぉ、前は跡部もおって跡部んとこの会社が出資してるアトラクションは早よ乗れたからそんな並ばんかったぜよ」

「へぇ、さすが跡部だね。連れて来たらよかった」

「あの2人ならニューヨークでカウントダウンだってさ」

「あー言ってたね!あのタイムズスクエアでやる感じなのかな?あれ身動きできないからトイレなんか行けないみたいだよ!オムツするらしいじゃん!」

「跡部だよ!するわけないじゃん!」

「え、漏らすの?」

「さっこのバカ!跡部ならきっとホテルでするよ!ニューヨークの街が見渡せるホテルで」

「あーね?分かった分かった」


あたしとさっこがバカな話をしてるうちに2人がアトラクションを決めたみたいでそこへ移動。

移動中みんなでワイワイ写メを撮ったりストーリー上げたりしてすんごい楽しい。テーマパークでのカウントダウン最高!


「外で並ぶの寒いね。早く中に入って並びたい」

「あ、忘れてた。さっこと幸村にうちのママからプレゼント!カイロセットでぇーす」

「え!まじで。ママさんあざすぅ」

「カイロ買おうと思って忘れてたかすごい嬉しいよ。ありがとうて伝えといて」


だんだん進んでやっとこさ建物の中へ。あ、これ知ってる!よくCMでリニューアルするアトラクションだ!ハロウィンとかクリスマスに!


「あ、ネットで見たらまだこれクリスマス仕様だよ」

「えーじゃあ怖くないのか」

「あ、こないだCMやっとったん見たぜよ。1月9日までって」

「あたし初めてだからたのしみ!雅治はないの知ってるけどさっこと幸村は行ったことあるの?」


2人とも誰と行ったは言わなかったけど行ったことあるみたい。あたしも雅治も誰と?ってKYな質問はしなかったからこの話はサラーっと終わった。


「あ、そう言えば」

「どーしたんじゃ幸村」

「さっき妹がこれ丸井くん?ってLINE送ってきたんだ。みんなに見てもらおうと思って忘れてた」


あ、出た。幸村の妹。最近幸村とも接触する機会減ったから妹ネタでいじるの忘れてた。

幸村のケータイの画面を覗くと赤髪の男。顔はあまり見えないけどこれは知り合いが見たら100丸井だ。


「せーいち、これ丸井だけどちゃんとLINE返してあげなよ。さっきて言ってるけどこのLINE送ってきたの朝じゃん」

「ほんとだ。目の付け所がさーこだね。ぷっ」

「ぷっ」

「何も面白くないから。あんたたち笑いの沸点低すぎ」

「ねぇ、そんなことよりもさ?この丸井ヤバくない?」

「あーあー忘れてた。丸井のくせにイキリ過ぎだね」


幸村の妹が送ってきた写メは雑誌に出てそうな感じのランニングウェアを着てる丸井。ちなみにグラサンかけてヘアバンドまでしてる。

見た感じカッコいいんだけど丸井だから丸井って感じ。


「あ、そう言えばこないだダブル丸井とあっきージャッカルで忘年会した時に最近太ったから走っとる言っとったぜよ」

「あーね。丸井形から入るタイプだからバリバリのランニングウェアなんだね」

「テニス部の時のジャージでいいのにね。雅治も走ってる時テニス部のジャージだよ」

「俺もだよ。ずっとあれで運動してたからあれでいいやって。流石に靴は買ったけど」

「あたしはパジャマだけどね!」


みんなからお前の話は聞いてねーし的な顔されたけどキニシナイ。いつか忘れたけどパパがテニス部のジャージ気に入ってライブで着てたことがあったな。話題に一切ならなかったけど。

あーだこーだと話しているうちに乗り物が目の前に。4人乗り物かと思ったら2人乗り。幸村とさっこがそそくさと乗り物に乗って行ってしまった。

あたしらは初めてのアトラクションだからかなり芋ってクルーさんに誘導されて乗った。


「これ怖くない?真っ暗だよ」

「だってこの乗り物の名前たしかホラーてついとったぜよ。あ、でもクリスマス仕様だから可愛いはずじゃ」

「じゃあ大丈夫か」


でも手は繋いでおこう。これは雅治もおなじこと思ってたみたいだ。

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