02



「もっぴー聞いてよ!これあんまり言っちゃだめなんだけどね言いたくて仕方ないの。朝、パパに言われたんだけど…」


女子という生き物はすごくお喋り。誰かが誰にも言っちゃダメだけど聞いて?って言うじゃん?分かったと返事してその秘密を聞くじゃん?

そして友達にその秘密をまた誰にも言っちゃダメなんだけどって言って話しちゃうの。そしたらまたその友達は違う友達に話すの。これがずーっと続いていつのまにかみんなが知ってしまう。女子ってうわさ話が好きだし、秘密を共有したがるの。飽きない生き物かもね。


「へーすごいね?」

「でしょ?あたしアイドルのブログ書いちゃうの」


その秘密の話はというと、朝、今日はもっぴーとランチからの雅治とナイトサファリだから気合い入れないとって頑張って化粧してたらパパが仕事をあげようと言ってきた。

その仕事とはパパが今度期間限定でアイドルをプロデュースするらしく、その期間だけそのアイドルはブログを開設するらしく、あたしにそのブログを書いてほしいと言われたのだ。いや、アイドルなんだから若いしブログ書けんじゃんって言ったら、そのアイドルはお馬鹿らしく日本語をちょいちょい間違えてて見ててムカついてくるらしい。


「バイト代も貰えるしブログ観覧数上がったら上乗せするって言われたからオッケーしちゃったの」

「へー名前ってレポート書くのクッソ下手なのにブログは上手いんだ」

「もっぴーそれとこれは違うはず!多分!」

「てかそれって向こうのアイドルがこんなブログ書いてって言われて書くの?」

「そうそう。で、そのアイドルがどんな感じか全然知らないから今度顔合わせすることになったの」

「へーおもしろそうだね」

「おもしろかったらいいんだけどねー」


あたしは話したいことを全て話せたからこれは内密にっと言って冷めかけたパスタを頬張った。一応口止料ってことでこのランチは奢るつもり。


「私も聞いてよ!って言いたいけどとくにないの。まぁ彼氏とラブラブってくらい?」


もっぴーは夏休みにはいってから前々からデートをしていた男と付き合い始めた。今まで雅治との惚気?惚気か分からないけど一応惚気をいつも聞いてくれてたからこれからは聞いてあげないといけないからね。


「惚気ね惚気。聞きましょう。なーんでも聞きましょう。夜の話もありよ?」

「夜の話?こないだ初めてヤったんだけどあいつのアソコちょーデカイ。デカすぎて痛かったし、見た瞬間入るのかな?ってビビったの」

「へぇ。あたし雅治だけだからデカイのか分かんないや」

「そっかーじゃあ雅治くんに開発されてんだね」

「その言い方やめてよ、開発って。そんなマニアックなことやってないから」

「でも雅治くんの力で名前が初めてに比べて段々気持ちよくなるから開発じゃない?」

「んーそうなのかなぁ?」

「だって気持ち良いんでしょ?」

「うん、まぁ」

「下手なやつはとことん下手だからね?AVみたいにすれば女は感じるって思ってるバカもいるから」


ほうほう。今までみっちゃんたちとかでも下ネタは話したけどみんな雅治のことをよく知ってるし仲良かったから雅治とあたしとの下ネタについてはあんまり話さなかったけど、もっぴーと雅治って多分そんなに会ったことないからついつい話してしまう。あたしも下ネタは好きだから話してしまう。雅治には悪いけど盛り上がるしね。


「もっぴー勉強になるわ。じゃああたしは雅治と付き合っててよかったことになるね。あたしいつも照れながらとか若干拒否りつつもヤるパターン多いけどエッチ好きだから」

「エッチは本当に大切だよ。エッチ下手なやつだと辛い。好きなんだけどやっぱ1番愛情感じるからね。あたしの場合だけど。声のトーンとか普段より甘くなるし、そんな声で好きとか可愛いとか言われたら堪んない」

「寝起きのふにゃふにゃした甘い声で可愛いとか言われるのとヤってる最中に可愛いとか言ってくれる甘い声で可愛い言われるのと違うかもね、うん。声のトーンもなんか違うかも、うん。前者はふふってなって雅治可愛いってなるけど、後者は全身鳥肌立ってめっちゃ照れる」

「名前と私のその甘い声多分違うかもしれないけど今のその雅治くんのやつ聞いてたらにやけちゃう。あんなクールな感じなのにそんな一面もあるんだね」

「顔だけはクールそうな顔してるからね。クールって言うより無口?いやーあたしといるときとか喋るのは当たり前か。あたしの家族といるときも雅治喋ってるよ。あたしより喋るときあるし」

「へぇ。雅治くんの新しい一面いただきましたわ。最近雑誌の広告に写ってるよね」

「うん。フランスで撮影したやつでしょ?」

「かっこいいね」

「でしょ?んーあ、これこれ」


あたしはケータイのデータフォルダからフランスで撮影後に撮ってもらった雅治とのツーショットの写真を探してもっぴーに見せてあげた。


「え、なんかちょーロマンチックに撮ってもらってんじゃん」

「でしょ?めちゃくちゃ恥ずかしかったけど今は良い思い出かな」


その写真とはフランスの街中で撮ってもらった雅治があたしに跪いて花束を渡してくれている写真だ。

雅治普段そんな跡部みたいなロマンチックなことしないからこんなことしてくれてすごく嬉しかった。雅治もモデルをしてて普段しないポーズでも慣れてるからカメラマンがこのポーズをしてって指示されても照れずにやったから少しくらいは照れろよって思ったりしたけどね。


「雅治くんて雑誌のモデルしての?それともブランド?」

「初めは雑誌だったけど今はブランドの広告のが多いのかな?雑誌もあたしらが見る年代の雑誌よりも大人が読む雑誌とかかな。あいつ顔は大人っぽいからね。知らないけど」

「そうだ!ファンとかいると思うけどヤキモチ妬いたりしないの?」

「むかつくけどあいつ中学のときからモテたからね。同学年には性格も分かってたしモテなかったけど。最初は妬いてたけどね」

「最近は?」

「最近は街で歩いてて声掛けられてあたしのこと誰って聞かれても彼女ってフツーに言うし。あ、でも前に言ったと思うけど大学の友達に彼女いるって言ってなくて知らない女にアタックされてたときはムカついたかも。嫉妬っていうよりかはムカつくっていうカテゴリかも」


あの女だ。名前忘れたけど。話してみたらいい奴だけどそれまではマジで何やねんこいつって思ってたからね。雅治も雅治で彼女いるって言わなくてむかついたけど。


「てかなんで雅治くん彼女いるって大学で言ってなかったの?」

「中学から付き合っててあたしら言い方悪いけど目立ってたからさ、付き合ってることはほぼみんな知ってたから大学でもみんな知ってると思ってたから説明せんかったって」

「えー大学から入ってきた子もいるし一応環境変わったんだから言って欲しいよね。多分最初だから彼女いる?彼氏いる?って話するはずだし」

「でしょ?話し合ってお互いの待ち受けはラブラブな写メにしたよ」


もっぴーに今のケータイの待ち受けを見せてあげた。今の待ち受けはフランスに向かってたときの飛行機で撮られた2人で寝てる写メだ。


「それ名前と雅治くんって分かりにくいね」

「言われてみればそーだね。でもラブラブでしょ?」

「まぁラブラブな感じはするね」

「てかもっぴーの惚気を聞くはずだったのに雅治の話ばっかりになっちゃった」

「えーいいよ別に。雅治くんのことよく知れたと思うから」

「あ、でもこれ雅治には秘密だよ」

「分かってるよ。話した話雅治くんなは言ったら名前殺されるレベルだよね。まあまあ本人聞いてたら死にたくなるくらい恥ずかしいのもあったしね」

「まぁーね。あたしついつい雅治自身が聞いたら恥ずかしかなる雅治の話を高校のときポロポロ話してたからね」

「え?例えば?」

「んー1番怒られたのは、あたしら高校のときまで仁王名字呼びだったの。でもね唯一お互いが名前呼びするときがあったの」

「ほうほう。それはいつ?」

「エッチのとき」

「え、やばい。うけるんだけど!2人とも可愛い過ぎる」

「これみんなに知れたときまぁー怒られたわ。で、これからは2人のエッチに関することは話さないって約束したの」

「でもでも?」

「話しちゃいますよねー!あっでも話してるのはほぼもっぴーだけだからセーフかな?」


雅治に言わせてみたらアウトだけどね。


「あ、でも雅治のちんこの大きさだけは死守してるからね。今まで自分の彼氏のちんこの大きさはどれくらい?って話は誰か彼氏ができる度にしてたけど」

「へーで?どれくらい?」

「んーそれって普通のとき?」

「じゃあ元気なときで」

「長さがこんくらいで太さはこれくらい」


あたしは手でこれくらいと大きさ太さを教えてあげた。大体だからあた
てるかは分からないけどね。


「へぇー普通より大きめなのかな?イメージとして雅治くん細いからあんまり硬くなさそう」

「他のちんこ知らないから分かんないや」

「他のちんこ知らないって雅治くん幸せ者だね」

「あいつはあたしのおっぱいしか知らないか分からないけどね」

「雅治くんは名前が初めてじゃないの?」

「それ怖くて聞けないの」

「昔なら勇気があれば聞けたけど今更聞けなさそうだもんね」

「あーでもなんか今なら頑張ったら聞けるかも」

「じゃあよろしく。ってかさ、今思ったんだけど名前が死守し続けてきた雅治くんのちんこの大きさサラッと言ったね」

「あ、本当だ。雅治には秘密だよ!ってかこれ誰にも言わないでね!知られたらまじであたし怒られるわ」

「はいはい、分かりましたよ」


やっぱり女子に秘密というアイテムは欠かせないね。女子から秘密を取り上げたらみんな枯れてしまうくらい欠かせないアイテムかも。もしかしたらこの秘密はまたもっぴーと秘密を共有する人に言われるかもしれないけどこの秘密は雅治の耳に入らなければいい話なんだけどね。



prev nextbkm