「こっこれがロードバイクか。」
「仁王ビビってんの?こんなの楽勝でしょ!」
「だっていつものママチャリと違う形しとる。」
あたしらの姉から譲り受けたロードバイク。月曜からこれに乗って学校行こって言ったら仁王が乗る練習してから行こうってうるさいから休日に公園へ練習しに行った。
「同じ自転車じゃん。ほらあああああこわいよおおお。」
「ほれ見てみぃ。」
乗るのはできた。しかし漕ぐといつもと違う大勢だからバランスがとれなくてハンドルがグラグラしてすごく怖かった。
「仁王やってよ。」
「怖くて漕げん。」
「テニス部やろ。」
「それとこれとは別じゃ。」
ビビってる仁王はゆっくり自転車を漕ぎ始めた。
「怖い怖い怖いあああああ!…やっべ、ちょー楽しいなり。ママチャリとは違うぜよ!」
ビビってるはずなのにスイスイ漕いですごーく笑顔で手を振ってくる腹立つ。
「仁王だけずるい!あたしも楽しむ!」
次はできる。ゆっくりペダルを踏み込んだ。
「いやあああああ!止まらない!怖い!ブレーキ怖い!」
叫んだ甲斐あって3時間後スイスイ漕げるようになりました。