「あーほんと最悪ー」
「せっかくの休みやのにこうやって呼び出される俺のの方が最悪なり。」
「お駄賃あげるから文句言わない!」
せっかく部活休みの日に寝ずに俺は彼女の姉のネイルをしてるんやろ。
それはこいつが寝てて起きたら足の人差し指のジェルネイルがポロっと取れたらしい。今日はサンダルを履く気分だったらしく俺が呼び出された。
俺は自分の姉ちゃんに鍛えられ最近ネイル検定二級を取った。実技試験のモデルはその日俺の周りの女どもが用事を入れていてたまたま空いてた真田を連れて行った。かなり浮いた。男ってだけでも浮くのに。
そんなこんなで、寝ていて呼び出され、ジェルネイルセットを用意して自宅まで足を運んだ。彼女と同じマンションラッキーと思ってたがこういうことされるとアンラッキーじゃ。
「まーくんはネイル検定一級取る気ないの?」
「俺、ネイリストになる気はないから取らないぜよ。ってか姉ちゃんが受けてみればって言ったやし。」
「ふーん。そうなんだ。あ!聞いて!今気になってる人がいてー今日はデートなんだ!」
「ほぉ、どんなやつ?」
「まーくんと同い年なんだけどチョー大人っぽいしイケメン。」
「え。」
写メを見せてもらったらそこには氷帝の忍足が写ってた。こいつ俺らの中では変態メガネぜよ。
「まーくんどうした?」
「そいつテニス部でたまに大会で会ったりするし中学の時合宿所で同じやった。」
「えー!まじで?じゃああの子も知ってる?」
「いや、あいつは大会のときは周り見とらんしその合宿は部員のみやったから会ったことないと思うぜよ。」
「ふーんそうなんだ。つまんね。」
「完成したなり。」
「おーありがとう!はいお駄賃!じゃ!デート行って来まーす!」
野口さんを俺に渡しお姉は出かけて行った。いや待てよ、俺ここの家の鍵持っとらんしここには俺しかおらんし。
どーせ直ぐに誰か帰ってくるやろ。俺はソファで寝ることにした。