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12月4日、今日は俺の誕生日。昨日は家族にフライングで祝ってもらった。

今日は昼からモデルの友達や仕事の人らに祝ってもらって夜は名前ちゃんに身も心も捧げる予定。

名前はきっと昼の部にサプライズで登場じゃ。ごまかし方が下手過ぎる。もっと上手く嘘つけばええのに。

名前から貰ったネクタイを締め、今から美容室でカットとカラーしてもらって昼の部の誕生日パーティーへ。

このモデルという仕事始めたおかげで友達や仕事の人らに誕生日会じゃなくてみんなでよく行くカフェを貸し切って誕生日パーティーを開いてもらってる。もしモデルしとらんくて名前とも付き合っとらんかったらどういう誕生日過ごしとったんやろ。


「まーくん!お誕生日おめでとう!」


一応俺の誕生日パーティーやけどまぁ普通の立食パーティーみたいな感じで仲のええ奴らとわいわい喋ってみんなとインスタ用の写メやムービー撮ったり楽しい。


「あ、」


会場が暗くなり、プロジェクターが降りてきた。何が始まるんかと思ったらバースデーメッセージのムービーじゃ。まずは家族から始まり、大学の友達にバイト先、モデルの友達に高校の友達、テニス部。

真田のムービーは熱い感じかと思っとったら案外フツー。しかし甥っ子のそれだけ?ってコメントも入っておって会場は大爆笑。

後は忍足に跡部、佐山くんに名前の家族。パパさんのムービーのときのよーいちくんの顔はメロメロじゃった。

そして最後は名前。

(仁王雅治くん、お誕生日おめでとう。改めて言うと照れちゃうし恥ずかしいけどあたしの彼氏でいてくれてありがとう。今夜たのしみにしてるね!だいすき!)

名前の今夜たのしみという言葉に周りはヒューヒュー言われ照れたけど早く夜になってめちゃくちゃ抱きたい。

ムービーが終わったみたいで再び部屋が真っ暗になった。扉が開いてバースデーケーキを運ぶ名前さんのサプライズで登場。やっぱ来ると思った。しかも着とるドレスはこないだ俺がプレゼントしたドレス。髪型もアップにして似合っとる。

あ、みんなシルバーの服やのに俺と名前だけ黒じゃ。今気づいた。


「雅治お誕生日おめでとう。サプライズで登場しちゃいました」

「知っとる」

「え!知ってたの!サプライズじゃないじゃん!よーいちくんどーいう事!」

「俺言ってねぇよ!誰か密告者いるの!」

「や、名前がおかしかったから俺が勝手に察しただけじゃ」

「なーんだ!名前ちゃんのせいじゃん」

「え!これあたしのせいなの?」


名前がわーわー喚いとるがそんなの無視して集合写真。そんで周りからのリクエストで名前とのツーショット。

久しぶりに2人で写真撮るかも。名前は昨日俺がプレゼントしたドレス着てるし、髪型も化粧もすっごい似合っとるし、すっごいかわいい。

だからすっごいキスしたい。記念写真やしええやろ。名前の肩を抱いてほっぺにキスしてみた。もー雅治!って声は怒っとるけど顔は笑っとる。
かわいい。

「あたしもしたいからもー1枚!」


ほらやっぱり嫌じゃない。今日は俺の誕生日だから名前もノリノリでほっぺにちゅーしてくれた。

その後は来てくれたみんなと写真撮影会。この会場内に名前のことを知っとる人はよーいちくんとリリーちゃんくらいか。あいつはコミュ力は人一倍あるから少しくらい放置しとってもいけるか。


「まーくんとはいつから付き合ってるの?」

「中2からです」

「長いね!2人の時のまーくんってどんな感じ?」

「えっあ、」


雅治をちらり。あ、目があった。余計なことは言いませんよーだ。

あたしは朝からヘアセットに行って雅治の誕生日パーティーにサプライズ登場。しかし雅治にはバレバレだったみたい。

今は雅治はみんなと誕生日ケーキを囲んで記念撮影をしている。だからあたしは1人でふわふわしてた。さっきの2人で撮った記念写真の余韻ね。そしたら雅治のモデル仲間や仕事の方に全力で絡まれてるなう。

リリーちゃんとかならまだあたしも安心できるんだけど、雑誌やインスタで見たことしかない人たちだから緊張。しかもみんな大人だからアダルティーな質問されたらどうしよう。

調子乗って動画で今夜たのしみにしてるとか意味深なこと言わんかったらよかった!誰だってベッドでのことを連想しちまうよね!

雅治がちらっちらこっち見てるのはあたしの失言が心配なんだよね!分かるよ!


「中学から一緒だったの?」

「はい、部活も一緒でした」

「えー青春じゃん!うらやま!」


会話は雅治くんも名前ちゃんもニッコリ!青春な会話だ。最初はあたしらの青春話。うまーくメイクさんの青春話にシフトチェンジした。


「そーだ、今夜なにするの?」

「ほんとだ、思い出した!今夜どーするの!」


来ました!今夜の予定攻撃と少し遅れて雅治の怒りのレーザービーム。分かってる、分かってるよ。余計なことは言わないよ。


「ヒミツですよーおほほほほほ」

「お察ししますわ、おほほほほほ」

「若いっていいよねーおほほほほほ」


おほほほほほ…おほほほほほ、おほほほほほ……

いやいやあなた達も若いじゃないですか。そんな言葉はこのお姉様方には伝わらないみたいだ。


「私ね、今年で23なの。まだ若いと思ってたけど体力が違うの!1年経てば体力がすごく落ちるの」

「そうそう。高校生と大学生、大学生と社会人。一歳違えど肩書きが変われば心も体力も変わってしまうの」

「は、はぁ」


あたしらの今夜の予定から老化の話へ、そして美味しいご飯屋さんの話。話が二転三転変わるのはどこへ行っても誰と話しても同じなんだなぁ。感心してたらお姉様方がライン交換しよって言ってくれたのでふるふるした。


「んじゃまた後日改めて今夜の話してね」

「え!あっあ、」

「まーくんには内緒でね」

「まーくんたまに私らのことちらちら見て睨んでるんだよ」

「あー見えて嫉妬深いんだねーうらやまー」


それは違うと思います。あたしが失言しないように見張ってるんです。

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