「ねぇ雅治くぅん。」
「なっ何じゃ。」
授業中、雅治はがんばって授業の前に配られたレジュメの穴埋めを埋めている。あたしはちんぷんかんぷんだから雅治の字を見たりLINEの返信をしたりしていた。そして、あのデビュ子の話をしようと周りに聞こえないあまーい声で聞いてみた。
「ねぇ、大学のお友達に彼女いるって言ってないの?」
「みんな知ってると思ってたから…。」
「でもー知ってない人もいたけど?」
「高校のときのままでみんな知ってるって思ったし、聞かれなかったから…。」
「まぁ、今回はなんもなかったからいいけどさ、あの子多分ってか絶対雅治のこと気になってたよ。」
「んー何となく気付いてた。」
「雅治のことは信用してるけどさ、大学別々で少し不安なところもある。あんた顔はいいんだから。だから彼女いるってのは言っといてほしいな。」
「おん、分かった。名前も女子大やから大学には男はおらんけどこれからサークル入ったりして知らん男とも出会うと思うけど彼氏持ちって言って。俺も心配。」
話してみてお互い思っていることは同じだった。恋人がいるって直ぐに分かるように携帯の待受をお互いの画像にしようと2人で決めた。あたしは前にペアルックで撮ったプリクラ。結構前に撮ったけどお気に入り。
「どんな待受にしたの?」
「これ。」
「あらやだ。」
雅治は卒業式のときにみっちゃんが撮った壁ドンの写メ。その画像のあたしはちょっとブレていて盛れている。
そーいえばこの後、跡部もみっちゃんとやれよと幸村に無理やりやらされて跡部のりのりだったな。そんで幸村もやれよと一人一人の力は幸村よりは弱いけど数が集まれば強くなるB組が結束して幸村も壁ドンさせた。相手は幸村よりもデカイ慎太郎。なかなかシュールだった。んでその後キスコールになり2人はキスしていた。あっその時の動画みっちゃんにもらわないと。
「ナイスチョイス?」
「恥ずかしいけどナイスチョイス」
「んまぁ知らん人に電車で見られたら恥ずいかも。」
「仁王、おっはー…あれ?名字さん?」
授業中だけど仲良くいちゃこらしてると邪魔が。誰やねんと振り向くとひやあああああ。よっよっよしっよっしーだ。あのイケメンよっしーだ。大学入ってオシャレな服をきて制服姿もたまんなかったけど私服もいいかも。
「あああ、よっしーさん。はじめまして。」
「よっしーさんって。よっしーでいいよ。はじめまして。俺ら話したことなかったよな。」
「うっうん。」
よっしーは仁王の隣に座り、仁王を挟んで会話。あたしは少し緊張してる。んでイケメン過ぎて見れない。
仁王にあたしの心境が伝わってるらしくさっきから膝の上に置いてる手を抓られてる。痛いけどこれは仕方ない。あたしはいまよっしーにメロメロだから。