「うあー食べ過ぎた。昼食べれるかなー」
「とか言っていつも食べれてるから大丈夫ぜよ」
「えーそうかなー?だって日本じゃないし」
「朝からラーメン食べたりしとるから大丈夫じゃオデブちゃん」
雅治に食べ過ぎたお腹をポンポンとされて腹が立ったから足を蹴ろうとしたけどこいつ今日は撮影だからそんなことしたらダメだと思い髪の毛を抜いたった。痛そうにしてる。ざまぁみろ。
「お?ケンカかケンカか?」
「もっと派手にやってもいいよ!」
スタッフの人に茶化されてしまった。大人しくしとこう。
今日の撮影はパリの街中とかエッフェル塔とかで撮るらしい。
「じゃ、終わったらLINEして。あたしこの辺ぶらぶら買い物しとくから」
「おん。分かった。」
「名前ちゃん、ここは人通りもあるし日本人もちらほらいるから大丈夫だと思うけど気を付けてね」
雅治からこんなこと言ってもらったことない。もう大学生なんだから言えるようになってほしいな。
「はい!了解です!」
「まーくんももっと心配してやりなよ」
「こいつは案外強いから大丈夫じゃ」
「助ける気が感じられないよ、まーくん」
強い強くないの問題じゃなくて彼女なんだからすこーし心配ってのがあってもいいんだけどなぁ。
「雅治はあたしがナンパされててもあたしがナンパしてくる奴を撃退するまで隠れて見てるやつなんで」
「え、まーくん助けてあげなよ!」
「いやだってそん時の名前ちゃんはまじ怖いからのぉ。ガラスのハートのまーくんは無理じゃ」
「そーいうやつなんですよ。この仁王くんは。じゃ、撮影がんばってねー」
街中を散策。街並みがフランスって感じ。雑誌やテレビで見たあの街並みが目の前に広がってて感動。
雅治はメイクしてもらってさらにかっこ良くしてもらってこの街並みをバックにいきって写真を撮ってもらえるから羨ましいな。モデルっていいな。あたしもなりたいな。無理だな。そこまでかわいくないし、身長も世間では高いけどモデルだったらチビだし。せめて170あったらなー
身長欲しいなってことで靴屋さんに入った。たーくさんある。そしてどの靴も輝いて見える。
時間がたーっぷりあるので好きなやつを全部はいてみて足に合うハイヒールを選んだ。
店を出てどこ行こうとブラブラ歩いてたら雅治から戻ってこいと連絡があったのでさっきのところに戻った。
みんなおかえりと言ってくれて嬉しくなった。雅治はどこだろとキョロキョロしていると名前と呼ばれて振り向けばモデルな雅治。
いつもと違う雰囲気だけど外国人ばっかで少々ホームシックになってたから声を聞いただけで嬉しくてぶぁーっと全身に鳥肌が立った。
「どーしたんじゃ。さみしそーな顔して。あ、まさかホームシック?」
「まぁそんなとこ?」
「そんなとこって本当はちょーさみしかったんじゃろ?」
「うるさいバーカ」
「バカとはなんじゃバーカ」
「ハゲ」
「ハゲとらん」
言い合いしてるけどいつの間にか手はちゃっかり繋いでくれる雅治くん。撮影は本日は終了で明日みっちり撮るらしい。時間は2時ごろ、少し遅い昼食を取ることにした。
「芝生でピクニックしたかったな」
「あっこは汚いらしいからのぅ。知れてよかったぜよ」
本当はテイクアウトしてエッフェル塔の近くの公園の芝生でランチタイムって考えてたんだけど、その公園の場所を地元の人に聞いたらそこは犬のフンがたくさん転がってるからやめとけと言われてその人が教えてくれたエッフェル塔が見えるレストランのテラス席でランチタイム。
「食べ終わったら何する?」
「先に頼まれてたブランド品買っとく?」
「それいいかもね。パパもママもお姉もみんな沢山頼むから大変」
「重力オーバー確定じゃな」
「まーねー」
「あ」
「何」
「ちょ、顔出して」
「え、何かついてた?」
顔を雅治の方に向けると目閉じてと言わた。目を閉じると何か近づいてきてあれこれキスされる?とか思っちゃったりしていたらやっぱりちゅっとキスされてしまった。
「外国やからええやろ別に」
「ここが外国でもあたしは日本人だから恥ずかしい」
「でも嬉しい?」
「うるさいばーか」
何か負けた気がして悔しくて雅治の脛をちゅんっと蹴った。
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