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いよいよやってきたフランス旅行。実はこれを入れたら3回目。1回目は家族と、2回目は修学旅行。

名前のパパさんとお姉に送ってもらい、飛行機まで時間があるから空港のスタバで暇つぶし。俺は一緒に行くスタッフの人らと集合場所の確認を電話でしとって名字家の方々は名前に何を買ってきて欲しいかチェックしとる。


「分かったよー大丈夫買うから。リストだってあるし」

「でもチビだから心配」

「そーそ!パパの言う通り」

「買ってきてあげるのに上から目線。まったくもぉー!」

「あんただって使うでしょ。私のお金で買うんだから」

「お前にお小遣いあげたでしょ」

「無礼な事を言ってごめんなさい」


名前はさっきまで偉そうにしとったのに立場が逆転すると急に丸くなった。こいつはやっぱりあほじゃ。

俺も姉ちゃんと母さんに父さんから色々と頼まれとる。弟はお菓子で十分。ガキのお土産は楽じゃ。


「あ、そろそろ行く時間じゃ」

「あ、本当だ!いよいよフランス旅行の始まりだね!」


荷物を持ち、パパさんとお姉に別れを告げてフランス旅行の始まり始まり。
問題が何もなければええが、絶対何かあるはずじゃ。それがいやーなことじゃないことを願うぜよ。


「あたし窓側がいい」

「えー俺も窓側がいい」

「可愛い彼女に譲ろうというのが彼氏だと思うんだよね」

「この旅行の旅費は俺持ちじゃ」

「仁王様、どうぞ」

「それでいいんじゃ」


旅費を出されると言うことを聞くしかないじゃないか。あたしはしぶしぶ飛行機の窓側の座席を仁王に譲った。


「ははっ名前ちゃんとまーくんのやり取りおもしろいね!いつもそんな感じ?」

「恥ずかしながらこんな感じじゃ。」

「こんな感じですけど気まずいケンカはしないと思うので大丈夫です!」

「こっちはケンカしてくれたっていいよ。面白そうだし」

「やだ、その状況を楽しむ気ですね。あたしもそっち側の人間だったら楽しいのに。絶対しないです!楽しませないですよ!」


そう、この旅は2人だけじゃないんだ。雅治の仕事で行くんだからスタッフがいる。てかこういうの本当は恋人連れていくのはダメだと思うのに周りのスタッフとかよくオッケーしたよね。

しばらくして飛行機が動き出した。あたしらの座席は3列シートだったが誰も来なかったからラッキーだ。


「隣おらんから足伸ばせるなり」

「そっか、でかい人は大変だね。せめてビジネスクラスだったら」

「俺そんな金出せん」

「あたしもだよ」


しばらくして機内食が出てきてあれ食べて、無理の繰り返しをしながら2人とも完食。

お互い座席に付いてるテレビで映画を見ていたのでそれから一切会話無し。あたしはたまに軽食のサンドイッチやアイスを取ったりトイレに行ったりしてたから歩いたけど窓側の雅治は全く移動をしていなかった。別にいいんだけど少しくらい立ったり体を動かさないと体に悪いよね。エコノミー症候群ってやつもあるし。声かけてみよ。


「雅治、トイレ行かなくて…あんたなに泣いてんの」

「切な過ぎるんじゃ、これ」


雅治は韓国映画を見て大号泣。普段見ないジャンルを見ようと涙頂戴モノのラブストーリーを見て共感して大号泣。顔を洗ってスッキリさせて来いとトイレに行かせた。

雅治はトイレだからこの3列シートはあたしのもの。横にゴロンとなって寝ることにした。帰ってくるまでに爆睡しないと。



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