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幸村とさっこの件で1人でにやにやしているとおさ待たせーっとパパが部屋に入ってきた。


「そー言えば今日はどうしたの?」

「家で話してもよかったんだけど俺もママも東京に用事あったし名前も大学だし事務所で話そうってなった。」

「え?何怖いんだけど。まさか離婚?」

「違うよ、チビはバカだなー」

「何!」

「ママが雑誌のインタビュー受けるんだってさ。」

「え?なんの?」


雑誌の名前を聞けば、この間まで女子高生だったあたしだって知っている主婦雑誌だった。なんのインタビューかというと、セレブ主婦のインタビューだってさ。セレブな主婦はどういう1日を過ごしているのか、子どもや旦那との仲とかバッグの中身を紹介するらしい。


「へええええ。セレブ主婦ねぇ。」

「うん。あっでも旦那の俺の職業はちょーっと濁すよ。自営業って。」


俺って一応芸能人だし?偉そうに言うパパ。あーそういえばもっぴーには言ってるけど大学でできた友達にパパのことどーしよう。いずれはわかっちゃうよね。んーでもパパ若い子には無名だから分からんか。


「あっそれでね、娘たちの写真をどうするかって。」

「あーね。あたしらの年代でも読む人は読むからね。その雑誌人気だし。」

「へぇー大学生でも主婦雑誌読むのか。」

「うん。主婦だって女の人だからおしゃれだし、大人な服装とか勉強したいときに読んだりするらしいよ。」

「ふーん。」

「あっでもさ、パパのファンでママの顔の知ってる人いるじゃん。あたしたちの顔写真載せたらあたしたちがパパの娘って分かっちゃうからやめといた方がいいかな。」


ママは若い頃、雑誌で少しモデルをやっててパパのPVに出たのがきっかけで交際に発展、そしてゴールイン。ウィキペディアにも書いてあるから調べたら出てくる。


「じゃあ、ママの顔写真とかもやめとこっか。」

「ママはいいのかな、それで。」

「いいと思う。あいつは好きな雑誌のインタビューってだけで喜んでるはずだから。」

「そ、ならよかった。話はこれだけ?」

「んーこれだけかな。あともう一つあるけどそれは…」

「お待たせー!あらっ2人ともゴメンねー待たせて!」


タイミングいいのか悪いのかママが部屋に入ってきた。手には沢山の紙袋。きっとインタビューのために買ったのかな。


「ご飯食べながらするか。」

「うん。あっ晩御飯ね、もっぴーのバイト先のチーズフォンデュ行きたい!」


















ってことでもっぴーのバイト先にパパとママとあたし、そしてもう1人…


「なーんで侑士くんがいるのかなぁ。」

「ええやん、久しぶりに4人でご飯やん。しかももっぴーのバイト先やし。久々会ったわ。」

「侑士くんも受験無事に終わって大学も第一志望のところに合格してお祝いしちゃおっか!」


なんやかんやでこのお姉抜きの名字家プラス侑士くんって久々かも。


「パパ、そーいえばあともう一つ話があるって言ってたんだけど何?」

「ああそれねー夏休みに引っ越しすることにした。」

「え?」


引っ越し?


「2人とも大学東京だし俺の事務所も東京だし?」

「通学大変でしょ?ちょうどパパの事務所とあんた達の大学の中間らへんにいいマンションが建つからそこにしようかなって。」

「へぇー俺めっちゃ賛成や。気軽に名字家行けるわ。」

「ほら、侑士くんも賛成って言ってるしいいでしょ?」


侑士くんも賛成って。まぁ通学が短くなるのはうれしいし、買い物もすぐに行けるのはいいけどなぁ。今のところは海が近くて1人でぼーっとしたいときはすぐにできたし、雅治と同じマンションだから直ぐに会えるし、一緒に学校行けるし。まぁでも大学近いし直ぐに会えるからいっか。


「なに?まーくんと離れ離れなるのがかなしいの?」

「えっあっそうだけどでも大学近いし直ぐに会えるから大丈夫!通学が短くなるのはうれしいし!」

「ママさん、俺、引越しの日手伝いに行くわ。」

「まーくんも手伝いは強制だし男手は完璧だわ!」


帰りはママと電車で帰宅。侑士くんはバイバイして、パパはお仕事へ。


「もっぴーちゃんとこ美味しかったね。」

「うん、忙しそうであんまり話されへんかった。まっ明日会えるからいいけど。」

「あっまーくんに引っ越しのこと言っときや。」

「あー忘れてた。LINEしとく。」


そーだ!最近はLINEじゃなくてカップル専用アプリでやりとりしてるんだった。このアプリスケジュール帳の役割もはたしてるから便利。ちなみにまーくんの本日の予定は学校からの雑誌のインタビューらしい。


(この夏引越しします。)


「よし、連絡した。」

「そーそーママ今度雑誌載るの。」

「知ってる。パパから聞いた。」

「あんたらの写真も載せる予定だったけどやめといたの。ごめんね。」

「あ、そうなんだ。」

「理由聞かないの?」

「なんとなく分かったから。」

「いつの間に察しの良い娘になったのかしら。」

「大学生になったからね。」


ふふんとドヤ顔をするとママも分かったみたいでドヤ顔するなと頭をチョップしてきた。

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