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昨日ことなんて覚えてない。名前が怒ってるってことは俺が多分てか絶対やらかしたに違いない。しかもこんなに怒ってるってことは凄いことを俺はやらかしたに違いない。プリッ。


「何した、俺」

「口に出したくもないけど、」

「反省したいです」

「はぁ。仕方ないね」


名前から聞かされた昨日のまーくんは俺が知らないまーくんだった。名前にキスしまくるのはええとして後半の俺、レイプ魔じゃ…!しかもゴムなし。名前は危険日と安全日の境目。お姉の薬飲んだから大丈夫と言ってたが俺はサイテーなことをしてしまった。


「名前ちゃん、ごめんなさい。ごめんなさいですまないと思ってるけどごめんなさい」

「妊娠なんてさ、まだ早いよ。こないだ入学金払ったんだから、もったいない。今度こんなことあったら金玉蹴るからね。」

「ピヨッ。許してくれる?」

「許す許さないの問題じゃない気もするけど反省してるなら許すよ。その代わり、」

「その代わり?」

「欲しいものがあるの、今から行くよ」


名前、バイトは?と思ったけど言えるわけなく名前に着いて行った。電車に乗りデパートに到着。エスカレーターで上に上がりついた場所は有名なブランド店。まさかここの靴が欲しいのか。まーくんそんな金持ってるけど買ったら今月やってけない。

と、思ったら靴が置いてあるとこではなく、アクセサリー売り場だった。


「あっ、この赤のカチューシャと、赤のブレスレットください。」


わぁ、ダブルでお買い上げ。俺、値段見てないてか見せもらえない。今財布に2千円しかないから魔法のカードでお買い上げじゃ。


「ありがとうございます。」


店員に見送られ、名前はホクホク顔。俺はシクシクじゃ。でもこれで機嫌が良くなるんやったらまぁええか。


「よかったー売れ残ってて。これずーっと欲しくてお金貯めてたんだけど雅治がやらかしてくれたおかげで早く手に入れることができたよ。まーくん愛してる」


こんなとこでまさかの 愛してる 嬉しいけど嬉しいけど嬉しくない。でも嬉しいぜよ。


「じゃっ!あたしは今からバイトだから行ってくるね。」

「おっおん。いってら。」

「今日はバイト終わってから新歓に行ってくるね。」

「おん。もし行けたら迎えに行こうか?」


お金を吸い取られたけどこいつは大事な彼女。新歓なんて野蛮なとこほんまは行ってほしくないけど出会いというものは大切なことだから仕方ない。迎えに行けば名前が彼氏持ちだと分かるし。名前がモテたらの話やけど。


「じゃあお願いしよっかなーまた連絡するね」


悲しい顔して手を振る雅治と別れあたしはバイトへ向かった。あいつの悲しい顔はあたしとの別れで悲しいのか財布の面で悲しいのかは分からないけどね。雅治には生でヤったと言ったけど本当はゴム着けてたんだよね。反省しろってことて嘘ついたんだ。ついていい嘘悪い嘘あるけどこれはいい嘘。本当はさっき買ってもらったやつが早く欲しくて嘘ついたなんて言えない。

今度雅治くんにはごめんねってことで同じブランドでブレスレット買ってあげよう。メンズでいいのあったからね。あと欲しがってたTシャツも。ネタバラシしたら怒るかな?まぁいいや。

今日のバイトはまずパパと朝昼兼用のご飯を食べることからスタートらしい。あたしは朝食べたんだけどね。昨日パパはお姉と久々ご飯食べて熱く語ってからの大好きな先輩と会ってとても楽しかったらしい。だから寝ないで働けるらしい。さすがパパだ。ロックを感じる。


「あたし親子丼の気分だったんだけど」

「パパはカツサンドの気分だった。金出すのは俺だから文句言わず食え」

「ういー」


まぁここのカツサンドは美味しいからいいんだけどね。モグモグと食べながら今日あたしは何をするのかを聞いた。


「今日はコラムのチェックして事務のお手伝いちょっとやってほしい。事務員さんが言うには確認して判子押すだけらしいから」

「へーそんなの事務員さんだけでできそうなのに」

「簡単な作業だから誰かに手伝ってもらって違う作業したいらしいよ」

「へーそういうものなんだ」

「てかその紙袋何?買ったの?」


パパが何それと今朝雅治に買ってもらったプレゼントを指差した。


「まーくんに買ってもらった」

「へー結構奮発したね、まーくん。何買ってもらったの?」

「ブレスレットにカチューシャ」

「二つも買ってもらったの。まーくんやるねぇー」

「でしょー流石だわ」


このとき雅治が来月のカード決済のことを考えてGoogleで(日雇い 派遣 大学生)で検索しているのをあたしは知る由もなくパパと楽しくカツサンドを食べているのであった。

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