03



「真田怒っとったのぅ。」

「さっこが寝てたからね。怒っても起きなかったよ。」

「さっこすげぇ。」

「怒鳴られても起きないさっこに教頭に怒られた真田、2人とも面白くて幸村と笑いそうになってやばかった。」


始業式なのですぐに終わり仁王と近所の定食屋さんでお昼ごはん。仁王は生姜焼き定食であたしはエビチリ定食。ご飯と味噌汁お代わり自由でお腹が空いてるときはよく来る。


「俺ら前に座ってたからどんな状況か分からんかってブンちゃんとあっきーがウキウキしとった。」

「こっちは本当に笑い堪えんので大変だったよ。」

「ふーん。あ、卒業旅行の予約そろそろ行かんとダメやけどどこ行く?」

「あー忘れてた。てかテニス部で柳ん家の別荘行くんでしょ?後さっこと話してたんだけどダブル丸井仁王あっきーにあたしとギャル軍団で一泊二日ていいからどっか行かない?って。」

「それええかもな。温泉とか?」

「うんうん。かにかにツアー的なやつ。」

「肉がええ。」

「えーまぁみんなの意見聞いてからだね。」

「で!俺らどこ行く?」

「どこ行きたいの?」

「えーどこだろ。あーそうだ。跡部がイギリスに留学するの知ってた?」

「いやー知らん。するん?」

「そうそう。んで卒業したらすぐにイギリスに行くんだって。みっちゃんと付き合って日も浅いしラブラブしたいからみっちゃんも卒業式までイギリス行って卒業してから大学入学までイギリスなの。」

「みっちゃんハードじゃな。」

「まじそれ。でね?跡部がイギリスおいでって言ってくれてるんだけど卒業旅行イギリスってのはどう?」

「ええけど。他に行きたいとこないん?」

「あたしは仁王とならどこでもいいよ?」

「ふーん?」

「なにニヤニヤしてんのよ。では食べ終わったし今日ウチに跡部来るから行くよ。」


お会計して、最近お姉と仁王のお姉様が今流行りのロードバイクを買って飽きてあたしと仁王にくれたのでそれに乗って最近は移動してる。

最初は乗るのがすごーく怖くてグラグラしてたけど仁王と2人で練習して今ではフツーに乗りこなせてる。

仁王と別れ、家に帰るとすでに跡部がいた。またまた有名なケーキ屋さんでたくさんケーキを買ってきてくれた。


「あれ?ママは?」

「加圧トレーニングだとさ。」

「なんかごめんね。お留守番させちゃって。」

「いや、こっちも色々とよくさせてもらってるから大丈夫だ。」

「てかやっとみっちゃんと付き合ったんだね。」

「俺にも計画ってのがあんだよ。」

「まぁでもおめでとう。2人が付き合ってくれて嬉しいよ。」

「ああ、ありがとう。そうだ、あいつからイギリスの話聞いたか?」

「うん。」

「もし暇だったら仁王と一緒に遊びに来てくれ。ホテル代とチケット代は出す。」

「え?ほんとにいいの。」

「ああ。」

「じゃあ、お言葉に甘えて行かせていただきます。」


もう一つケーキを頂こうと箱を開けようとしたとし仁王がよっとやって来た。なので1度席を立ちコーラを入れてあげた。


「俺も紅茶の気分やった。」

「えー先に言ってよ。それ飲んだら自分で入れな。」

「なんでお前そんなツンツンしてんだよ。」

「だって、仁王があたしが食べようとしてたケーキ食べてるもん。」


そう、さっきこれ食べようと決めていたケーキをみかんのタルトを食べていたのだ。

一口だけやしやると言われたけどあたしはタルトのクッキーのとこが食べたかったのにそこを既に食べられてて断った。


「あたしも大人になる。だからティラミスいただきます。」

「プピーナ。てか跡部は今日何しに来たん?」

「名字のお母さんがイギリス行く前に遊びに来いって言われて今日空いてたから来た。」

「まぁでも今日跡部が来ると忘れてたママは加圧トレーニング。」

「ママさんらしいのぅ。」

「そう言えば最近、忍足と名字のお姉さんに何かあったか?」

「ん?」


跡部が優雅に紅茶を飲みながら聞いてきた。

おねえと侑士くん?ハワイ行く前にお姉から侑士くん国立の医学部狙ってるからあんまり会えないとぶつくさ言ってたな。あ、そう言えば!


「昨日かな?暇だったからお姉の部屋の前でお姉の会話盗み聞きしてたの。」

「悪趣味だな。」

「俺もいたなり。」

「はぁ。」

「来週成人式でその日の夜にクラブで成人式のイベントあるらしくて久しぶりに行きたいって。でも侑士くんはあんまり行ってほしくないんだって。」

「名字のお姉はクラブからの知らない奴とホテル率高かったからのぅ。あ、心配せんでも別れてたときじゃ。」

「話を聞くだけだと明らかお前のお姉さんが悪いな。」

「まぁねーお姉侑士くんと付き合ってない時期と付き合ってる時期の過ごし方の差が激しいから。」


侑士くんと付き合ってない時期はクラブに通い、酒とセックスに溺れ、夜の蝶としてお金を稼いでた。でも侑士くんと付き合ってる時期はクラブも行かず飲食店で働き休みの日は侑士くんとデートしたりエステとかに行ったり。


「多分成人式のイベントゆーても内容はいつものクラブやろ。それ調べてお姉に言えば納得してくれるかのぅ。」

「そーだね。それかそれよりもいいこと探してで釣るか。お姉単純だから。」

「何かある?」

「跡部何かある?」

「お姉さんの好みを知らねぇから何とも言えねぇ。好きなアイドルのコンサートとかねぇのかよその時。」

「あーっ!それそれ!」


そうだ。この間パパに後輩のバンドのライブに誘われたんだ。あたしは興味ないから断ったけどお姉大ファンなんだった。たしか日にちは成人式!


「お姉の好きなバンドがその日の夜にあるの。パパがチケット持ってるから大丈夫!」

「それで決まりだな。」

「プピーナ。」


夜、パパが帰ってきて事情を話チケットゲッチュ。夜中、お姉がバイトから帰宅。早速ライブに誘ってみたら断られた。どこへ行くのか聞いたら高校の友達同士でホテルのスイートを借りてお泊りするらしい。クラブ行かないのかと聞いたら行くわけないじゃん、あんなとこ卒業したと言われた。侑士くんとなんか揉めてなかった?と聞けばもしあたしがクラブに行ったらどうする談議で盛り上がってたらしい。結果、あたしと仁王と跡部の勘違いだったみたい。

次の日跡部から最近忍足の様子がおかしいという理由はメガネのかけ具合が気に入らなかったかららしい。

必要性がなくなったチケットはパパに返却。でもその後輩のバンドのボーカルがあたしのことを妹みたいに扱ってくれてライブに来てくれることが凄く楽しみらしいから行ってくれと頼まれた。えーって顔して渋ってるのとブログでその日のこと書くから、出張費払うからと言われてローラばりにオッケーをしてしまった。


prev next
bkm
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -