ゴンッ
「痛っ。」
「いっ。」
デート帰りの電車。今日は少し遠出したから2人とも会話することなくいつの間にか寝てた。仁王の肩に失礼しようと右に頭を振るとまさかの仁王の頭もあたし側に向いてたから頭と頭がごっつんこ。仁王ってへにゃへにゃしてるのに石頭だから痛い。
「仁王あっち向いてよ!」
「嫌じゃ。首つる。お前さんがあっち向きんしゃい。そっち窓あるけぇ。」
「嫌だ。誰かの皮脂でギトギト。男なんだから我慢して。」
「男だって我慢したくないときがあるんじゃ。」
「仁王いっつもそれやん。」
「ピヨッ。」
言い合あってるといつの間にか最寄り駅に。言い合ったお陰?で目も覚ましてラッキーだ。
「俺も目ぇ覚めた。」
「あたしが頭ごっつんこさせたお陰だわ。」
「ええように言うな。」
「プリッ。」
「あーパクった。一昨日先生が人のものをパクるのはいけないって言ってたぜよ。」
「それは仁王がさかっちの消しゴム盗んだからでしょ。」
「プリッ。」