06


「ここじゃ。」


仁王に案内されたセレクトショップはあたしだったらびびって入れなさそうな感じのおしゃれな店だった。店員さんが美男美女。


「いらっしゃいませー。雅治くん久しぶり。隣の女の子って彼女?」


イケメンの店員が仁王に話しかけてきた。爽やかな感じであたしのもろタイプだ。


「そうなり。たまたま道で会ってデート、昼飯食べてきたなり。」

「へーそうなんだ。どこで食べてきたの?」

「店の名前は…なんだっけ、名字。」


ぼけっと仁王と店員さんの会話を聞いてたらいきなり話をふられてびくっとした。えーとあの店の名前はー


「たしかエリーズキッチン?だっけ?自分でハンバーガーの具材を選べる店なんです。」

「そこよく行くよ!昨日だって行ったし!あそこメニューは書いてねえけどプラス50円で具材1つ追加かポテトに味付けしてもらえるから今度来たときやってみ?」

「へーそうなんですか!ありがとうございます!仁王今度また行こうね!絶対だよ!!」


いいこと聞いちゃった。ここに来てラッキーだったよ!こういう食べ物系の話は地元の人か近隣で働いている人の話を聞くのが一番だ。


「部活が午前までの日にでも行くぜよ。」

「いぇーい!」

「試着したい時声かけてね。レジんとこで仕事してるから。」


そう言ってイケメンの店員さんは奥に行ってしまった。あたしも気になる服探そう。


「どこ行くん?」

「え?あたしの服を探しに。」

「え?俺の服一緒に探してくれんの?」

「自分で探しなよ。」

「いやじゃ。いつもと違った感じの服が欲しいか名字が探してくれんと困る。」

「仕方ないなーほらこれ。」


わがままを言うキモい仁王に呆れながら適当に近くにあったTシャツを掴んで仁王に渡した。


「このTシャツ気に入ったなり。さすがなまえちゃん。」


どんなデザインのTシャツか分からなかったけど仁王は気に入ったようでそのままレジへと向かった。さてあたしもステキなお洋服を探そう。


「これいいじゃん。可愛い。」


ベアトップのワンピース。バストの部分がシンプルな黒。白黒のボーダーのフレアスカート。ちょーかわいい。さっきの店でもワンピース買ったけど買おう。あたしも仁王のいるレジへと向かった。


「何買ったん?」

「これー!かわいいでしょ。」


バッとワンピースを仁王に見せた。あーやっぱりかわいいわ。輝いてる、このワンピース。


「ほぉ、俺のTシャツと似てるなり。」


仁王が見せたTシャツはどうやらあたしがさっきチョイスしたやつらしい。Tシャツの上の3分の1が黒で3分の2がボーダー。どこで見たことある気がする…


「雅治くんのTシャツとそのベアトップワンピねー実はペアルック。」

「ええー?!ペアルック?」


まさかのペアルック。ペアルックに見えるっちゃ見えるけど見えないといえ見えない。高度なペアルックで分からなかったぜ。可愛いけどペアルックって昔のイメージがあるから恥ずかしいから買わないという選択肢はない!


「ペアルックだけどこれ買う?どうする?」

「買います。このデザインとっても素敵だもん!はい、お金。」

「念願のお揃いなり。今度これ来てどこかに行くぜよ。」

「その時は是非うちにも来いよ。はいっお釣り。」

「分かったなり。」

「また来ます!ここの服すごく可愛いんで。」


2人で店を出ようとしたときにイケメンの店員さんにコソッと耳元で「その服着て絶対来てね。もちろんその服で。」と言った。あたしは言われた内容よりもイケメンに耳元で囁かれたことに対してとろけそうだ。


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