明日は大学の入学式。2年のあたしには関係ないんだけどそれがあるんだなぁ。サークルの勧誘しちゃうからね!
入学式懐かしいなあ。大学のスーツ、制服??スーツか。それを着てルンルンしてたらお姉に高校から上がってくる子たちは首にスカーフ巻いておしゃれしてるからあんたもすればってブランド物のスカーフくれたな。
たしかにスーツ自体は胸のポケットの所に大学の刺繍があるだけで地味だったからスカーフしたことによって色があっておしゃれになったなぁ。
もっぴーにもスカーフして来いってラインして2人で入学式に行ったらスカーフ巻いてる子がギャルしかいなくてイモったなぁ。
はぁ、もう1年前の話か。立海離れて1年も経つのか。
あ、そう言えば我が大学に後輩マネも来るんだった。忘れてた!あいつはわがサークルに勧誘せねばならんな。
「なーなーお花見行かん?」
「は?仁王雅治、急にどしたん?」
「お花見したいぜよ、名字名前。みんな花見しとったから」
「あれまぁ。みんなから誘ってもらえなかったの?」
「なんで名前はいつもそー卑屈なんじゃ。俺は純粋に名前とお花見デートがしたいんやけど」
寝転んで雑誌を読んでたら雅治があたしの上に乗っかってきた。重い。
「桜ほぼ散ってんじゃん。外見てみ?葉桜だよ。来年しよう」
「はぁ。なんで名前は、」
「てか雅治がアウトドアになってる事に驚いてるんだけど。誰の影響?」
「誰の影響とかじゃないぜよ。好きな人と綺麗な景色を見て心を癒されたいと思ったらいかんのか?」
「今までそんな事言わなかったし、学校の帰り道とかに桜咲いててもそこら辺に飛んでる虫の話しかしなかったじゃん。だから誰かに影響されたんでしょ」
自然を愛する男じゃないはずだ、この仁王雅治は。なのに急に桜を見たがる。去年行った公園デートだってあたしが誘ったし。
「幸村に言われた」
「は?幸村?」
「幸村にお前ら一生お買い物デートだよね。名字も口に出さないだけで本当はお花見とか浴衣着てお祭り花火デートもしたいんじゃない?って言われた」
「あたしら一生お買い物デートだよね。言われてみれば。それ以外だったら去年だったら旅行抜いてフランス前に行った公園デートとナイトサファリだけ?あたしが誘ったやつだけど。」
「公園デートは俺が誘ったぜよ。あん時名前に貢いで金欠やったからのぉ」
「え!そうだったっけ?雅治からだったんだ」
「おん、意外に俺からじゃ」
話逸らすんじゃないぜよ!と雅治に怒られ、頭を掴まれ髪の毛をわしゃわしゃにされた。
「今から行こ」
「え!今から?夜だよ!」
「夜桜じゃ。山ならまだちゃんと咲いとるやろ。ほれ、あったかい格好して行くぜよ」
スウェットを脱いでぱぱっと着替えてマフラーに手袋、ニット帽。ダウンも羽織ってかんぺき!
雅治もあたしの部屋に置いてる自分の服を着てお姉のマフラーをしていた。
「それお姉のお気に入りだから汚したら知らないよ」
「汚すような歳じゃないぜよ。俺は今年ハタチになるんじゃ」
「ほぉ」
あたしら以外誰もいないけど行ってきますと言ってお客様用駐車場に置いてる仁王家の車に乗った。
「あれ、車変えたの」
「あ、言うん忘れとった。これマイカーじゃ」
「は!これ雅治の!?」
「おん。だからこれからは自由にドライブできるぜよ」
ナチュラルにこいつんちも金持ちだからなぁ。うちのパパとママは買ってくれないだろうな。まぁ、車買ってくれても1人じゃ乗れないから意味ないけどね。
「ナビ設定する?どこの山?」
「あーんーどこがええんじゃ?どこの山にでも桜は咲いとるんか?」
「は?リサーチしてないの?」
「おん」
とりあえずググろう。