05



「なんで光くんとこうやって日光浴してんだろ。」

「珍しく意見あったからやん。それに叔父さんもおるやん。」

「パパはこの旅行中3回しか声掛けられてなくてショックなブヘッ。」


隣で寝ていたパパにタオルを投げつけられた。結婚式の次の日あたしと光くんとパパ以外は買い物やらエステやら何処かへお出かけ。あたしらはパパに連れられあまり観光客がいないビーチで日光浴。川の字になって日光浴。


「でも今回はそんなに日本人おらんとこ行ってるからちゃうん?それに叔父さんが芸能人って分かっても家族いるし声掛けんかったとか。」

「光くん、そんな慰めは慰めにもならブヘッ。」


次はパパの腕が鼻に直撃。まじ痛い。


「あーあ、みっちゃんどうなったんだろね。」

「みっちゃん誰やねん。」

「あたしのマブダチ。」

「言い方古っ。で?なんなん。」

「世間狭いから知ってるかもだけど氷帝の跡部知ってる?」

「ナルシスト?」

「そうそう。みっちゃんと跡部が付き合ったか付き合ってないか気になるの。」

「脈ありなん?」

「ありあり。Bまで言ってる。」

「言い方古いねん。」

「Bって言い方やらしくないじゃん。」

「やらしいってよりは、おっさんやで。」

「まじかよ。じゃあ今から乙女になる。王子を迎えるために城を作る。」


私はよっこらせと起きて砂を集めて城を作った。


「ちゃんと入るくらいの城作らんとあかんで。」

「それは無理だからデザインだけ。姫は金持ちだし王子も金持ちだから雇って作る。」


砂がサラサラ過ぎて城ができない。なので波が来るか来ないか微妙なとこで作ることにした。穴を掘って砂を集めていると光くんに写メを撮られた。


「盗撮。」

「早よ作れや。」


もくもくと作っていたけど飽きてしまい海で手を洗って日光浴再開。ケータイをいじってると幸村からLINEが。仁王っていうヒョロ男がいながら王子を迎えるために城を作るなんて。って待て待てどこから情報漏れたんだ。


「あ。」

「あ?なまえどないしたん。」

「光くん、なんかした?よね。」

「は?」

「幸村がさっきまでのあたしを知ってるんだよ。城作ってるあたしを!」

「しゃーないなぁ。さっきブログ書いてん。彼氏持ちの従姉妹が王子を迎えるために城作ってる。って。」

「てかなんで幸村が光くんのブログ知ってるんよ。」

「どっかで漏れてん。」

「ふーん。仁王も知ってる?」

「知ってんで。」

「あたし光くんが従兄弟って言ってないや。」

仁王にLINEで報告しなきゃ。ケータイを開くとすでに仁王からLINEが。

(おま財前と従兄弟やってんな)
(まぁね。みんな知らんと思ってた。会うの小学生ぶりだしね。)
(ふーん。で、王子は?)
(航空券渡してないから来ないよ。)
(ふーん。どんなやつじゃ。)
(ぷりぷり言う王子なの。)
(ぷり)
(ふふっ、仁王かわいい)
(かわいい言われても嬉しくなか。)


「ラブラブLINEか。たのしそーやな。」


光くんにじーっと仁王とLINEでのやりとりを見られていた。


「勝手に見ないでよーてかさ、ひっぴーいないの?」

「ひっぴーって何やねん。おらんで。」

「ふーん。ほんま?ほんまなん?」

「何でそんな疑うん?」

「いやー別に。昼寝したらーお買い物しよ!はい、決定。」

「絶対昼寝で終わるわ。」


しかし、あたしたちがやっと深い眠りに入ろうとしたときにパパに起こされショッピングに行くことになった。微妙なタイミングで起こされたためいい買い物はできたけど楽しくはなかった。とほほ。


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