05



「さっこといるときの幸村どんなんだろーね」

「ねー!さっこは元彼といるところ何回か見たことあるし話も聞いてたから分かるけど!」

「幸村は隠すからねー写メとかは見せてくるけど」

「いつも他校だからね。付き合ってた女の子たちは」

「お前らどこにいても話すことは変わんねぇな。せっかくルーブルにいんだから絵の話でもしろよ」


仁王は今日はずーっとお仕事なのでみっちゃんと跡部があたしを誘ってくれた。

まだルーブル美術館に行ってなかったのでルーブル美術館へ。まぁ修学旅行のときにいったんだけどね。


「でもさー私と名前が芸術について語ってたら気持ち悪いでしょ?」

「まーそうだな。考えてみたらお前らが芸術を語ってたら気持ち悪いかもな」

「それに跡部がガイドしてくれるって言ったじゃん!」


最初イヤホンで聴くガイドのやつを借りようと言ったけど跡部が俺に任せろと頼もしそうに言ってきたから借りなかった。しかし絵の解説なんて全くしてくれてない。


「それは俺の説明を聞かねぇからだろ」

「だって、久しぶりのみちゃまだし」

「うん、久しぶりの名前だもんね」

「いつぶりだ?」

「えーいつぶり?」

「んー1ヶ月は経ってないか」


1ヶ月も経ってないのかよと跡部は少し引いてた。でも侑士くんと1ヶ月ぶりにあったらこうやってテンション上がっちゃうでしょ?と聞いたら速攻それはないと返ってきた。

ルーブルで芸術を堪能してお昼ご飯。あたしとみっちゃんはフランス語のメニューが読めないので跡部にパスした。

しばらくして来た料理は素晴らしい芸術作品だった。とりあえず写真をとっていただきます。お肉料理で、名前はよくわからないかっこいい名前。跡部に5回聞いたけど分からなかったから諦めた。


「仁王はいつ撮影終わるの?」

「さあ?一日中って言ってたからね」

「ふーん。みっちゃんさ、仁王がモデルやってるとこ見てみたい」

「んじゃ行く?」


雅治がいる動物園に来た。おフランスにまできて動物園。まぁ仕事だから仕方ない。


「キャー!名前ちゃん!その子誰!」


撮影しているところに近づいていたらスタイリストさんが跡部を見つけて突進してきた。跡部は若干引いていた。


「高校時代の友達で友達のみっちゃんの彼氏ですよーたまたまフランス旅行被ってて今日1日相手してもらってたんです」

「へーみっちゃんやるねー!」

「えーもうやめてくださいよー!」


みっちゃんとスタイリストさんは初対面なのにきゃっきゃしていた。


「ええ!けーごくんイギリスに留学中なの?あー残念」


スタイリストさんの圧力に困り気味な跡部。これは貴重だと無音カメラでパシャリ。


「なーにやっとんじゃ」

「あー!」


後ろから雅治にパッとケータイを撮られて返せと思い後ろを向いた。


「お」


今日もモデルの雅治はすごくかっこよくてケータイ返せと思ってたさっきまでの気持ちはどっかへ行ってしまった。

今なら跡部よりもかっこいいかも。


「あー!仁王久しぶりー!相変わらず面白くなさそうな顔してんじゃん!」

「げ、みっちゃん」

「何よその顔!けーごなんか言って!」

「よぉ、仁王久しぶり」

「おん。久しぶり」


雅治と跡部はみっちゃんを綺麗にスルーして会話していた。みっちゃんは悔しい顔して跡部の二の腕をひねった。すぐに跡部はみっちゃんに仕返し。仕返しと言ってもみっちゃんみたいに二の腕をひねるとかじゃなく、鼻をキュッと摘まんだだけ。

それがおもしろくて笑ってたらみっちゃんに怒られた。おもしろくない。


「そーだ!記念に四人で写真を撮ってあげるよ!ほら、並んで!」


カメラマンの人が急にひらめいたらしくて四人の記念写真を撮ってくれた。この写真帰国したら送ってくれるらしいから届いたら大切にしよーっと。出来上がりがたのしみだ。



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