「ねぇ?跡部知らない?それか跡部の連絡先知らない?」


今日何人に聞いたことか。最近LINEというアプリが流行って連絡先ってのを交換してなくて跡部の電話番号を知らなかった。LINEしても返事返ってこないし。どこにいるんだ。


「跡部くんならさっきA号館したの喫煙スペースにいたよ?」


跡部情報を手に入れてダッシュでA館へ向かった。大学になってこんなに走ったことないや。あ、嘘。遅刻しそうになって駅から大学まで走ったことある。


「跡部?」


A号館の喫煙スペースについて跡部を探したけどいなかった。あーどこにいるんだ。


「ねぇ跡部ここで見た?」


たまたまサークルが一緒の子がいて跡部を見たか聞いてみた。


「いたいた。なんか後輩に教科書あげるって言ってどっか行った。」

「えーそんなー跡部の電話番号知ってる?」

「そう言えば知らないわ。LINEは知ってるけど。ってかLINEの電話でかけたら?」


ああ、その手があった。LINEを開いて跡部に電話をした。しかし跡部が出ることはなかった。


「跡部いたら連絡して!」

「何だが知らねーけど了解!」


また1からスタートだ。てか跡部の後輩って誰だろ。サークルの子?それとも高校の時の後輩?地元の後輩?ああどこにいるんだ!


「あー疲れた。」


跡部を大学中探し回って1時間。どこにも見当たらない。この時間は跡部は空き時間だから授業には出てない。どこかで時間を潰してる筈なのだ。

大学内のコンビニで不人気の意味不明なジュースを買って広場でブレイクタイム。あと30分以内に探さないと跡部は授業に出てしまう。それまでに見つけ出さないと。


「跡部め。うろちょろしやがって。会ったらとっちめてやる。」

「それはこっちのセリフだ、あーん?」


後ろを振り向くと必死で探していた跡部だった。なぜか跡部は少し息が上がっていた。


「やっと見つけた。」

「それはこっちのセリフ!LINEしたのに。」

「あ、すまねぇ電源切れてた。」

「もぉ!あたしの1時間返してよ。」

「で?何だよ。俺に用って。」

「好き。」


やっと言えた。跡部に好きってやっと言えた。

この間、跡部に好きと言われて私はどう答えたらいいのか分からなくてフってしまった。私は跡部が好きなのか分からなくて考えていたら噂でミス氷帝が跡部に恋していると聞いた。私はそこで跡部を誰にも取られたくない、好きなんだと実感した。だからミス氷帝よりも早く跡部に好きと伝えなきゃと大学中を走って跡部を探していた。

私に好きと言われた跡部は少し驚いた顔をしたけど直ぐに満足した様な顔をした。


「やっと言った。」

「ふふっ。で、返事は?」

「俺もだぜ。」


そう言ってあたしを引き寄せて跡部の顔が近づいて唇が重なった。あたしも跡部も走ったからか唇が乾いてた。そんなの気にしない。幸せだから。
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