テニス部マネージャーはあたしと2年の後輩マネージャーだ。後輩マネは入学式のときあまりにも可愛すぎてモノにしたくて駄々こねて入部してもらった。(イケメンと付き合えるよ!って)(今はサッカー部のイケメンと付き合ってるけど)
先輩と後輩だけどちょー仲が良い。あたしのこと慕ってくれるし、服の趣味合うし、可愛いし。言うことなし。
そしてとても頼もしい。
そんな彼女がC組の前で幸村に怒られていた。なんでだ?とりあえず部活の最中に聞いてみた。
「授業で電子辞書必要になったんですけどあたしの電子辞書丸井先輩にパクられてて返してもらおうと思ったら幸村先輩いたから借りたんですよ」
「幸村に借り物とはお主やるのぉ」
「え?そうなんですか?幸村いつも快くいろんなモノ貸してくれますよ」
「え?まじ?あ、ごめん。話し続けて」
「あ、それで授業中暇になったから幸村先輩の電子辞書でエロい言葉調べまくってお気に入りワードに登録しまくってたんですよ」
国語辞典に古典に英語フランスドイツ語全部の辞書で調べまくったらしい。この子はすごい。あたし丸井のならできるけど幸村にはできない。
「で?幸村はぷんぷん?」
「これ返したの3日前なんで幸村先輩にしては気付くの遅いなーて。これ返した日の放課後に怒られると思ってたのに」
「てか自ら幸村に怒られるよーなことするのがすごいよ」
「えー先輩もよくするじゃないですか」
「いや、あれはバレないと思ってるから」
「やばい、うける。でも幸村先輩の怒った顔好きなんですよ。イケメンだし、プリンスだし。多分幸村先輩が怒る後輩女子って私くらいだと思うんですよ」
「あーそうかも。あたしらの学年の女子には火吹きまくってるけど下の学年の子には怒らないもんね。ほんとに立海のプリンスやってるよ」
「その優越感?ってのが快感」
「それなんかわかるかも。あたしが1年のときに幸村とはタイプ違うんだけどクッソイケメンな先輩いたの」
「うんうん、それで?」
「あたしも先輩とじゃれあって小突かれたりしたらあたしらの学年の女子で先輩から小突かれる女子なんてあたしだけだろなって」
「そうです!そうです!てか仲良くしてて仁王先輩ヤキモチ妬かなかったんですか?」
「いやー特に」
「昔から相変わらずですね。あ、でも…」
後輩マネがなんか言おうとしたときお尻に強い衝撃。振り向くとラケットを持った立海のプリンス幸村(般若バージョン)
「2人ともお喋りし過ぎ。働いて」