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「そんなに焼けてないね。」

「思ったより焼けてない。お姉みたいにベタベタ日焼け止め塗ってなかったけど。」

「そうそう、ワイドショーであんたのお父さんがハワイにいるってちょろっとやってたよ。」

「なんかあったみたいだね。パパはハワイで誰かに声掛けられると思ってたけどそんなになくてショックだったみたい。言ってないけど絶対そうだよ。」


ハワイから帰って日本のバーゲンに参戦。向こうの服も可愛いけどやっぱ日本の服も可愛いんです。朝からどっさり買ってからのランチタイム。今日はワイハな胃を日本に戻すために和食。油物サイコー!だけどやっぱ和食がイイね。


「でもTwitterで検索かけたら気付いた人は結構いるみたいだよ。多分なまえとか家族いるし声掛けなかったんじゃない?」

「やっぱりそうか。あっお土産!はいっ!」


忘れかけてたハワイのお土産をみっちゃんに渡した。みっちゃんには有名な下着メーカーのボディミストとTバック。棒付きキャンディみたいな避妊具。そしてジャムとかコナコーヒーとかみっちゃんのお母様へのお土産。


「ありがとう。しかしなまえさん、この2つを使えと?」

「で、使えるの?まさかとうとう肉体関係だけ…」

「あんたが帰って来てから会ってから言おうと思ってたけど付き合いました。」

「うええええい?」

「なにその反応。」

「みっちゃんおめでとう!」

「でもねぇ。」

「ん?」

「跡部こっちの大学じゃなくてイギリスの大学行くんだって。」

「わお。」

「だから会えるのはあと少しなの。」

「9月からじゃないの?」

「何か色々と手続きとか準備とか色々となんかしたくて卒業してから直ぐに行くって。」

「えー氷帝ってたしか卒業式月末だよね。」

「せっかく付き合えたのにすぐに遠距離だよ。」

「でもたった四年と考えれば。」

「四年で卒業できればの話だけどね。でもあいつ昔イギリスに住んでたから大丈夫かな。」

「それなら大丈夫だよ!跡部しっかりしてるし!」

「あと女関係心配。」

「それは跡部もだと思うよ。お互いがいい感じで連絡とってたら大丈夫だよ。」

「そーだよね。あっ私卒業式までの休みの期間跡部とイギリス行ってくる。」

「ほえ?」

「次いつか会えないし。学校は卒業式の前々日くらいまで休みだし。来いって。チケット代だすからって。」

「お母様は?」

「興奮してて行ってこいって。ドラマチックねーって頭の中お花畑。」

「反対してなくてよかったね。」

「うん。それは本当によかった。でね、卒業してから入学式前までまたイギリス行くの。」

「なかなかハイペースだね。体調崩しちゃだめだよ。」

「大丈夫だよ。あっ跡部がね、なまえも暇だったら春休み中イギリスに来いって、チケット代だすからって。」

「やだ跡部ったらイケメン。そのアメちゃんコンドームはどこで使うのかなぁ。にやにや。」

「口に出すな。恥ずかしい。じゃあ出るよ。」

「はいほーい。」


みっちゃんと跡部がやーーーーーっと付き合ったからお祝いとして奢るよと言ったらみっちゃんがお土産わんさか貰ったから私が奢るよとよくあるバトルを繰り広げた。結局お互いがお互いのランチを奢るということになった。

買うもの買ったし暇だから仁王がバイトしているセレクトショップへ行った。昨日会ったときバーゲンシーズンはほぼ出勤らしくヘロヘロになっていた。コンビニで仁王が倒れないようにカロリーメイトとあたしのオススメの野菜ジュースを買って行った。


「仁王ーっ!」

「名字にみっちゃん。あけおめ。」

「あーあけおめ?」

「仁王これ差し入れ。」

「お、ありがとさん。げっ野菜ジュース入っとる。」

「美味しいから飲んでね。分かった?美味しいから!」

「プリッ。」


せっかく差し入れ渡したのにかなり嫌な顔をしている。あのイケメンはどこかと聞けば今日は違う仕事があり夕方に帰ってくるらしく仁王オンリー。

店内を物色してると白襟が可愛い紺色のセーターを見つけ買うことにした。仁王にこれくれと言うと俺もそれ昨日買ったと言われた。みっちゃんそれを聞いて大爆笑。なんかムカついたからみっちゃんと跡部にぜったいお揃いの服を買わしたる。何ならプレゼントしたるぜよ。

帰り際に今度それ着てデートしよって仁王にみっちゃんから聞こえないくらい小さな声で言われた。もちろんさ。


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